私たちヤマハが「ヤマハのバイクにはYAMALUBEが最適」と断言、おすすめする理由。
- 2025年8月1日
こんにちは。ヤマハ発動機販売の橋本です。
みなさんは、愛車のエンジンオイル、何を使っていますか?
エンジンオイルの定期的な交換は、バイクのエンジンコンディションを良好に保つために欠かせない、メンテナンスの「基本の『き』」。
車体を購入した時についてくる取り扱い説明書にも、必ずオイル交換について記載されています。
エンジンオイルには、様々なブランドがあります。
大型量販店に行くと、棚ひとつ端から端まで全部エンジンオイルということもあり「どのブランドのオイルが自分の愛車に合っているのかわからない!」と思ったことがある人もいるのではないでしょうか。
もし、あなたの愛車がヤマハのバイクなら、私たちヤマハがおすすめしたいエンジンオイルはただひとつ。純正オイルの「YAMALUBE」です。
「純正オイルって、悪くはないけど特別にいいわけでもない、『ほどほど』『まあまあ』のオイルなんじゃないの?」
もしあなたがそう思っているとしたら、ぜひ今回のブログ記事を読んでみてください。
私たちが、「ヤマハのバイクにはYAMALUBE」と自信を持っておすすめする理由。
それは、ヤマハの純正エンジンオイル開発の歴史と深く係わっています。
ここでご紹介したいのが、ヤマハ発動機社員の三浦 透。
40年近くに渡ってヤマハの純正エンジンオイルを開発し、現在、社内にいる誰よりもオイルに詳しい存在です。だからといって、三浦が「オイル専門のプロフェッショナル」というわけではありません。三浦の本業は、エンジン開発・実験です。
どういうことかというと、ヤマハでは昔から、エンジン開発を行うエンジニアが、エンジンオイルも同時に開発するという伝統があるのです。
「1960年代、市販二輪車は2ストロークが多く、排気煙の多さや混合ガソリンづくりの煩わしさの解消が技術的なテーマでした。各レース参戦でデータを蓄積し、分離給油潤滑であるオートルーブシステムを1964年に日本で発売。このように2サイクルエンジンが主流だった時代からオイル開発へのこだわりは強く、エンジンとオイルをセットで開発するようになりました。1970年代にその流れを築き上げたエンジニアが、矢代 善伸。ヤマハではオイルの神様みたいな存在で、機械系・電気系が多いヤマハのエンジニアの中では珍しく化学系出身のエンジニアでした。
矢代のすごいところは、様々な手法を使って、エンジンオイルの成分を徹底的に分析したこと。彼が取り組んだおびただしい実験の結果、ベースオイルや添加剤などオイルを構成する成分がエンジンの中でそれぞれどのような働きをしているのかという特性を推定し、オイルの基本性能を数値化できるようになりました。
これによって、『自分たちが開発しているエンジンには、どんな性能のオイルが必要か。そして、求める性能のエンジンオイルを作り出すためには、どんな配合がよいのか』という基本設計を、メーカーである私たち自身が立てられるようになり、それまでオイルメーカーに任せていたオイルの開発に、対等な立ち位置で取り組むことができるようになりました。
ヤマハがオイルを『液体パーツ』と呼ぶのは、この歴史を受けた流れです」
三浦自身は、1980年代にヤマハ発動機に入社。
当時、2サイクルエンジン開発と純正オイル開発に忙殺されていた矢代から、4サイクルエンジン用の純正エンジンオイルの開発を指示されたことから、オイル開発のキャリアをスタートさせました。
この頃には既に、ヤマハのオイル開発は「とにかく実機エンジンでテストすること」が重要な要素となっていました。三浦も「自分も矢代と同じように、20代の頃はひたすらエンジンを回して、オイルのデータを取ることに専念していた。そのデータの蓄積があるからこそ、今、自分たちが作っているエンジンにはどんなスペックのオイルが必要で、そのオイルを作るにはどういう成分を組み合わせればいいのかを推測し、効率的に開発を進められるようになった」と語ります。
純正オイル開発者に聞く「オイルグレードを選ぶコツ」
純正オイルのプロである三浦もまた、「ヤマハのバイクに使ってもらいたいエンジンオイルはYAMALUBE」と断言します。
「ヤマハのエンジンには純正オイルであるYAMALUBEが最適だと言えます。
私たちがエンジンを開発する時は、開発基準油(オイル)を使ってエンジンテストを繰り返し、設計通りの性能が出ているか、耐久性が担保されているかをチェックしていきます。当然、この開発基準油(オイル)の素性は把握しており、これまで培ったオイル開発ノウハウも活かしながら、純正オイルYAMALUBEは開発されています。ですから、指定粘度の純正オイルをメーカー推奨のスパンで交換している限り、ヤマハのエンジンに『オイル由来のエンジントラブル』は起こらないと言えるわけです。
公道向けヤマハ車のエンジンは、原則としてすべてこの開発基準油(オイル)を使って開発されており、スーパースポーツのフラッグシップであるYZF-R1も、例外ではありません」
スーパースポーツこそリッチな配合の高性能オイルで開発するものなのでは? と質問してみると、三浦から返ってきたのは
