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破断分割式

2014年11月17日

ピストンとクランクを繋ぐコンロッドを精度よく作る場合の工程のひとつ。コンロッドはピストン側・クランク軸側それぞれが輪の形となっているが、クランク軸側の輪の部分に衝撃を加え2分割した後、再び締結する。多気筒の場合は、輪の部分が2分割され再び締結されて組み立てられている。この輪の部分の精度向上の工法が、この破断分割式である。真円の輪に加工されたこの部分にクサビを打ち込み衝撃的に破断させ、これにより生まれる金属表面の凹凸の相性を利用し再びボルト締めして、締結精度を向上する。
この工法自体は船舶用エンジンや欧州製二輪車に採用例があったが、表面が硬く内部に延性(金属が延びる性質)がある浸炭コンロッドでの破断分割式は困難とされていた。内部の延性が干渉し、再結合に有利な断面を形成しにくいからである。ヤマハはそこで、解析技術を投入して解決。破断時の温度、破断、破断力を加える箇所などの互いの関係を最適化し、再結合に適した表面を作る工法を確立した。これを「破断分断(FS)式浸炭コンロッド」と呼んでいる。2004年型以降のYZF-R1や2009年型VMAXなどに採用している。なお「FS」とは、"Fracture Split"の略である。

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2014年11月17日

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