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2023年YZシリーズメディア試乗会を開催、YZ450Fはスリム・コンパクト・扱いやすく、YZ125Xは歩くような速さで粘りの走りを実現!

2022年10月20日

こんにちは、ヤマハ発動機販売の井田です。

YZシリーズのモトクロッサーとエンデューロの各モデルを一斉に発表

2023年9月、YZシリーズのモトクロッサーとエンデューロの各モデルを一斉に発表! これに合わせ、毎年恒例となっている「YZシリーズプレス試乗会」をスポーツランドSUGOで開催し、参加した開発者、開発ライダー、各メディアのテスターの皆さんに、お話を伺ってきました。

YZ450F

今回は、5年ぶりのフルモデルチェンジとなったYZ450Fを筆頭に!

YZ125X

昨年、17年ぶりにフルモデルチャンジしたYZ125をベースに、クロスカントリーモデル専用に変更を行ったYZ125X

YZ250X

マイナーチェンジとなったクロスカントリーモデル、YZ250Xについてお話しを伺っています!

トップバッターはYZ450Fプロジェクトリーダー

トップバッターはYZ450Fプロジェクトリーダーの石埜敦史さん(写真中央)です。

イーライ・トマック選手が13年ぶりにチャンピオンを獲得

「新型YZ450Fは、実は2023年1月に開幕するAMAスーパークロスのタイトル獲得をミッションに開発してきました。ところが2022年、イーライ・トマック選手が13年ぶりにチャンピオンを獲得

AMAモトクロスでもチャンピオンに輝き

「さらにAMAモトクロスでもチャンピオンに輝き、YZ450FはAMAで二冠を達成したので、2023年モデルは、それぞれの選手権で連覇を目指すこととなります!」

私たちがYZ450Fを開発する際

「私たちがYZ450Fを開発する際、具体的にイメージした走りがあります。それは、フープス(コブが連続するセクション)を軽快に駆け抜け、短い距離のブレーキングでライバルのインに飛び込み、マシンを倒し込んでタイトにコーナーを回って、強力なエンジンで素早く立ち上がりライバルを抜き置き去りにするというもの」

エンジン特性

「これを実現するためにこだわったのが、ライダーがやりたいことを実現できる扱いやすいエンジン特性の作り込み、エンジンの出力アップ、車体のコンパクト感など、あげればキリがありません」

コンパクト・軽量化は、体感としても

「その中でも特に車体のコンパクト・軽量化は、体感としても、実寸(2.3kg軽量、シュラウドの左右幅50mmナロー化など)でも、ワンサイズ小さなバイクを実現しました」

ライダーが自身の能力を最大限に発揮でき

「結果として、ライダーとマシンが調和し、ライダーが自身の能力を最大限に発揮でき、いろんなレベルの方に楽しんでもらえるバイクに仕上がったと思いますし、450ccは扱えないという認識をひっくり返すくらいになったと自負しています。ぜひ、皆さんも試乗会を利用して乗ってみてください!」

続いては、YZ125X/YZ250Xプロジェクトリーダーの白井利幸さんです。

「日本では子どもの頃からレースに出場する人は少なく、多くが大人になってレースをはじめます。バイクはトレール車からスタートし、コンペモデルにステップアップしていきますが、いきなり4ストの250ccに乗り換えても扱いきれない場合がほとんど。そこで適度にパワーがあり、軽く、扱いやすいバイクとしてYZ125Xが誕生したのです」

エンジンは低中速の扱いやすさを実現するため

「そして現在も私たちは、クロスカントリーを楽しむライダーを一人でも増やしたいという思いを持って開発を進めています。そして2023年モデルのYZ125Xは、エンジンは低中速の扱いやすさを実現するため、急激に大きなパワーが出ることなく、粘りのある特性を意識して開発。足回りは、ゆっくり走っても動くセッティングでありながら、しっかりとした減衰力のある高質さを実現しています」

一方のYZ250Xは、2022年モデルのYZ250をベースとして

「一方のYZ250Xは、2022年モデルのYZ250をベースとして、低回転の扱いやすさ、特にアクセルを開けはじめるファーストタッチのレスポンスが良すぎるところがあったので、リニアな特性に作り込んでいます」

