観光船・ダイビング船他
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
ダイビング船
沖縄県本部村
スタッフからも操船し易いと好評の<DX-45H-0B>
近年、沖縄ではダイビングなど観光客を取り込んだ兼漁も数多く見られ、獲る漁業と見せる、体験させる漁業が両立している地域でもあります。 今回は、ダイビングボートとして期待が寄せられているファイブオーシャン・セブン<DX-45H-0B>を訪ねました。
ダイビングボートとして進水したのは<DX-45H-OB>。もともと養殖給餌船として開発された漁船ですが、ここ沖縄ではダイビング客をダイビングスポットまで運搬するボートとして活躍していました。なぜこの船型を選ばれたのでしょうか。船主であり、株式会社五洋の代表、高野肇さんに伺いました。
「船を入れ替えるときにいろいろなところで話を聞いたり、ボートを見に行ったりしたんですが、幅が広く、人が多く乗れるようなボートが見つからなくて。そこでヤマハさんから提案されたのが今の船なんです」
高野さんが運営するファイブオーシャンは、スクール、体験スノーケル、ファンダイビングなどを合わせると年間の利用者数は延べ5000名。ファンダイビング利用者の半数以上が再利用者になることもあり、安全で快適なボートが集客にも大きく影響します。
「仕事として考えた場合、一回での運べる人数というのが、そのまま収入のベースになります。ですからより多くの人をダイビングスポットに連れていくという容量が、何よりも大切になる。その次が快適性。これはトイレ、シャワーといったものから船の乗り降りなど、お客様が快適だと感じられる設備です。そうなると既製品のボートでは対応しきれない。ゴージャスな設備よりも実用的な利便性を求めるお客様の方が多いですから。その点この船の出来には満足していますよ」
<DX-45H>を導入してからというもの、利用客の評判も上々だということで、さらに稼働率を高めたいと話す高野さん。
「サービス業ですから、新しい船を入れることでのリスクもあります。ただそれによってお客様も喜ぶし、スタッフも活気づく。他からの注目とかもあります。そうして勢いをつけていくことで差別化していかなくては、集客できませんからね」
漁船建造の技術が生かされたダイビング船<DX-45H-0B>。高野さんは次もこれをベースにした船を購入したいと、早くもその思いを巡らせていました。
ワイドでフラットなデッキ。舷も低いため海に入る際もスムーズに行える
トランサムステップは3基搭載。大型で幅も広く取られている
ダイビング機材の着脱は前デッキで行われるため、ワイドなスペースが求められる
シャワーを完備するDX-45H。利用者からも好評だ
和船のダイビングボートには見られないトイレルーム。セールストークの一つになっていた
(株)五洋の代表、高野肇さん