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リニア制御ABSシステム

2011年11月16日

更に進化した制動時のホイールの回転方向へのすべりを制御するシステム

  背 景  

様々な路面状況下でも車輪のロック傾向を防止し、タイヤ本来の性能をフルに発揮させることを狙いに開発したブレーキシステムがABS(アンチロックブレーキシステム)です。フロントとリアのホイールセンサーから受け取る回転信号をECUで瞬時に分析し、ブレーキの油圧系をコントロールして的確にホイールロックを抑止。
'08年以降のFJRや '09年VMAXでは、さらに進化させたリニア制御ABSシステムを搭載しています。

  仕組み・特徴  

ABSのECUは、前後のホイールセンサーから受け取る回転信号をもとに、それぞれの車輪速度と減速度、走行速度及びスリップなどを瞬時に計算し、スリップと車輪の減速度が予め決められた値を超えるとロック傾向と判断し、油圧制御ユニットへ情報を伝達。油圧制御ユニットにはECUから受け取った情報に従い、ロック傾向中は油圧を減らしロック傾向がなくなった時、油圧を増加させます。これを繰り返し行いホイールロックすることのない制動が可能です。
'08年型のFJR1300A/ASに採用の新システムは、小型軽量化と作動時のフィーリング向上で進化を図ったもの。「油圧オン」「油圧オフ」の2モード選択の従来式から、無段階に油圧調整が可能なリニア制御ABSを搭載し、車輪のロック状態に応じて適切に油圧を変化させ、スムーズな制動感を実現します。また、ABSユニットに余分なオリフィスが不要なため、ABSが作動しないときは、ライダーの走行感を損なわないような油圧ユニットとなっています。さらに、ポンプ駆動モーターの最適回転数制御も追加。これにより、ABS作動中の滑らかな作動フィーリングを実現しました。

※ABSは、ホイールのロック傾向を検知してブレーキパッドに加わる圧力を制御するシステムで、エンジンブレーキによる車輪ロックを防止するものではありません。また通常のブレーキを装着した車両と同じく、ブレーキをかけるとサイドフォースは減少しますから、コーナリング中に急制動を行なうと、ABS有無に関らず車両安定性は損なわれる場合があるので、絶対に行わないでください。

2011年11月16日

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