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バイク初心者必見!速くなるよりも上手くなるための、柏流ライテク論 第1回「バイク選びと取り回し術の密接な関係」

2012年4月27日
こんにちは。ヤマハ発動機販売の山崎です。

今回から「バイク初心者必見!速くなるよりも上手くなるための、柏流ライテク論」と題して毎月一回ずつ、このブログにも過去登場していただいている、バイクジャーナリストの柏秀樹さんにライディングテクニックについてお話しいただきます。

柏秀樹さん

柏さんは、世界のオフロードを走破してきた、この道30年のバイクジャーナリストにして、日本各地で安全等に関する講演活動・実技指導も行う指導者でもあります。ライディングシーンで磨いてきたノウハウをもとにした柏秀樹ライディングスクールKRSは3日に1回のペースで開催。数多くのライダーが柏さんの指導のもと、正しいライディングテクニックを身に付け、安全で効率的な走りを楽しんでいます。

それでは早速、記念すべき第1回のテーマ「バイク選びと取り回し術の密接な関係」をお願いします!


こんにちは、柏秀樹です。

人の数だけバイクへの接し方があって、バイクが好きなら、どんなバイクでもOK。バイク選びは、そのまま「バイクライフ」でもありますけど、他人様に迷惑をかけなければ、どれも正しいと思います。

でも、やっぱりバイクを選ぶ時は慎重でありたい。だってバイクは幸せな時間を一緒に過ごす大切な親友あるいは恋人みたいなものだから。乗りこなせなくて怖い思いをしたり、Uターンで転んで痛い思いをしたりするのってやっぱり避けたいですよね。

バイクは移動の道具であるけれど、操るには奥が深く難しい。だからちゃんとした技術習得が必要だと思う。バランスを取って走るスポーツでもあるし、扱いが繊細で怪我をしないように装備と整備が不可欠な乗り物でもありますね。気力・体力だけではなく知恵や勇気も時には必要になる乗り物だと思います。

ここまで書いておきながら、実はバイク選びはどれでも良い、という結論です。しかし、バイク選びはどれでも良いわけがない。一体どっちなのか……。

私はバイクジャーナリストとして雑誌などにバイクにまつわることをアレコレ書いたり、多くのライディング経験を活かしてライディングスクールを運営していますが、スクールを受講される方でまったく体格に合わないバイクを選んで苦労されている方が少なくありません。

ここでAさんとBさんの例を紹介します。

Aさんは最初に1300ccのネイキッドバイクを購入してスクールにやってきました。最初は車庫からバイクを出す時に何度もバイクを倒してしまい、それこそスクールに来るまでに体力を使いきってヘトヘトでしたが今では安全でメリハリのある実に滑らかで美しい走りを実現されています。実はネイキッドの1300ccを止めて、途中で1000ccの少し軽量なバイクに変更したことも上手くいった理由のひとつだと思います。

もう一人のBさんは小柄な女性。最初はネイキッドの750ccに乗っていましたが、一般道を走るのにギアチェンジさえもままならず、ずっと1速と2速だけで市街地を走っていたほど。その後にスタイルの良さに憧れて600ccのスーパースポーツへスイッチ。でも、両足先がほとんど届かずの状態。そこで、本人いわく「ちゃんと乗れないと楽しくない。ハラハラ・ドキドキするぐらいならニコニコ・スイスイできるバイクの方がいい」という強い決意のもと、足先が余裕で地面に届く600ccのツーリングタイプに乗り換えました。

BさんはAさんと同じで、今ではスイスイ。ライディングスクールで腕を磨いたからという理由もありますが、乗りやすいバイクに変更したことで、向上心が生まれて、練習を重ねることができたからだと思います。いくらバイクがカッコよくても、乗る気が起きないことにはどうにもならない。そして上手くなると体格や体力のハンデを乗り越えて、大好きなバイクに乗ることができるようになります。

まさに大空を自由の舞うための翼を手に入れた瞬間が、その時なのです。

また、AさんやBさんとは異なり、騙し騙し乗って、なんとか帳尻を合わせている例が実際には多いと思います。

なんとか帳尻を合わせることとは何か。

大胆にいうと「半クラッチの操作能力」に絞れます。半クラが下手ではないけれど、けっして上手くはない状態です。たとえばアクセル全開にしてもクラッチを切ればバイクは前に進みません。つまり、クラッチは第2のアクセルなんです。アクセルが上手く使えないと曲がれないだけではなく、止まれないこともあります。正確に止まれない・曲がれない、だからいつまでも怖い、だから疲れるし技術進化もままならないのです。

たとえばビギナーにも乗りやすいセロー250ですが、普通ならそこそこ安定してUターンができるでしょう。でも、足を着かないでフルステア維持でUターンができますか?

セロー250

あえて誤解を恐れずにいうなら、セロー250でも、フルステアでUターンできないのであれば、大半のライダーはどのバイクに乗っても「技術的にちょっと怪しいところがある」と言い切れるのです。

ちょっとでも怪しい時は足を着いてやる、降りてUターンする、でもいいのですから。

必要なことは完璧な技術力ではなく、判断力なのです。つまり、完全な技術力がなくても「自分に足りない点をしっかり認識していれば事故やミスの大半は未然に防げる」ということなのです。当たり前といえばそれまでですが、走りだしたバイクを前に、人はこの当たり前をすぐに忘れてしまうのです。

最後に、バイクを選択する上で是非ともチェックしていただきたいことを改めて。

それは乗車して、両足先が届くなら両足先を着いたまま歩く速度以下で半クラ操作でアイドリング回転のままフルステア・Uターンができるか。あるいはバイクから降りて半クラを上手く使って前進左回りが滑らかにできるか。可能ならフルステアにトライしてください。

いずれの方法でもまったく無理であればそのバイクのコントロールはまだ簡単ではないと判断してください。それでも貴方がそのバイクを購入するのはもちろん自由です。

あるいは少し難易度の低いバイクを選ぶか。もしくは、そんなことはまったく気にせず、とりあえず乗ってしまう、のいずれかです。どれでも事故や怪我さえなければどれも幸せ。でも、幸せの質を決めるのは貴方自身です。

もちろん異論もあるでしょうが、多くの人にライディングのノウハウを伝授してきた一人の考え方として、こんなものの見方や考え方があるのだと、広い心で受け止めていただけると幸いです。


再び山崎です。どんなバイクを購入されているかお悩みの方、まずはYSPをはじめ、ヤマハ製品販売店でバイクに触れてみませんか?お近くの取扱店は販売店検索で探せますよ。

明日からゴールデンウィークに入りますが、ツーリングなどでお出かけになる際は是非、安全運転で楽しんでください。


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