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日本の若手ライダーをスウェーデンでのYZ BLU CRU Cup SuperFinaleに招待、世界中のBLU CRUライダーと真っ向勝負!

2025年12月5日

皆さんこんにちは、ヤマハ発動機販売の田中です。

ヤマハオフロード競技用モデル・YZシリーズ

当社では、ヤマハオフロード競技用モデル・YZシリーズのアマチュアライダーのためのレース参戦サポートプログラム「BLU CRU(ブルークルー)」を展開しています。国内での活動は、2016年よりスタート。対象レースの上位入賞者に賞典を贈呈するほか、レース会場でレーシングサービスの実施、試乗会・ライディングスクール開催など、YZでレースに挑戦するライダーのサポートを幅広く行っています。
なお、世界各地ではオン・オフロードともに、世界に通用するライダーの輩出を目指し、若手育成活動を実施しています。
その国内での活動に、今年から新企画がスタートしました。

それが、日本人若手モトクロスライダーの海外レース参戦招待です!

「YZ BLU CRU FIM Europe Cup SuperFinale」

招待先は「YZ BLU CRU FIM Europe Cup SuperFinale」。これは、ヤマハ発動機のグループ会社であるヤマハ・モーター・ヨーロッパが、欧州を中心に世界各地の若いBLU CRUライダーを集めて開催する年に一度のビッグイベント。YZ125YZ85YZ65の3クラスを設定し、それぞれでNo.1ヤマハライダーを決める、まさにBLU CRUの祭典です!

招待の目的は、日本の若いモトクロスライダーにいち早く国際舞台を経験してもらうことで

招待の目的は、日本の若いモトクロスライダーにいち早く国際舞台を経験してもらうことで、技術を磨き、経験を蓄えてもらいながら、意識を変え、モチベーションを高め、彼らの成長を促すこと!

加えて、この経験者には国内で活動する若手ライダーの中心的な存在になってもらい

加えて、この経験者には国内で活動する若手ライダーの中心的な存在になってもらい、さらに下の世代の憧れになるロールモデルになってもらうことも期待しています。

「YZ BLU CRU Cup SuperFinale」はこれまで

さて、「YZ BLU CRU Cup SuperFinale」はこれまで、モトクロス界最大のイベントである国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」に併催されてきましたが、今年は8月15~17日、スウェーデンのウッデバラで開催されたモトクロス世界選手権スウェーデングランプリに併催されました。

決勝にはYZ65が36名、YZ85は33名、YZ125には38名の合計107名が出走。

決勝にはYZ65が36名、YZ85は33名、YZ125には38名の合計107名が出走。各クラスで熱戦が繰り広げられました。

今企画に応募いただき選抜されたライダーが、髙木碧選手と江藤彪之介選手。

髙木選手は埼玉在住の高校1年生で、今年から全日本IBOPENにYZ125で参戦。

髙木選手は埼玉在住の高校1年生で、今年から全日本IBOPENにYZ125で参戦。昨年のイギリス大会に続き2年連続での出場となります。全日本に参戦するヤマハクラブチームであるRACING TEAM TAKAを運営する髙木雄一氏の子息です。

MOTION RACINGに所属の江藤選手は福岡在住の中学2年生。

MOTION RACINGに所属の江藤選手は福岡在住の中学2年生。小さい頃にYouTubeでモトクロスを見たことがきっかけで大好きになり、ご両親に頼んでレンタルバイクでの体験走行からモトクロスをはじめたそうです。地方選手権などの活躍によって選抜され、YZ85クラスに出場しました。

二人はメカニックを担当するお父さんとともに東京羽田空港に集合すると、

二人はメカニックを担当するお父さんとともに東京羽田空港に集合すると、

「シーズンオフには海外遠征で経験も積み上げ、YZ125で全日本のIBOPENに参戦し、マシンにも20分のレースタイムにも慣れてきました。この大会は自分にとって大きな目標の一つなので、全力を出して6位以内に食い込みたい!」と髙木選手が意気込みを語れば、

江藤選手は「絶対に参戦したいと思いこれを目標に頑張ってきました。お父さんに頼んで申請してもらって、決定したという連絡を受けたときは本当に嬉しかったです。海外でのレースは初めてだし、今の実力がどこまで通用するかわかりませんが、とにかく全力を出し切ること、そして世界を知ることが大事だと思って頑張ります」と、ともに「何かを掴み取ってやろう!」という高いモチベーションを持ってスウェーデンに出発したのでした。

二人は水曜日、会場とは別のコースでマシンのセットアップを兼ねた練習走行を実施。

二人は水曜日、会場とは別のコースでマシンのセットアップを兼ねた練習走行を実施。「会場のウッデバラと比較的似た土質のコースで練習ができて、マシンもいい感じに仕上がりました」と江藤選手。

昨年のイギリスがすごく難しかったのですが、今年は事前練習でマシンもバッチリ仕上がったのでいけそうな感じです!