「エンジンは開発基準油(オイル)でテストを繰り返しています。この開発基準油(オイル)で、エンジンが正常に作動し、トラブルを起こさないようにエンジンを開発しています。つまり、開発基準油(オイル)でテストし、エンジンが正常に動作することを確認していれば、よりリッチな配合の高性能オイルでもトラブルが起きないと言えるからです。スーパースポーツだからと高性能オイルを使ってエンジン開発をしてしまうと、スタンダードなオイルを入れた時にトラブルが起こってしまうかもしれませんから」
という答え。なるほど、と舌を巻きました。
では、キャリアが比較的浅いビギナーのみなさんが悩みがちな
「オイルにはいろんなグレードがあるけれど、自分の愛車にはどのグレードを選べばいいのか?」
という疑問についてはどうでしょうか。
エンジンオイルには多くのグレードがあり、価格もお手頃なものから高額なものまでさまざま。ヤマハの純正オイルYAMALUBEにも、4サイクルオイルだけで
・スタンダードプラス
・スポーツ
・プレミアムシンセティック
・RS4GP
の4種類がラインナップされています(このほか、スクーター向けオイルもあり)。
確かに、何を基準に選べばよいのか、悩んでしまいそうですね。
スタンダードプラスは鉱物油ベースであるのに対して、スポーツは部分合成油で、コストを抑えつつ合成油に近い耐久性と性能を持っています。プレミアムシンセティックは100%化学合成油で、非常に劣化しにくく油膜も強い。一方でRS4GPは、エンジン性能をより引き出すためのオイルとして開発されました。そして、いずれのグレードも、ヤマハのエンジンに最適化された設計になっています。
上位グレードのオイルを使うメリットとしては、耐久性、燃費、エンジンパワーなど、オイル本来の役割である潤滑に加え、もう一段階高い性能が期待できることにあります。エンジンオイルにそういった効果を期待される方は、上位グレードを選んでいただくとよいでしょう。
かといって、スタンダードグレードだから性能が落ちるというわけでは決してありません。どのグレードであっても、YAMALUBEオイルはヤマハのエンジンに対して最適化された設計になっていますから、安心して選んでいただけます。
二輪エンジンに求められるオイルは、二輪エンジニアにしか作れない
ヤマハで40年近くも純正オイル開発を手がけてきた三浦ですが、「自分の本業は決してオイルを作ることではない」と言います。
「エンジンとオイルを同時開発するというと、『鶏が先か卵が先か?』的な話になるのですが、これについて矢代から言われた言葉が指標になっています。
『自分たちの本業はエンジンを作ることであって、オイルを作ることではない。
自分たちは、エンジンのためのオイルを作っているのであって、オイルのためのエンジンを作っているわけではない』
よく言われる話ですが、バイクのエンジンオイルは四輪のそれとまったく違う性能が求められます。四輪では、エンジン、クラッチ、トランスミッションが独立しているため、潤滑にはそれぞれ専用のオイルを使います。ところが、二輪車ではエンジンの中にクラッチもトランスミッションも入っているので、ひとつのオイルですべての潤滑をまかなわなくてはならない。そのためには、バイクのエンジン全体を熟知しているエンジニアがオイルを設計するのが一番いい、というのがヤマハの考え方です。
そのために、実機テストを繰り返し、オイルの成分を解析・数値化して、現在では、自分たちが作るエンジンには、どういう性能のオイルが必要かをシミュレーションすることができます。
ちなみに、実際にオイルを作るのはオイルメーカーです。その依頼をする時に『これこれこういう配合でこの通りに作ってください』と指示するわけではありません。詳細な数値データを添えて『自分たちはこういう性能のオイルが欲しいので、この数値目標をクリアするオイルを作ってもらえますか』と依頼し、対等な立ち位置で、オイルメーカーとともによりよいオイル作りに取り組んでいます」
日本国内で販売されるYAMALUBEのエンジンオイルは、先ほどご紹介した4サイクルエンジン用オイルに2サイクル用を加えた全10種類ですが、YAMALUBEのオイルはグローバル展開していて、各国向けに国内とはまた違ったオイルが多数リリースされています。これらのオイルは、ヤマハ発動機本社にあるオイル認証機関「オイル分科会」で、ヤマハの基準を満たしているか、YAMALUBEの名を冠して流通させるにふさわしいか、厳しい審査が行われます。その審査で合格したオイルが、初めて「YAMALUBEエンジンオイル」として世に出るしくみになっています。
YAMALUBE、それは、私たちヤマハが、自社のバイクのためにもっともふさわしいエンジンオイルだと自信を持っておすすめできる『液体パーツ』なのです。
今回のブログ記事で、オイル管理やYAMALUBEオイルに興味が湧いた方は、ぜひ愛車の取り扱い説明書で、エンジンオイルの指定粘度や交換スパンをチェックしてみては。
そして、YAMALUBEオイルのご購入およびご相談は、お近くのYSPまで。
ヤマハのバイクを熟知したスタッフが、あなたの愛車に最適なYAMALUBEオイルをご提案します。
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