ボーディングの基礎知識
陸上でのイメージトレーニングからウェイキ内のボーディング姿勢などをご紹介します。
派手なエアリアルも基本が大切
ボートの操船をするドライバーに対して、ライディングする人を「ボーダー」と呼びます。なんといってもウェイクボーディングの醍醐味は、宙を舞う迫力のあるエアリアル。ボーダーが曳き波を利用して空中に飛び出して回転したり、トリッキーなジャンプを決めるなど、一度体験したら虜になる異次元の快感です。
陸上でのイメージトレーニング
ストレッチ
ボードに乗る前に十分ストレッチを行います。ウェイクボーディングは、想像以上に身体に負荷が掛かります。しっかりとウォーミングアップすることが大切です。
セッティング
ブーツをボードにセッテイングする前に、まず自分のスタンスを確認する必要があります。スタンスの確認方法は、自然に立った状態で後ろから押された時にどちらの足が前に出るかで決まります。
セッティングは、スタンスの幅や足を開く角度が調節できます。スタンス幅は基本的に肩幅より少し開いた幅で、開く角度も自分が最もアクションしやすいポジションを決めて固定します。
■スタンス幅が広い... あまり広げすぎると、しゃがみ込みがし難い。
■スタンス幅が狭い... 狭すぎるとバランスが取りにくく不安定になる。
フィッティング
実際にボードを履いた状態でチェックします。次に座った状態でボードを外してみます。ピックアップ時には水中でブーツを脱ぐ必要があるため、陸上でまずチェックします。
- 足首がしっかりホールドできているか
- 自分でブーツを脱いでボードを外せるか
- ブーツを固定した金具に緩みはないか
ハンドル(グリップ)の握り方
ハンドルの握り方は、手の甲を上にしてグリップの中心を両手で握ります。この時リラックスした状態で握れているかどうかがポイントになります。
握るというより、親指は添える感じで残りの指を引っ掛けるといったイメージです。少し窮屈な感じがするようでしたら、手と手の間を少し開けてみます。
注意することは、ライディング中に疲れてくると、ハンドルの中に手を入れて肘に引っ掛ける人がいますが、急なテンションがかかった時や転倒した時に肩を脱臼する危険性があるので、絶対行わないようにしましょう。
スタートから立ち上がりまでのイメージを理解する
スタートから立ち上がりまでの一連の動きを、陸上でイメージトレーニングします。この段階でポイントをしっかりチェックして修正しておくことで、実際に水中での立ち上がりがスムーズに行えるようになります
正しいスタンディングの姿勢
笨・間違ったスタンディングの姿勢
基本的なスタンディング姿勢
立ち上がってからも、スタンディング姿勢が正しくないとすぐに転倒してしまいます。正しいスタンディング姿勢も陸上で確認しておきます。
立ち上がった瞬間に転倒してしまう場合
立ち上がった瞬間に転倒してしまう原因はいくつかあります。
エントリー
エントリーの手順
基本的な動きや姿勢の確認ができたら、いよいよボートに乗船して水上での実践です。
ボートから水の中に入るまでのエントリーの手順
エントリーの注意点
ボートの乗船からエントリーするまでの注意事項をドライバーがボーダーにしっかり説明することが大切です。
- トランサムステップから飛び込んでエントリーさせない。(転倒してボートに頭打する危険)
- ボーダーとの距離が十分開くまでエンジンを始動しない
- ラインが絡まないよう、事前にチェック・整理しておく
うつ伏せに転倒してしまった場合
うつ伏せに転倒してしまった時に、ボードの浮力で身体を仰向けに出来ない場合があります。うつ伏せの状態から仰向けになる上半身をひねるように身体を回す方法で対処できます。
うつ伏せの状態から上半身からひねるように身体を回し、ボードをプロペラのように回転させます。
スタートから立ち上がり
スタートの合図
水中でスタンバイの姿勢が確保できたら、片手をあげて「スタート OK」の合図をドライバーに送ります。ドライバーはスタート時の安全確認をしてから「スタートします」のサインを送って、 スタート開始です。
- スタンバイ時は水中で体育座りの姿勢を維持しながら、腕の力を抜いてリラックスします
- ハンドルも軽く握るイメージ。無駄な力を入れないのがポイントです
立ち上がり
いかに立ち上がることができるかが、トーイングを楽しむ第一歩です。基本通りにやれば、ほとんどの人が数回のうちに立ち上がれるようになるはずです。
立ち上がり失敗例
[立ち上がり失敗例-1] 前に転ぶ
立とうとするのが早く、膝が伸びてしまって立つ前に前方に引っ張られるケースです。
対処方法
体が浮き上がったら体育座りのままボードをボートに向けてから立ち上がります。
[立ち上がり失敗例-2] 後ろに転ぶ
引っ張られる力を腕の力で引っ張り返して立ち上がろうとした時、もしくは身体が十分起き上がる前に立ち上がろうとした時に後ろに転びます。
[立ち上がり失敗例-3] 浮かない
膝と胸の間が空いていたり、踵と尻が離れているとボードが抵抗板となり、体は浮き上がりません
対処方法
踵と尻、膝と胸をくっつけるような体育座りの姿勢をキープ。イメージはボードの上に座っているだけ。
ウェイキ内のボーディング姿勢
ボーディングの基本姿勢
立ち上がりに成功したら、しばらくウェイキの内側を滑ります。
- 目線はボートの方(進行方向12時)を見る
- 腕や足腰に無駄な力を入れず、リラックスした姿勢をキープする
- 後傾姿勢にならないように、重心は両足均等に
ウェイキ内で左右にスライド(スラローム)をしてみる
滑る感覚に慣れてきたら、今度はスラロームをしてみます。最初はウェイキの内側だけでボードを左右にスライドさせる感覚で動かします。重心の移動でボードにエッジがかかる感覚がわかるはずです。
- この時のボードの向き及び目線は、進行方向12時のボートに対して、左に行く場合は11時方向、 右に行く場合は1時方向を見るようにします
- 目線は下を見ないで常に進行方向を見ます
- 後ろ足で舵を取る
エッジの感覚を掴む
ボードスポーツの多くは、エッジコントロールで方向転換をします。エッジとはボートの両サイドの部分で、どちらかに重心をかけるとそのエッジ部分が水面下に押し下げられて抵抗がかかり、それによって重心が掛った方向にターンしていきます。
また、エッジを浅く入れれば(重心移動が少ない)ゆっくりと曲がっていき、逆に深く入れれば(重心移動が大きい)鋭く曲がり加速していきます。
- バランスを保ちながらゆっくりとエッジを効かせて、その感覚を掴むようにします
- 前後の重心が悪いと、うまくエッジコントロールができません
スイッチスタンス(サーフェイス180)
ボードを180度回転させてスタンスを変える
スイッチスタンスとは、滑っている途中でスタンスを変えることで、レギュラーからグーフィー、グーフィーからレギュラーにスタンスをスイッチします。
[きっかけの作り方]
- ボートは15km/hから20km/h程度の比較的ゆっくりした速度で走行。
- ハンドルを両手で握ったまま脇腹を落とす。
- 前の足側の手をハンドルから離すと、後ろ足側の手が引っ張られてボードが180度回転する。