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軌跡をたどる SR開発秘話:05 こだわりの流儀、変わらない作法、キックスタートは丁寧な生き方の現れ

2021年1月28日

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なんでもタップ一つで用が済むような、便利な世の中だ。複雑な手順は好まれず、オンかオフの簡単な操作が当たり前の時代に40年以上も始動方法が同じバイクがある。それが「SR400」である。


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メインスイッチをONにして、ギアがニュートラルであることを確かめ、デコンプレバーを握る。そしてエンジン右サイドにある丸いインジケーターに銀色の目印が現れるまで、キックペダルをゆっくり降ろす。
銀色の印が見えたらデコンプレバーを放し、あとは一切の迷いなくキックペダルを一番下までしっかり踏み込めば、スットトットットットトットトット〜とビッグシングル固有の音が響きSRが目覚める。

SRの機嫌によっては、時に一発で目覚めず、何度か同じ動作を繰り返さなければならないこともあるけれど、その手間を慈しむ。

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社内のSRオーナーのライフスタイルから、「SR400」をあえて選ぶオーナーは、作法に則って手順を踏むことを好む傾向にある、と言い切ってしまうと大げさか。
コーヒーを淹れるにも豆の種類から、焙煎度合いや挽き具合、お湯の温度にカップの温度、注ぐ速度にまでこだわり、手間も時間も厭わない。愛用のジャケットやブーツももちろん手入れが必要な革製だ。きちんとブラッシングをし、時にクリームやオイルを塗り込んで栄養補給も欠かさない。
手順を踏む面白さ、手間や時間をかけることの豊かさ。何事も手がかからなくなった今だからこその贅沢。丁寧な生き方。


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「セルモーターを付けるか否か議論しました。やはりキックを踏み抜いてエンジンをかける......という儀式がSRの魂でありアイデンティティである。キックでエンジンを始動し、乗り手のモチベーションも高めて行くのがやはりSRの魅力なので、セルを付けなくて正解だと思っています」とは、40周年記念モデルに携わったプロジェクトリーダーの言葉だ。

2021年1月28日
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