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もしもの時に

さまざまなトラブルを事前に想定し、対策のシミュレーションを行いましょう。

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トラブルのないように万全の準備をして出航するのがセーリングの基本ですが、海では何が起こるか分りません。万が一、帆走中にトラブルが起こったらそれにどう対応するか、それがトラブル・シューティングです。考えられるさまざまなトラブルを事前に想定しておき、その対策のシミュレーションを行うのもヨットに乗る際の大切な心構えです。初めのうちはコーチに従います。

アンカリング

例えばラダーが壊れたりマストが折れたり、あるいはセンターボードを流したりと、操船が難しくなった場合、艇が運良く浜に向かって流されていくようであればよいのですが、沖や岩場など危険な方向へ流されていく際は、アンカーを打って救助を待つようにしましょう。

アンカーを打つことを“アンカリング”といいます。アンカーにつながれているロープ(アンカーロープ)のもう一方の端が、艇体にしっかり舫われているかを確認してアンカーを海に落とします。アンカーロープは水深のおよそ3倍にのばして、アンカリングしてください。この長さは波や風の状況によって変わりますが、平穏な海のときの目安だと考えてください。また、アンカリングする場所を選べるなら、風向が変化しヨットがアンカーを軸にして振り回されても、何にもぶつからないような所にしてください。

ただし、水深が海域によって違うのでトラブルの場合、持っているアンカーロープをいっぱいに出します。アンカーロープが短い場合でも、シーアンカーの代わりになり、艇が流されるスピードを遅くすることができます。

ライフジャケットは必ず着ける

セーリング中でなくても、海の上に出るときは必ずライフジャケットを着用しましょう。万が一、船から海に落ちるようなことがあっても、ライフジャケットを着けていれば体が自然に浮き、体力の消耗を抑えることができます。
ヨットが沈しても、ヨットから離れてはいけません。まず、ヨットを起こして再帆走する努力をしてください。それが無理ならヨットにつかまって救助が来るのを待ちましょう。そのときも、ライフジャケットを着けていれば落ちついて行動できます。
もう一度繰り返しますが、岸が近くに見えたり他の船が近くにいたとしてもヨットを離れて泳ごうとしてはいけません。近くに見える岸も、いざ泳いでみると泳ぎつけないことの方が多いのです。
また救助を待つとき水中にいると体温を急激に下げてしまいますので、体温の低下を防ぐ姿勢で救助を待つようにします。一人のときには、あかちゃんのように体を丸めるような格好で浮くようにします。二人のときはお互いに抱き合って直立の姿勢で待ちます。

ヨットを曳航する

ヨットが帆走不能になったり、乗員が操船不能になったときは、他船でヨットを引っ張ってもらうことになります。これを“曳航”(えいこう)といいます。
ヨットには曳航ロープは必ず積んでおくようにします。曳航ロープの長さは海の状況によってさまざまですが、平穏な海で自分のヨットのおよそ3倍と考えてください。曳航ロープにはとても強い力がかかりますから、曳航ロープは必ず強度の高いバウプレート、またはマストのデッキレベルに結ぶようにしてください。
このとき、ラダーが壊れているようなら、ヨットに積んでいるパドルをラダー代わりにして、曳航される船の進路にあわせて舵をとるようにします。曳航準備ができたら、抵抗を少なくするためにセンターボードを半分揚げることを忘れずにしてください。

沈のおこし方

ディンギーは横だおしになったり、ひっくり返ったりするものです。横だおしになったり、ひっくり返ったりすることを、沈(ちん)といいます。
ディンギーの艇体は十分な浮力を備えていますから、おちついて対処し、再帆走しましょう。

  • 沈をしたらヨットから離れてはいけません。必ず艇体につかまりましょう。
  • 艤装品や身につけていたものが流れても、泳いでとりに行ってはいけません。風下へ流されたものをとって、風上にあるヨットヘ戻るのはたいへんな体力が必要です。
1.
センターボードにつかまりガンネルに足をかけ体重をかけます。水の抵抗があるので初め艇はゆっくり、ゆっくりおきあがってきますが、おきはじめると抵抗が少なくなるので勢いがつきます。体重のかけかたを加減しましょう。
2.
おこすときは、背から風を受けるようにします。顔の正面から風を受けているときに艇をおこすと、おこす勢いの方向と風力が一緒になりまた風下(自分の方)ヘヨットは倒れてしまうのです。
3.
艇がおきあがってきたらセンターボードに足をかけて、うまくコックピットに乗り込みます。馴れていなければ、完全に艇をおこしてから、風上舷またはスターンからはい上がるように乗り込みます。
センターボードが十分に出ていないときはひき出すか、潜って差し込みます。また、シートが体にひっかかっていると、おこす動作のじゃまになりトラブルの基になります。また、カムクリートや艤装品にシートがひっかかっていないようにしてその確認もしましょう。
4.
艇に上るときはフットベルトにつかまっていっきに上ります。
5.
艇に上ったら、艇が走らないようセイルをシバーさせ停止させます。
6.
トラブル、流失物の有無を確認し、再帆走が可能ならば走ります。セルフベーラーがあれば作動させコックピットの水を非出します。
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