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魚類

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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魚類養殖漁

熊本県御所浦町

坂田さんの役割は全体の舵取り。率先して作業に参加し、他の従業員の意見を聞きながら、魚体の状況を把握する

不知火海に浮かぶ熊本県御所浦町は大小さまざまな島からなり、古くから延縄漁や一本釣りなど漁業を中心に栄えてきた町です。その御所浦町に(株)坂田水産の坂田正輝さんを訪ねました。

 家業の養殖を継ぐつもりはまったくなかったという坂田さんは、高校、大学と工業科、商業科に進み、漁業とは距離を置いた学生生活を送っていました。
 「実は商社マンになりたかったんですよ。学生の頃はとにかく違う仕事をすることを考えていましたね。親がやっている仕事を最初から継ごうとは思わないじゃないですか」
 そう考えていた坂田さんに転機が訪れたのが大学3年生の時。就職を間近に控え、進路を選択するときに養殖がそのひとつとして浮かんだと言います。
 「養殖の仕事も考えようによっては商社と同じなんですよね。材料の仕入れから管理、そして商品の出荷とほぼ変わりません。そんなことを考えていたものですから家に戻るのは当然の成り行きだったのかもしれませんね」
 順調に単位を取得されていた正輝さんは、家業を継ぐ決心をすると同時に大学を中退し養殖の世界に飛び込みました。
 坂田水産では8時から5時までが勤務時間となっており、休日は土曜日のみ。養殖はメインの鯛に加えハマチやフグ、カンパチなど魚種も多彩で、イケスも20mと10mが合わせて70台という大規模なものです。養殖のイロハも分からなかった正輝さんが最初の仕事として取り組んだのはタイの管理。気象や水温といった自然環境から、歩留まりなどの魚体管理という養殖の基本をみっちり教えらました。
 すでに6年が経った今では.15名が働く坂田水産の舵取り役を担うようになり、養殖の管理から稚魚の市場査察、営業活動など日頃の業務も広範囲に及びます。また、現在ではパソコンを用いた養殖管理を独学で学習しているそうです。
 「そうたいしたことはできませんが、現在の養殖管理をデータベースに落としこんで、蓄積しておけば将来必ず役に立つと思うんです。仕事の片手間でやっているのでなかなか進みませんが、取引先でもインターネットが普及していますし、最低限それらに対応できるようにしておかなければ、いけませんからね」
 常に先のことを考えていなければ養殖の基盤を確保していくのは難しく、それ故にやりがいのある仕事だと語る正輝さん。平均年齢30歳、若き活力溢れる坂田水産のニューリーダーには次世代の養殖を担う期待がかかっています。

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坂田水産さんでは合計13隻のヤマハ漁船が稼働している

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タイの出荷では取引先の指定したサイズごとに選別する。3年で約2kgの大きさに。注文が多いのは1年ものだという

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高品質を求められることは当たり前、その分、やりがいがあるという

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奥さまの雅子さん、長男の遼水くんと長女の有加ちゃんと。多忙な業務だからこそ、家族と過ごすときがなによりの楽しみだという

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