髙木選手も、「昨年のイギリスがすごく難しかったのですが、今年は事前練習でマシンもバッチリ仕上がったのでいけそうな感じです!」とともに好調を維持して金・土・日の3日間で行われるレースウィークに突入。

初日にまず全体ミーティングが行われ、その後、元グランプリライダーをコーチに、アドバイスを受けながらコースウォークを実施。

初日にまず全体ミーティングが行われ、その後、元グランプリライダーをコーチに、アドバイスを受けながらコースウォークを実施。

迎えた土曜日は、YZ125クラスを筆頭にYZ85、YZ65の順で朝8時半からそれぞれ10分間の練習走行を行い、15分間のタイムプラクティス(予選)で決勝グリッドを決定。

迎えた土曜日は、YZ125クラスを筆頭にYZ85、YZ65の順で朝8時半からそれぞれ10分間の練習走行を行い、15分間のタイムプラクティス(予選)で決勝グリッドを決定。この予選で髙木選手はトップに約7秒差の13番手。

江藤選手はトップに約12秒差の12番手。ともに世界の壁を感じながらも、トップ10を狙える位置で予選を終えました。

江藤選手はトップに約12秒差の12番手。ともに世界の壁を感じながらも、トップ10を狙える位置で予選を終えました。

迎えた日曜日、朝一番に行われたのがYZ125クラス、完璧にメインテナンスされたコースに向って走り出します。

迎えた日曜日、朝一番に行われたのがYZ125クラス、完璧にメインテナンスされたコースに向って走り出します。サイティング(コースの下見走行)の後グリッドに着いた38名のライダーたち。横一線のスタートから鋭い加速で抜け出した髙木選手は6番手で1コーナーをクリアし、上位でのバトルが期待されましたが、その直後に不運が襲います。

並びかけるようにジャンプのアプローチに進入した隣のライダーが、コントロールを失って髙木選手に接触。バランスを崩した髙木選手は激しく転倒してしまいます。それでもすぐに再スタートしようとマシンに駆け寄りましたが、転倒した衝撃でアクセルスロットルが破損しレース続行を断念。リタイアとなってしまいます。

「悔しいというほかに言葉が見つかりません。

「悔しいというほかに言葉が見つかりません。昨年イギリス大会に出場させてもらって11位というリザルトを残し、今年はさらに上位に入るために全日本のIBOPENにYZ125で参戦してこの大会に備えてきました。ヤマハをはじめサスペンションのセットアップなど多くの支援をいただいてここに来て、結果で何一つ恩返しができないなんて... 悔しくて仕方ありません。今よりも強くなるしかないし、なって見せます」と、髙木選手が絞り出した言葉は震え、目には涙が滲みますが、この悔しさを糧に奮い立ってくれるはずです。

続いて行われたYZ85クラスは、江藤選手が12番手グリッドからスタート。

続いて行われたYZ85クラスは、江藤選手が12番手グリッドからスタート。混戦の中で深いギャップにバランスを崩しての転倒もあり、20番手で1周目をクリアとなりましたがここから追撃を開始。周回毎に先行するライダーを捉えて順位を上げ、終盤には14番手までポジションを回復。ラストラップの攻防で一つ順位を落としましたが、初出場ながら15位でチェッカーを受けました。

昨年の大会は動画で見たし、ネットで検索してウッデバラのコースについてもある程度イメージができていたつもりでした。

「昨年の大会は動画で見たし、ネットで検索してウッデバラのコースについてもある程度イメージができていたつもりでした。でも実際に走ったコースは日本では体験できない難易度で、正直どう走ったらいいのか戸惑いました。レースは転倒がなければもっと上の順位でフィニッシュできたと思いますが、同年代の世界のライバルたちと一緒にバトルができたことはすごく勉強になったし楽しかったです。ただ、上位のライダーとの差は明らか、もっともっと速くならなければと強く思いました。この経験を忘れずにしっかりと練習に取り組んで、世界のトップを目指せるような強いライダーになってみせます」と江藤選手。世界との差を痛感しつつも、その心は折れるどころか、トップを目指すという決意はより強固になったようです。

レースを終えた二人はグランプリライダーたちが繰り広げる異次元の走りと激しいバトルを見学。

レースを終えた二人はグランプリライダーたちが繰り広げる異次元の走りと激しいバトルを見学。大歓声の中での熱戦を心に刻みつけました。

悔しい結果となった髙木選手、世界のライバルたちと火花を散らすバトルを演じた江藤選手。わずか数日間でしたが、二人はきっとものすごくたくさんの経験値を得たことと思います。

そして11月が終わり、髙木選手と江藤選手はともにシーズンを終了。

そして11月が終わり、髙木選手と江藤選手はともにシーズンを終了。ルーキーのIBOPENを戦った髙木選手は、SuperFinale後の2大会では表彰台を逃すレースが続きました。しかし、最終戦のMFJ-GPでは2位/優勝と総合優勝を飾りランキング4位でシーズンを終了。来シーズンの国際A級昇格の権利を見事獲得!

江藤選手も九州選手権でジュニアクロスのチャンピオンに輝くと

江藤選手も九州選手権でジュニアクロスのチャンピオンに輝くと、10月末、HSR九州(熊本)での全日本モトクロス大会でも、同クラスに参戦して2位/1位で総合優勝を果たし、ライセンス2階級特進の権利を獲得されました! ※写真提供 MFJ

このように、SuperFinaleに参加した2名はしっかりと結果を残してくれましたが

このように、SuperFinaleに参加した2名はしっかりと結果を残してくれましたが、向上心溢れるライダーたちが数多く現れてもらえるよう、2026年もYZ BLU CRU Cup SuperFinaleへの派遣を検討しているほか、さまざまな活動に取り組んでいきたいと考えていますので、ご期待ください!


関連リンク

BLU CRU

YZ125

YZ85/YZ85LW

YZ65

2025年12月5日
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