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一本釣り

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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マダイ一本釣り

徳島県鳴門町

揚がったマダイはすぐにハッチの中に取り込み、魚体の変色を防いでいる。漁はエンジンリモコンと、ティラーで操船しながら続けられる

渦潮で有名な鳴門海峡はマダイの一本釣りの好漁場。春と秋の漁期は特長のある鳴門の一本釣り漁船が漁場を賑わします。 今回は鳴門市でマダイの一本釣りに情熱を注ぐ福池正美さん哲也さん親子の<也丸>に乗船させていただきました。

 急流で揉まれ育った見事なマダイを目当てに、春と秋の鳴門海峡は、一本釣りの漁船で賑わいを見せます。ブルーに塗られたハル、低めのブリッジが特徴の漁船群は徳島県鳴門の一本釣り漁船で、地元では『カンコ』と呼ばれています。
 オリジナルとも言える3枚板で造られていた木製のカンコを16年前まで使っていたという福池正美さんはマダイの一本釣りを始めて45年のベテラン漁師。ご長男の哲也さんと組んで、今も『カンコ』による一本釣りを営んでいます。
 優れた『カンコ』の条件について福池さんにお聞きすると「なんといっても風流れ、潮流れが少ないことです」という答えが返ってきました。
 福池さんの也丸<DX-32カンコ>はブリッジを低く抑えたデザインで風流れを防ぎ、舵板の面積を大きくしセミキール仕様とすることで接水部分の面積を大きくとり、それらを防いでいます。また伝統的な細身の船体に比べ幅を大きめに取ることで従来の船よりも安定感を高め、作業の快適性を図っています。
 一見、作業性重視とも見える<DX-32カンコ>のプロフィールですが、こうした中でも高レベルのスピード性を確保しています。
 「漁場は10分もすれば着く所なんだけど、エビやイカナゴなどマダイの餌を遠方まで買いに行くときには、このスピードがありがたいんだね」とスピードについてもその性能を高く評価します。
 また、「イカナゴは生かして運ぶんだけど、スピードに加えてイケス容量がかなりあるので、生存率が高いんですよ」とも説明してくれました。ちなみにこのイケスは内側が黒色に塗られており、捕獲したマダイの変色を防ぐ役目を持っているということです。
 福池さんは1年のうち11月から3月ごろまではワカメの養殖に従事し、春と夏は、マダイ、メバル、ハマチといった一本釣りを行いますが、ワカメの養殖の時期にも、その合間を縫って釣りに出掛けることもあり年間の出漁回数は250回を超えると言います。
 「以前の船に比べれば、スピードも上がったし漁の作業もやりやすくなったよ。特に一本釣りは体力がいるから船の揺れが少ないのがありがたい」
 これから秋にかけ本格的な一本釣りのシーズンを迎える也丸。鳴門の海に誕生した<DX-32カンコ>に今、注目が集まっています。

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フラットなデッキが特徴のDX-32

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艤装は非常にシンプルで一本釣りようのローラーが代表的な艤装品で、福池さんは餌蒔き機と呼んでいた

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「鳴門の鯛を一度食べたら、よそのはもう食べられないよ」と笑う福池さん親子

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鳴門の渦潮に揉まれて育った見事なマダイ

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鳴門海峡での一本釣りに徹底した機能を持つ也丸<DX-32カンコ>

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