高速域はパワフルで伸びていき

「高速域はパワフルで伸びていき、低回転はジェントルで扱いやすいモデル。クロスカントリーレースは長丁場なので、最初の1時間は良くても、それを過ぎたところから疲労が蓄積していくことを考え、コントロール性が高いエンジンを求めてセッティングをしてきました」

私自身はクロスカントリーが大好きで個人的にYZ250Xを所有し

「私自身はクロスカントリーが大好きで個人的にYZ250Xを所有し、コロナの前まではJNCCにエントリーしていました。私だけでなく、実験メンバーの多くがクロスカントリーレースが好きで参加しているので、私たち自身もライダー目線に立って、ツボをついた開発ができていると自負しています。ぜひ試乗してそれぞれの進化、乗りやすさをご堪能ください(写真中央が白井PL)」

開発系の最後は、YZ125X・YZ250X開発ライダーを務めた鈴木健二さんです。

YZ125X・YZ250X開発ライダーを務めた鈴木健二さん

「YZ125Xは、昨年、フルモデルチェンジを行ったYZ125をベースにしていますが、まったく異なるキャラクターに作り込みました。YZ125は中高速でグングン伸びる力強いエンジンですが、YZ125Xはトルク型。具体的には4ストのような2ストになっています! 極低速で粘りがあって、特に足をつきながらトコトコと走るようなシーンでもエンストすることもありません。さらにパワーの出方がスムーズなのでスピンすることなくトラクションし、前に進んでいきます」

JNCCにこの新型YZ125Xで出場していますが

「JNCCにこの新型YZ125Xで出場していますが、スキー場などの長い上りで4スト250勢に追いついて抜き去ることができました。これはきれいにパワーが繋がっていく扱いやすさと、中高速域でパワーがあるからできること。本当にすごいことです。サスペンションもとても良い仕上がりになっています。4ストYZで採用する最新の仕様となっており、減衰をはじめ質の高いしっとりした動きが特徴で、モトクロスコースを走っても問題ありません。
YZ250Xは、グラフィックが変わっただけのように見えるかもしれませんが、2022年モデルのYZ250をベースにセッティングで大きく変更を加え、トルク型の粘りがあるエンジンになっています。足回はYZ250Xも新しい構造のサスを採用しており、ウッズやガレバでしっかり減衰が出ているし、踏ん張るし、動きも良くなっています」

YZシリーズの試乗会であるbLU Camp

「どちらのモデルも、乗ればその進化を感じることができるようになっています。YZシリーズの試乗会であるbLU Campを開催しているので、ぜひ参加して、驚きを味わってください!」

試乗していただいた専門誌のテスターの皆さまに登場して

ここからは、試乗していただいた専門誌のテスターの皆さまに登場していただきます。
まずは、全日本モトクロスやJNCCなど活躍してきたゴーライドのテスター、渡辺学さんです。

以前のYZ450Fはドンとパワーが出て

「以前のYZ450Fはドンとパワーが出て、体が置いていかれるような感じがありましたが、新型は開けた時の反応が優しく体への負担が軽減されています。パワーを抑えているように感じるのに、前に進む力がある不思議な感覚です。低速からリニアにグッと進んでくれるので扱いやすく、操作も軽いし、ライダーがコントロールするというよりも、アクセル開度と車体がバランスして自然と前に進むのです。
今回はトラクションコントロールが入っていますが、これがとても良い仕事をしており、制御が入ることで開けるだけできれいに走ってくれます。モトクロスはミスが多い競技ですが、そのミスを減らす意味でもトラクションコントロールは強力な武器になることでしょう」

YZ125Xは回し込めばYZ125と同じような走りができますが

「YZ125Xは回し込めばYZ125と同じような走りができますが、低速でアクセルを開けてからのパワーバンド(エンジンが最も効率良く力を発揮する回転域)に入るまでが粘りがあってとても乗りやすく、前に進んでいく感覚がしっかりとあります。当然、軽さもあるし、サスも十分に動いていて、スタンダードのセッティングのままJNCCなどのレースに持っていけるレベルです。YZ250Xも低速では扱いやすくなっていますが、全開にすれば当然YZ250のパワーを持っています。125ccと比較してもトルクは太いので、前にグイグイと出てきます」

