テクノロジー:YFR-27HMEX
積み上げてきた実績と継承してきた経験値により到達した技術をご紹介します。
01Design Concept
「Form Follows Function : 形態は機能に従う」という思想に基づきデザインされたYFR-27HMEX。ロープロポーションの洗練されたデザインは、視覚的なスポーティさだけでなく機能性に優れた次世代フィッシングボートのフォルムを感じさせます。
クラス最大レベルのフィッシングスペース。ヤマハフィッシングボートの最新トレンドであるスクエアバウとウェーブ・スラスター・ブレード(W.T.B.)の組み合わせに、新開発の「STEPHULL(ステップハル)」を融合した船型。さらにデッドスペースを最小化し、収納スペースを最大化したデッキレイアウトなど高いフィッシング性能を有機的に具現化しています。
また、ボートの基本性能である、航走安定性、静止安定性、凌波性、乗り心地など高い次元での航走性能を実現。YFR-27HMEXは、アングラーの視点から必要なさまざまな機能をデザインに織り込んでいます。
02Structure of Fishing Boat
航走安定性を高めるリバースチャインと風流れ抑止効果を発揮するW.T.B.に加え、船尾船底に段差をつけたSTEP HULLを効果的に組み合わせたハルを採用。このSTEP HULLの採用により、ブリッジの居住性を確保しながら卓越した風立ち性能を実現。
フィッシングポイントの微調整や移動時の操船を考慮し、後進時のしぶきを抑制すると同時に優れた舵効き性能を実現しました。また、スクエアバウの形状を活かしたワイドフレアは、航走時における波しぶきや細かな飛沫等のデッキへの巻き込みを低減。
さらにチャイン幅の拡大と低重心化により優れた静止安定性も実現しています。
03Run Through The Waves
目指すフィッシングポイントまでの時間を短縮し、快適に移動するためには、優れた凌波性が不可欠です。そのため、ハルには当社独自の一体型大型キールW.T.B.を採用。W.T.B.の角度を最適化することで、波高の低い波はスムーズに切り裂き、高い波高の場合は着水時の衝撃を緩和。優れた乗り心地性能を実現します。同時にリバースチャインの採用により航走時の安定性を向上。ワイドフレアとの組み合わせでスプレーの巻き込みを抑え、外洋でのポイント移動などでも優れたドライネス性を発揮し、快適な走りを提供します。
04Wind-drift Resistance
YFR-27HMEXの低くシャープなフォルムはデザイン性だけでなく空中側面積を低減することで風流れ抑止効果を発揮します。さらにSTEP HULLの採用とブリッジを後方にレイアウトすることで空中・水中側面積の中心を近づけ、優れた風流れ抑止性能を実現。これにより、同クラスのキャビン付きクルーザーと同等レベルの居住性を確保しながら、風流れ性能に定評のあるフィッシングボートと同水準の流し釣り性能を達成しました。流し釣りでのボートの保針が容易でポイント補正も最小限の操作で行えます。また、オプションのローマストスパンカーと組み合わせることで、風流れ抑止効果は一段と向上します。
船首が風下を向きにくい特性(ポイントに戻りやすい)
YFR-27HMEX(イラスト:B)は今までのプレジャーボートタイプ船外機(イラスト:C)と異なり、船首が風下を向きにくいため、ボートの向きやポイントの補正が最小限で済むことになります。加えて、スパンカーを使用した流し釣り(イラスト:A)では、船内機フィッシングボート+スパンカーと同等レベルの風流れ抑止性能を発揮します。
05Fishing Support Remote Controller
06Fishing Space Layout
27フィートという操船しやすい中型クラス艇ながら、ワイドなスクエアバウとトランサムデッキ、広いサイドウォークとブリッジのスケールバランスを考慮したデッキレイアウトにより、当社同クラス比147%と格段に広いフィッシングスペースを確保。スクエアバウは2人が並んでキャストできる広さを持ち、バウで追いかける青物狙いのキャスティングゲームでは、そのデッキデザインが威力を発揮します。YFR-27HMEXの大きな特徴であるトランサムデッキは、専用のスターンレールにより、投げやすく、フィッシングアクションを支えるホールド感の高いキャスティングステージに仕上がっています。また、通路幅を305mmと広いスペースを確保したサイドウォークは、デッキ間の移動をスムーズにするだけでなく、フィッシングスペースとしても充分な広さを確保しました。
07Storage Space Layout
収納力については、ボートの構造上生まれるデッドスペースを有効活用することで、当社同クラス比137%を実現。またワイドなサイド通路幅を確保しながら、ブリッジ内部はレイアウトを工夫することで大人4人が着座できる十分な居住空間を実現しました。さらにキャビン内フロア下の広い収納庫は、大きなフロアハッチを設けることで大物収納に適しています。さらに前後デッキの高低差によって生じるサイドウォークの段差を利用し、下部をボートフックなどの長尺物を収納できるサイドストレージとしています。バウロッカーやスターンロッカーなども使いやすい位置にレイアウトし、機能性も高めています。
08BE-COOL(充電式マリンエアコンシステム)
船外機やソーラーパネルからエアコン専用バッテリーに補充電を行い、インバーターを介した交流電源により、船外機艇でも冷房能力を落とすことなく、エアコンを駆動させるシステム[BE-COOL]を採用。充電器セット(工場オプション)により短時間での充電や、エンジン停止状態でのエアコン運転も可能。[BE-COOL]が、より快適なマリンライフを実現します。
09CL5(タッチスクリーンカラーディスプレイ)
アフトステーションに採用した、5インチ液晶ディスプレイ「CL5」は、スクリーンタッチによる直感的な操作を可能にしました。ヤマハのボートオぺレーションシステム「コマンドリンク」や「ヘルムマスターEX」に対応。エンジン状態、航走状態、警報や点検メッセージなどを見やすい画面表示で操船者に提供します。
107インチマルチファンクションディスプレイ
コックピットには7インチマルチファンクションディスプレイ(7インチMFD)をビルトイン。MFDインターフェイスを介することでCL5と同様の情報を確認することができます。さらに、地図ソフト(標準装備)により詳細なGPS位置情報の表示が可能。魚探機能では、チャープ発信(80~160kHz)方式の採用で、より詳細でクリアな海中情報を得ることができます。さらに、クイックドロー機能(海底地形図作機能)により、走行した海底の等深線をSDカードに記録することができるため、自宅のパソコンで釣行の作戦を練ることもできます。
これまで複数のメーターやモニターが並んでいたダッシュパネルをシンプルにまとめ、電子機器の操作や操船面において快適性と利便性を提供します。
拡張システム(オプション)
船外用の振動子を取り付けることでより多様な情報が入手できます。海底起伏や魚群の判別がしやすい「クリアビュー」、ボートの「サイドビュー」表示により自船の左右の海底や魚群も表示可能です。さらに3Dソナーを取り付けることで、自船の下をリアルタイムで観察することができるため、投じたルアーの動きまでもライブムービーのように表示されます。この3Dソナーで得た情報を連続して履歴表示することで、魚群はもちろん、自船と水面から海底までの情報を3D表示することができます。
11HELM MASTER EX
12POWER UNIT