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ボートドライバーの基礎知識

ボーダーの安全を確保するための、ドライバーに求められる基礎知識をご紹介します。

トーイングスポーツはドライバーの腕次第

ボーダーをスムーズにスタンディングさせ、正確なライディングを可能にするのは、すべてボートの「ドライバーの腕次第」と言われています。
もしドライバーが蛇行したりスピードコントロールがうまくできなければ、そのままボーダーのライディングに影響します。それ以上にボーダーの安全を確保することが、ドライバーに求められる大切な役割です。

ウェイクボート・ドライバーのチェックポイント

  • 一定のスピードとまっすぐ進路を保って走行できるようになる
  • ボーダーのピックアップやロープの受け渡しなど、細かなボートコントロールが正確に行えるようになる
  • ボーダーはどういった動きをするのか、その動きを理解し把握しておく
  • プロペラとの接触事故を防ぐため、ボートの後方にボーダーがいる時は、いかなる状況であってもエンジンをストップさせる習慣をつける
  • 他のボートとすれ違う時など、安全距離を常に考慮し、ボーダーの安全を最優先させること
  • ラインパス( ボーダーが落水後、再びロープを取らせること)が、正しく完璧にできるように操船方法をマスターする

エリア / コース

エリアの設定

エリアの重要性は、他のフィールドスポーツ同様です。想定している水域がウェイクボーディングに適しているかどうか、また安全に楽しめる水域が近くに確保できるかどうかが大切なポイントになります。 エリアを見極めるポイントは以下の通りです。

  • 風波の影響を極力受けないフラットな水面が維持できる水域
  • 漁船や釣り船など、他の船舶が輻輳しない比較的クローズされた水域
  • ボーダーが左右にスラロームを繰り返しても危険な障害物がない水域(護岸・漁業施設等)
  • ボートの走行及びボーダーの転倒時に支障がない程度の水深がある水域
  • ある程度長い直線のコース取りができる水域
  • 速度が一定のまま旋回できる広さが確保できる水域
  • ローカルルール等でゲレンデとして禁止されていない水域

コース設定の基本

基本的なコース設定は下の図で示す通りで、旋回時はウェイキ・ラインテンション・スピードが不安定になりやすいので、直線距離を長く取れるコース取りが望ましいです。

旋回時にはローラー(引き波の影響で残る波)がコース内に残らないように、あらかじめ決めたAとBの旋回ポイントを直線で結ぶ直線上を往復するコース取るようにします。これならローラーはコースの外に出て行くので、フラットで安定水面がキープできます。

旋回時の引き波の影響を軽減するには、旋回する前に、一旦逆方向に舵を切ってから、旋回を始めます。

安全な距離の確保

ボーダーの安全を担保するセーフティ・ディスタンス(安全が確保できる距離)の確保がドライバーに求められる重要なポイントです。

スラローム時にラインの長さにプラスして惰性で滑る距離を把握。

他のウェイクボートが走行している場合、すれ違い時にお互いの安全が確保できる幅の確保。

サイン

ドライバーとボーダーのコミュニケーション

サインはドライバーとボーダーがコミュニケーションをとる重要な方法です。相手が確認できるようにしっかりとした動作を行うことが大切です。

ボーダーからのサイン

ボーダーからドライバーに送るサインは以下のものがあります。

スピードアップ
スピードダウン
スピードキープ
大丈夫です
終了します

ドライバーからのサイン

ドライバー側からボーダー側に出すサインは以下のものがあります。

旋回します
スタートします

合図で始まり合図で終わる

スタート前には、ボーダーがライン、グリップ、スタートの水中姿勢が整ったらスタートOK の合図をドライバーに送ります。
これが確認できるまでスタートしませんし、させてはいけません。
またトーイングを終了する場合も、その合図を受けてボートを停止します。転倒した場合もドライバーに大丈夫という合図を送ります。

スタートOKの合図

エントリー

エントリー時の安全確認

ボートの乗船からエントリーするまでの注意事項をボーダーにしっかり説明することが大切です

ボーダーのレベルに合せてロープの長さを調節して準備

ボーダーサポートする

  • 船内でウエイティングしているボーダーはむやみに立ち上がらない。(転倒・転落の防止)
  • ボーダー以外の乗船者はボーダーの状態や周辺の状況をワッチし、何かあればドライバーに知らせる。(ドライバーのサポート)
  • エントリーする時に初心者のボーダーをサポート。(ラインの手渡し等)
  • 注意事項の確認。エントリー時に飛び込まない。( 転倒して船体に頭打する危険防止)
  • 注意事項の確認。ラインを指や腕に巻かない。(テンションがかかった時の損傷防止)

加速方法

ボーダーの「スタート OK」の合図を受けてからスローでラインの弛みを取り、ラインが張ってから徐々にスピードアップします。

  • ボーダーの合図を確認するまで加速させない
  • ボートの乗船者が全員座っているのを確認した上でスタートさせます
スタート時のスロットルワーク

操船方法

ボーダーが立ち上がったら、ボーダーのレベルにあった一定の速度をキープしながら走行します。

  • 急加速、急減速、急旋回に注意

フォール(転倒)

ラインの受け渡し

ボーダーの転倒を確認したら、速やかに減速・旋回して、再度ラインを受け渡すようにします。
ボーダーとボートの間隔は十分に取りましょう。

  • ボーダーに声をかけ、大丈夫かどうかを確認します
  • スローで走行しながら、ボーダーにラインが渡るように操船します。グリップ部分をボーダーに近づけるのではなく、ラインを近づけるように意識すること。十分な間隔を開けて旋回しても、ラインは受け渡せます
  • この時の操船では、決してバックさせてボートをコントロールさせないことが重要です

ピックアップ(引き揚げ)

ボーダーのピックアップ

フォールによってボーダーが交代・終了する時にはボーダーのピックアップに向かいます。

  • 右舷船首側からボーダーにアプローチし、ラインをボーダーがキャッチしたのを確認したらエンジンを停止し、惰性とラインを使ってボートを寄せるようにします
  • 外したボードを受け取ったり、ボーダーをサポート。特に激しく体力を消耗したビギナーの場合、自力でボートに揚がれない場合もあるので、そういった場合は手を引くなどのサポートを行うこと
  • ピックアップしたボーダーの疲労具合などを確認し、適切に対処します

ボーダーとのブリーフィング

ドライバーは、ボーダーと出航前にブリーフィングを行います。初心者といえども様々な情報は知っておきたいことですし、事前に確認しておくことで安全性や練習効率が高まります。

  • コースの概要( 直線の長さや幅、注意する箇所)
  • 当日も水面コンディション(風が少しあるとか、水面のコンディションなど)
  • ドライバーの判断でボートを減速、停止させるケースの説明(漂流物の発見、接近する船舶があった場合等)
  • ボーダーの体調等(風邪や寝不足、怪我等)
  • エントリーやピックアップ時の手順など、できる限りコミュニケーションを取り、 情報を確認しておきます
ラインの受け渡しと同様にアプローチし、ラインの確保を確認してエンジンを停止
必ずラインを引いてボーダーをボートに 近づける
ボードの受け取り
引き揚げサポート
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