スーパーモタードやエンデューロシーンで活躍される和泉拓さんです

続いてはダートスポーツのテスターであり、スーパーモタードやエンデューロシーンで活躍される和泉拓さんです。

YZ450Fは跨った瞬間

「YZ450Fは跨った瞬間、タンクを中心としたコンパクトさを感じ、ステップに足を置くとポジションの変化を感じ取ることができました。特にシュラウドの左右幅が短縮されるなど、前に座れるようになったのは非常に大きい進化。感覚としては現行のYZ250Fよりもさらに小さくなったように思います!
またエンジンでは、爆発の角が取れてマイルドになっているのに、なぜがパワフルに加速していきます。多用する回転域では、現行モデルに対して乗りやすくなっているのは明らかで、本当に不思議な感覚です」

YZ125Xは開けてもついてこないという作り込みが絶妙です

「YZ125Xは開けてもついてこないという作り込みが絶妙です。自分が思っているよりはついて来ないので滑りませんし、ちょうど良いところで力が出てくるように作り込まれています。
YZ250Xは、開けはじめの出力が適度に抑えられ開けやすくなっています。しかし、パワーバンド(エンジンが最も効率良く力を発揮する回転域)に入るところでキャラクターが変わり、YZ250と同様にパワフルなゾーンを持っています」

全日本モトクロスで活躍したOff1.jpテスターの辻健二郎さんからも高い評価をいただきました

全日本モトクロスで活躍したOff1.jpテスターの辻健二郎さんからも高い評価をいただきました。
「YZ450Fはヤマハのバイク? というほど、既存モデルとの違いを感じました。これまでとはまったく違うキャラクターになっています。重心がドシッと真ん中にあり、ピッチングしてもバイクが大きく動いている感じがしないので取り回しが軽く、ジャンプで前を落としたり、振って飛んだりする時にコントロールしやすくなっています。コーナーに入っていくときも、新型はヘッドパイプ周りに重さを感じないので、軽快に曲がれます」

エンジンは扱いやすさが際立っており

「エンジンは扱いやすさが際立っており、特に低回転からでも高回転からでも欲しい分だけパワーが供給され、トルク感、エンジンの爆発が繊細で、回転がスムーズに上がって"ヤマハやるなー"という感じです」

YZ125Xは、エンストしにくいと聞いていたので

「YZ125Xは、エンストしにくいと聞いていたので、わざとそういった状況を作ってみましたが、やはりエンストがなく、当たり前のように低速・低回転で走ることができます。また、エントリーモデルということですが、回せば走るし、ジャンプも普通に飛んでいくし、車体もしっかりしているので、許容範囲の広さに驚くばかりでした。
モトクロスコースで走ると接地感が高く、エンデューロでもスピードが上がった時にも対応できるレベルの車体なんだと思います。エントリーモデルであることは確かながら、高いレベルまで見据えたモデルになっているという印象です」

「YZ250Xは、良い意味でモトクロッサーのポテンシャルが残っています。そもそも中上級者向けなので、低速で走った時でもYZ125Xほど優しくはありませんが、YZ250に対して低速がジェントルというのは確か。YZ125Xでしっかり回せるようになったライダーにとっての次の選択肢としては最適なモデルだと思います」

ここまではオフロード専門媒体のテスターの声を紹介してきましたが

ここまではオフロード専門媒体のテスターの声を紹介してきましたが、ここからは総合二輪媒体の皆さまのインプレッションです。まずはバイクのニュース/レスポンスのテスターの青木タカオさん。

YZ450Fは昔の450ccでは考えられないようなコンパクトさを感じました

「YZ450Fは昔の450ccでは考えられないようなコンパクトさを感じました。通常450ccだと簡単にラインを外したり、ペースが上がりすぎてミスしたりしますが、250ccで走っているような乗り方ができ、自分なりに楽しめました。以前も乗りやすくなったという感覚はありましたが、そこからさらに進化しているのはすごいことです」

YZ125Xは、エンジンがマイルドでとても楽しく

「YZ125Xは、エンジンがマイルドでとても楽しく、ずっと乗っていたいと思わせるモデルです。昔はエンジンストールをさせないよう気を遣いながら走っていたことを考えると不思議な感じですが、歩くような速度で走れるのは驚きです。エンジン特性はもちろん、しなやかなサスなども含めて、ゆっくりと確実に難所を越えていくことができます」

「YZ250Xはものすごいパワーのある化け物みたいな乗り物のはずですが、油断してしまうほど楽しく乗ることができました。ウッズセクションを走ったのですが、下が粘り強くパワーがあって、歩くような速度で走れるというのはすごいなと思います」

エンデューロ大好き!

