観光船・ダイビング船他
日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。
ダイビング船
沖縄県伊是名島
釣りやダイビングに活躍する前田丸<YD-37ストレッチ>
沖縄本島より船で1時間半。近年ではダイビングや遊漁船など、観光客取り込む兼業が盛んに行われています。今回はその中の一人、島の若手を代表する、前田一史さんを訪ねました。
勘当のような形で島を出て、東京で板前の修業を始めたのが18歳の時。5年間休む間もなく働き続けて、23歳の時に帰郷。伊是名島に帰るとすぐに民宿の経営を始める一方で、スキューバダイビングのボートガイドや釣りのチャーターなどを行い、今では伊是名島を代表する若手のひとりとして知られるようになりました。
「島には帰れないと思っていたんですけどね。でも帰っても実際には仕事がないので、調理の経験が生かせる民宿を始めたんです。ところがこのような島ですから、漁師が魚を捕りに行かなければ、民宿で魚料理は出せない。ならいっそのこと自分で捕りに行くかと思って買ったのが前の船だった」
25尺のドライブ船を購入した前田さんは、自ら竿を握り釣った魚を民宿のお客様に提供していくうちに、釣りの腕前もぐんぐん上がり、今では漁師からも一目置かれる存在です。
「もともと船はスキューバダイビングの仕事と、晩のおかず釣りに買ったようなものですが、お客様が一緒に釣りに行きたいということが多くて、それなら船を大きくしようと思って。ヤマハに乗ってる漁師さんにいろいろ聞いたんですが、船が丈夫で波に強いし、エンジンも壊れないってみんな言うんですよ(笑)。乗ってみてなるほど、って思いまたね」
その前田さんが選んだのがYD-28のブリッジを搭載したYD-37(ストレッチ仕様)。よきパートナーとしての手応えを感じているようです。
「ダイビングや釣りなど、お客様を乗せて走ることを考えて、船とブリッジを選びました。評判も上々ですよ」
こうした仕事の一方で、前田さんが積極的に取り組んでいるのが、島の活気作りです。
「島の産業はやはり観光が最も大きいですから、常にお客さんに来ていただけるような、島の魅力を伝えていきたい。大きな商業施設を作るという話ではなくて、我々のような観光に携わるものがこの島の魅力を伝えて、来ていただくお客様をもてなす。ひとりでも多く伊是名ファンができればと考えています」
民宿経営の傍らで島の未来を見据え、活気ある島作りに取り組む前田さんと<前田丸>には、これからの伊是名島を担う大きな期待が寄せられていました。
主用途はダイビングボート。そのためデッキもシンプルにまとめられている
航海計器など操舵室はシンプルだ
フYD-28のブリッジを搭載
前田一史さん。島の活性化に取り組む若手を代表するひとり
フラットなデッキに加えてバランスのとれた走りはお客様からも好評だ