デコンプ
- 2014年11月17日
デコンプ=デコンプレッション(圧抜き)の略であるが、デコンプの説明をする前に、エンジンをかける方法を知っていないと理解しづらいので、まずはエンジンスタートの仕組みから説明しよう。 エンジンをかける方法にはキックとセルの2通りがある。仕組みは両方ほとんど変わりはなく、人力(キック)か電気の力を借りる(セル)かの違い。具体的にどのような行程を踏むのかというと、エンジンが回転時に行なっている4つの作業を一通り行なう。 (1)混合気(爆発のもとになる空気)を吸い込む。 (2)混合気を圧縮する。 (3)点火する。 (4)排気ガスを外に出す。 この4行程を滞りなく1回でも行なえれば、あとは爆発力の惰性でエンジンは回り続けるのである。 さて、デコンプの話に戻ろう。セルモーターで始動する場合は、この行程を電気の力で行なうが、キック(人力)でやる場合はキックアームを踏んで、これを行なう。その際に(2)の圧縮作業が困難を極めるわけだ。たとえ足で踏み込んだところで、空気を10分の1くらいに縮めるのには相当の力が必要とされる。そこで空気の逃げ道を作って圧縮をラクにしてやろうというのがデコンプの役割なのだ。手動式の場合、レバーを引いている間は空気の逃げ道ができている状態。もとに戻せば通常通り。キックアームの動きと連動するオートデコンプもある。ちなみに引きっぱなしだと、圧縮ができないのでエンジンはかからない。SR400に装備されている。

- 2014年11月17日