トラブルが発生する前に
トラブルが発生しないように注意する事、トラブル発生に備えた対策をご紹介します。
気象・海象に関する情報を把握し、無理な出航はしない。
また出航しても、天候の変化には注意を払おう。
現在では様々な気象情報をリアルタイムで把握できるようになっています。状況に応じて、天候が崩れる兆候がある場合は、出航を控えるようにしましょう。さらに風の強さや風向によって波の立ちやすい水域、また干満差によって浅瀬など航行に支障の出る水域などの情報も海図等で事前に情報を把握しておきたいものです。
日常の点検・整備に限らず、出航前の点検もしっかりとチェックしよう。
海上でのトラブルの8割以上が機関のトラブルと言われています。これらの多くは、日常のメンテナンスや、出港前の点検などで未然に防げるものです。マニュアル等を参考に、自分なりのチェックリストを作成し、出港前には確実に点検を実施しましょう。また操船の期間が空いた場合には入念な点検が必要です。
ボートは水の抵抗や振動、海であれば塩分に紫外線など、過酷な環境下で稼働しています。トラブルを発生させない航海をするために点検・整備を十分におこないましょう。
座礁や追突などの船体トラブルからエンジンやドライブなどの機関トラブルの対処方法を考えておこう。
座礁(乗り揚げ)をしたり、追突した場合の対策をシミュレーションしておくことも大切です。
トラブル時のパニックが、より大きなトラブルを引き起こします。乗員の安全確保の最優先が基本ですが、さらにトラブルを拡大させないための対処方法を考えておきましょう。もちろん、このようなトラブルを発生させないために事前の準備を万全におこなうことが大前提です。
あらゆる状況で落ち着いた行動が取れるように準備、 レスキューを依頼する場合の方法を確認しておこう。
もし海上でトラブルが発生してしまい、自力では帰港できない状態の時にどうするのかをシミュレーションしておく必要があります。
まずボートの状況を的確に判断し、マリーナに相談して指示に従う方法が確実です。その時に、船名や船位、トラブルの状態を〝慌てずに”〝正確に”伝え、レスキューを待つことです。
海上保安庁では、ボートからの転落や沈没など最悪の状況を想定した「海難防止の3つの基本」を提唱しています。
- もし海中に転落した場合、まず海に浮いていること。つまりライフジャケットの着用。
- 連絡手段を持つこと。これは防水パックなどを利用した携帯電話を携行する(身につけている)こと。
- 救助要請をすること。つまり「118」に連絡するということ。
この3つの基本を守ることで安全性はかなり確保できるはずです。しかし、最も基本的なことは、トラブルを起こさないためにしっかりした安全対策を考えることです。