エンデューロ大好き! タンデムスタイルの谷田貝洋暁さん(左)と、濱矢文夫さん。

まずは谷田貝さん

まずは谷田貝さん。
「2ストはパワーバンド(エンジンが最も効率良く力を発揮する回転域)に入った時の過渡特性(瞬発的な反応)に優れています。しかし、初心者はこの鋭いレスポンスを苦手とし、すぐにアクセルを戻してしまいますがYZ125Xはじわっとした反応なので、アクセルを戻すことなく開け続けることができます。パワーバンドが広くなったという理解です。
低速がとても粘り強いのでエンストもないし、低速を使ってじっくり開けながら難所を攻略できます。これはライダーの疲労も軽減し、数時間後の体力にも大きなプラスがあるものと思います」

「YZ450Fはクロスカントリーモデルか? というくらい乗りやすくなっています。初心者は手を出すことができないモデルでしたが、初心者が乗っても走れる印象。パワーチューナーでマップを書き換えれば、さらに乗りやすくできることを考えると、選択肢に入れてもいいのかもしれません」

続いて濱矢さん

続いて濱矢さん
「YZ125Xは低速からのつながりが断然良くなって、今まで2ストを敬遠していた人にも勧められます。また操作感では、極低速から開ける時、初心者はつい大きく開けてエンストしたり、回転が上がらずもわっと足踏みして、高回転で弾けて辛い思いをします。しかしこのモデルはエンストしないし、下からしっかりとついてくるのでとても扱いやすいのです。
サスは自由に動かすことができます。減衰特性を細かく確認したわけでありませんが、低速も高速も制御されており、丁寧に作り込んでいることがとてもよく感じられます。サイズ感としては、言い過ぎかも知れませんが、まるで自転車のような感覚。圧倒的なコントロール性能があるので、誰にでもオススメできるモデルになりました」

「YZ450Fは、私でも新旧の違いを明確に感じることができました。一言でいえば、もう旧型には戻れません。とてもフレンドリーで乗りやすくなりました。動かしている質量が軽く、ワンサイズ小さくなったことがすぐにわかりますし、そのパワーがいきなりドカッと出ることがないので、アクセルを開けることができるバイクになっています」

最後は、ゴーグルの山口銀次郎さんです

最後は、ゴーグルの山口銀次郎さんです。

YZ125は元気で

「YZ125は元気で、ビギナー向けと言ってもスキルと経験があるライダーにも許容される実力のあるバイクです。それがYZ125Xになったときにどうなるのか? とても楽しみにしていたのですが、まったくキャラクターが異なっており、こんなに器用に変わってしまうんだと驚きました。
YZ125Xは、2ストの特徴を抑えて扱いやすくしています。ストップ&ゴーやスロー走行などの場面で安心感があり、車体自体も軽く、とても扱いやすく感じました。クロスカントリーモデルとして、欲しいものがすべて詰まっています」

2023年モデルの試乗会「bLU Camp(ブルーキャンプ)」

皆さんのインプレッション、いかがでしたか? 試乗した全員がそれぞれの進化を実感し、YZシリーズを存分に楽しんでいたのが印象的でした。今回ご紹介したYZ450FやYZ125Xを含め、モトクロス競技用とクロスカントリー競技用の2023年モデルの試乗会「bLU Camp(ブルーキャンプ)」を開催中ですので、皆さまもぜひご参加ください。

会場では

会場では、YZシリーズの開発ライダーでレーシングアドバイザーを務める鈴木健二さんと小島太久摩さんによるマシンセッティング&ライディングアドバイスも実施しており、スキルアップもできる機会となっています!

2023年YZシリーズは、「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2022年12月25日までの期間限定で予約販売となっていますので、お早めのご予約をおすすめします。
※予約が生産計画を上回る場合は、予約受付期間終了を待たずに受付を終了する場合があります。

【関連リンク】

・ 製品リリース モトクロス競技用「YZシリーズ」2023年モデル


・ 製品リリース クロスカントリー競技用「YZシリーズ」2023年モデル


・ 製品情報「YZ450F」


・ 製品情報「YZ125X」


・ 製品情報「YZ250X」


・ ヤマハYZシリーズのアマチュアオーナーのサポートプログラム「bLU cRU」

2022年10月20日

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