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藻類

日本全国津々浦々で行われている沿岸漁業を漁法別にご紹介します。

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モズク養殖

沖縄県久米島

はての浜のすぐ沖で養殖されるモズク。このように作業員が潜り、網に付着しているモズクを刈り取って水揚げされる

沖縄本島から約55マイルの距離に位置する久米島は、その名前が示す通り古くは米の産地として知られ、農業が産業基盤でしたが、現在では観光やモズク、マグロに代表される漁業も盛んに行われています。

 1日の作業を終えたモズク養殖のメンバーが、港の作業小屋に戻ってきました。
 「明日は作業で使うからどのぐらい走れるか楽しみです」
 進水した美音丸(DX-40A)を眺めながら、新艇に期待を寄せるのは船主、伊集竜太さん。モズク養殖に出てから10年が過ぎ、父に代わり運搬船の舵を取るようになりました。その伊集さんにとってこの美音丸は漁船で初めての新艇で、モズク養殖の運搬業務に対応するために小回りが利くドライブ仕様となっています。
 取材に伺った日は太モズクの収穫日。漁期は終盤に差し掛かっていました。
 「モズクは冬場の糸モズクから始まって、本モズク、太モズクという順で水揚げします。値が高いのは水揚げの少ない糸モズクですが、量が多いのは太モズクになります。運搬船は2隻あって、1回に運ぶのは1~1.5トン。1日3回から4回ほど繰り返すとだいたい夕方になりますね」
 モズクの水揚げは、まずモズク網の近くに設置された艀に運搬船を接舷します。その後、作業員は、モズクを吸うホースと酸素を送り出す管が一体となった吸引ホースを持って潜り、網に付着したモズクを刈り取ります。刈り取られたモズクは艀に設置された集積機でゴミと分別されて水揚げ用のカゴに集められます。これを1日の制限トン数分繰り返し行います。
 この日は朝から始まった刈り取り作業も15時過ぎには終了して帰港となりました。
 「モズクを積んで走っても安定感があるので安心して舵が取れます。空荷でも25ノットぐらいのスピードは出せるのでこれから始まるパヤオでも十分に期待できると思います」
 モズクとマグロという久米島の漁業で活躍が期待されるDX-40Aドライブ仕様。その船主となった伊集さんは、進水間もない美音丸に早くも手応えを掴んでいました。

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モズクの水揚げに欠かせない艀にはコンプレッサーや集積機が搭載されている

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集積器に集められたモズクを確認しながらカゴに移す

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1~1.5トンの積載では走りにもほとんど影響がないと言う

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遊漁船としても使用するために船にはトイレを設置し、汎用性を高めた

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写真中央が伊集竜太さん。モズク養殖を行う伊集さんのグループはこの5名ですべての作業を行う

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ドライブ仕様の美音丸

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