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貝類

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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真珠毋貝養殖

愛媛県宇和島市

母貝に付着するゴミを手際よく取る前田さん

リアス式海岸が連なる愛媛県宇和島市は全国にその名が知られる真珠の産地。10年前の大量斃死以降、真珠養殖を営む漁家は減少していますが、現在でも宇和島から宿毛に至る海岸線には真珠養殖に携わる数多くの作業小屋を見ることができます。

 宇和島市の由良半島の下灘地区で真珠毋貝養殖を行っている前田幾満さんは、「手間ひまを掛けた分だけ、いい母貝ができるとは限らないけど、いい母貝は手間ひまをかけて育てらているんだ」と母貝養殖のコツを言い表します。
 「昔は山から杉の木をとって、それを海に入れて、アコヤガイの稚貝を作ったものですが、今は水産試験場の栽培センターから稚貝を買って育てているので、歩留まりの変化は少なくなりましたし、養殖についても研究が進んでいるので、ある程度の水揚げを予想することはできますが、だからといってロスのない完璧な養殖ができるかというとそうでもないんですね」
 宇和島での母貝養殖の期間は約1年半。稚貝の生育と共にネットの大きさを変え、半年をひとつのサイクルと考えて育てるそうです。
「イカダひとつが100mあって、そこに125個のネットをぶら下げています。一個のネットには70~80個の母貝が入っていますので、おおよそ9000前後になりますかね。そのイカダがウチでは17本あります。今年の出荷と来年分の比率は半々です」
 母貝養殖では寄生虫への予防を施す高濃度の塩水処理の他は、貝の清掃が主な作業となり、その他は「自然任せ」と前田さんは苦笑します。
 「これだけ技術が発達しても、母貝養殖は結局の所、天の恵み次第なんですよ。梅雨には雨が降って、夏には日照りがあって、というように、そのどれもが母貝を育てるのに必要なんですね。私たちはそれを見守るだけですから」
 母貝は12~14匁で出荷されますが、どの大きさがいいかはその時々の相場によって変わるものだそうで、一概に大きければいいとは限りません。前田さんは「質のいいものを毎年きちんと出荷することが、大切だと思います」とこれまでの経験から母貝養殖に求められる条件は安定した出荷に尽きると言います。安定した出荷をするには母貝を面倒良く見ること。そのためにも厳しい自然環境の中でも働くヤマハ和船、船外機に一目の信頼を置いていました。

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ひとつのネットに約80個の母貝が養殖されている

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4ストローク船外機を巧みに操る幾満さん。「燃費と音が格段に違うよ」と手応えを感じていた

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提灯と呼ばれる母貝の稚貝を育てるネット。大きさによって編み目の大きさを変える

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イカダでの作業は幾満さんとサカエのお二人でされている

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この地域では4ストF50とW-23の組み合わせがスタンダード

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