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バイク初心者必見!速くなるよりも上手くなるための、柏流ライテク論 第3回「ロングラン・テクと夏のウエア&用品選び」

2012年6月25日
こんにちは、柏秀樹です。

今回は、まずロングラン・テクから始めましょう。コンセプトは「低疲労と美しい走りの両立」です。

疲労対策のキモはまず疲労しにくい環境を作ること。
具体的には肩、ヒジ、手に思い切り力を入れつつ、呼吸を3秒止め、そこから肩、ヒジ、手の力を抜きながら息をゆっくり吐き続けます。上体を脱力しながら息を吐ききる。

そして5分あるいは5km走ったら再び、「上体入力・呼吸停止」→「上体脱力・ゆっくり息を吐く」を繰り返します。可能ならゆっくりと息を吐く時にハンドルグリップからわずかに手が浮くぐらいの状態がベスト。手のひらが着かず離れずの状態です。

「別にそんなことをしなくても大丈夫」「どんなに走っても緊張しない」というのは大半の場合、自信過剰。実はこれこそがイチバン危険なのです。走行中に必要な情報を認識する上で、走行時間が長い・走行距離が伸びるほど、目が慣れていき、緊張状態で脳が麻痺し、速度を落とさず、注意力が低下して危険を見落としてしまいがちになります。

エキスパートもビギナーも、スタート後、1時間以内に休憩を取るべきです。一気に何時間も数百キロも走り続けたという自慢話をする前に、早めの休憩をして素敵な笑顔を作ることこそ優先するべきでしょう。休憩時間については1時間に1回の場合、休憩時間は短めでもいいのですが、3回目の休憩は長めに取ることをお勧めします。

ロングランで注意したいポイントその2はフォーム。
猫背は内臓を圧迫します。結果、呼吸が浅くなり、腰の部分に荷重が集中してしまう。さらに、丸めた背中で前を見るために首の骨の曲がりを強くしてしまい血流も低下します。しかも、肩の位置が下がるために腕のリーチが不足し、腕を伸ばしたままのフォームになり、結果的に「地蔵乗り」といわれる堅い乗り方になってしまいます。

理想は常に体のすべてに余計な力が入らず、ブレのない直進走行が出来ること。そのために必要なのは、ハンドルを抑えることではなく、ステップ、スロットル、体重移動などを含めたステア補正を続けることで直進走行を維持するのです。逆に言うとハンドルを抑えるほどバイクはふらつくと思って下さい。

横から見て脊椎がS字に見えるよう意識

正しい姿勢とは、スーパーモデルが最初に身に付ける正しい歩き方と同じです。胸を張るのです。あるいは尾てい骨が付いている骨:仙骨を起こす形です。背中を伸ばすこととは意味が違います。

横から見て脊椎がS字に見えるよう意識する。これがもっとも自然で美しく、加齢しても各部位の負担が少ない形。加速する時は上体を腰から軽く前傾させます。減速は必要に応じてニーグリップで上体を支えます。あえて背中を丸めて乗る必要はどこにもありません。

特にビギナーほど早めの休憩とセルフチェックが大切です。
休憩時には、呼吸がちゃんとできていたか、脱力が出来ていたか、ちゃんと前を見て速度計を見つつ一定の速度を維持できていたか、ハンドルグリップを強く握っていなかったか、直進時にふらついていなかったか、などなどを冷静に見つめ、すぐに直そうと意識化することです。漫然と走っていては10年乗っても、10万キロ走っても走りの質はけっして高まらないのです。


さて、それでは夏のライディングギアについて。
注意点の筆頭は直射日光を避けることです。日焼けの正体は火傷。皮膚の表面は火傷で熱を持っているのに、体内は風を受けてどんどん冷えていきます。これが大きな疲労を生み、悪くすると脱水症状を引き起こす原因にもなります。

夏のライディングギア

基本は肌の露出を少なくし、できたら日焼け止めクリームを塗ります。サングラスもきちんと使います。アイ・プロテクションは膝やヒジなどのプロテクターと同じで欠かせないアイテムです。

メッシュタイプのウエア

夏は蒸し暑さ対策のためにメッシュタイプのウエアを着るのが一般的。しかし早朝や夕方以降では一気に冷えることがあります。薄めのウインドブレーカーを用意しておいた方がいいでしょう。

ライディングパンツに関しては、より注意が必要です。ひざ下がメッシュだとエンジンの熱風によって、暑いを通り越して熱い状態あるいは低温火傷状態になります。ジーンズよりも熱に強いレザーの方がかえって夏には適しているとも言えます。

ライディングテクニックもウエアも低疲労を最優先することが判断の基本。
どうか皆さん、夏ならではの楽しいツーリングを安全に楽しんで下さい。

それではどこかの道で出合ったら、ピース!

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ワイズギア ライティングウエア


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