使用前のQ&A
船外機の使用前チェックをQ&A形式でわかりやすくご紹介します。
使用前のQ&A
01
- 緊急停止スイッチって必要なの?
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生死を分ける重要部品
航行中に操船者が船から落水したとします。船は無人のまま止まらずに進んでしまいます。 当然、落水してから船にたどりつくのは不可能であり、海上で漂流するのは生死を分ける重要な事態です。 このような危険を回避するために緊急スイッチがあります。 緊急スイッチは、エンジンスイッチとつながっており、緊急スイッチが外れると、エンジンを停止させるしくみになっています。 操船者は、航行前には常に緊急スイッチのコードを衣服や手首に留めておくよう習慣づけましょう。
エンジンストップスイッチが船外機事態に装着されている場合
02
- 使う前に確認することってあるの?
これを怠ると大事故になる可能性大
使う前の確認(点検)は、船外機を使う人の義務と思ってもいいでしょう。航行中のトラブルは陸の上とは違い、取り返しのつかない事態をまねく恐れがあります。
「燃料」「オイル」「作動系」「エンジン本体」の状態を確認します。- 燃料
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- 燃料が満タンであるか
- 燃料漏れがないか
- 燃料ホースが確実に接続されているか
- 燃料ホースが折れたり、挟まっていたり、踏まれてないか
- オイル(2ストローク船外機の場合)
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- 必要な量があるか
- 作動系
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- スロットル、シフト、ステアリングが正常に作動するか
- 各接続部にゆるみやガタがないか
- エンジン始動、停止スイッチが作動するか(水上に下ろして確認)
- エンジン本体
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- エンジン取付ボルトにゆるみがないか
- プロペラに損傷はないか
- その他
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- 前回使用時に不具合のあった箇所は直っているか
- アドバイス
- 1ヶ所でも不具合が見つかったら、必ず点検、整備をしましょう。
03
- エンジンがかからない
いろいろな原因が考えられます
- エンジンがかからない場合、まずスタータモータが動かないときがあります。主な原因として、以下のことが考えられます。
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- バッテリーの容量低下、または容量電圧の不足
- バッテリーターミナルの緩み、または腐食
- ヒューズ切れ
- スタータモータの故障
- 前進または後進にリモコンレバーが入っている
上記の問題を解決しましょう。
- スタータモータは動くが、エンジンがかからない場合の主な原因として、以下のことが考えられます。
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- 燃料タンクが空、燃料タンクが閉じている
- 燃料への水入り、または古くなっている
- 燃料フィルタの詰まり
- 始動手順の間違い
- 燃料ポンプの故障
- 緊急スイッチコードのロックプレートの外れ
- スパークプラグの不良、かぶり
- スパークプラグ電極隙間が不適切
- 配線の接続不良、または損傷
- 電装部品の故障
- エンジン内部の損傷(圧縮圧力の低下)
上記の問題を解決しましょう。
04
- 4ストロークエンジンの点検ポイントは?
4ストローク特有の点検ポイントを理解しましょう
主な4ストロークエンジン特有の点検ポイントは、「エンジンオイル、エンジンオイルフィルタ、タイミングベルト、バルブクリアランス」等です。これらを定期的に点検することがエンジン性能を正しく発揮させます。(点検時は必ずエンジンを停止した状態で行なってください。)
詳しくは、船外機に添付されている取扱説明書をご覧ください。- 注意
- タイミングベルトへの防錆剤や、オイルの付着は歯飛びやベルトの寿命に影響を及ぼします。
05
- 船外機を運ぶときの注意点は?
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必ず指定された運搬方法で行ってください
船外機を船体から外して運搬する場合は、船外機スタンド等を使いボルトで固定するなどして行なってください。プロペラ側がエンジン本体部よりも高い位置になると、4ーストロークエンジンの場合、オイルパンからシリンダ内へオイルが流れ込む恐れがあるため、常に低くなるようにしてください。また、船外機によってはオイルがこぼれたりするものがありますので取扱説明書にて指定されている方向に傾けて運搬してください。横に寝かせて運ぶときは、冷却水が完全に抜けていることを確認してください。
運転後の船外機には冷却水が残っていることがあります
プロペラ側がエンジン本体部よりも常に低くなるようにしてください。
船外機内部に残っている冷却水(海水等)がエンジン燃焼室内部へ流れ込み、エンジンにダメージを与えるおそれがあります。冷却水が完全に抜けることを確認できるまで船外機は横に寝かさないでください。
06
- どんなエンジンオイルを使えばいいの?
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船外機専用のオイルを使いましょう
船外機専用のオイルは、船外機のために開発されたオイルです。 船外機の使用状況を考えて開発(各種耐久試験、オイル粘度等)されたため、他のオイル(オートバイ用・車用等)では船外機の性能を十分に発揮させることができません。また、他のオイルでは船外機にダメージを与えるおそれがあるので、必ず船外機専用オイルを使いましょう。
- アドバイス
- オートバイ用のオートルーブオイルでは、燃料と混合しにくく、プラグの劣化を早めるおそれがあるので使用しないでください。
ヤマハ発動機では船外機専用の純正オイル「YAMALUBE」を開発・販売しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
規定に従った管理を行いましょう
4ーストロークエンジンオイルは、一般的にオイルを消費させることでエンジンの寿命をのばしています。点検した際にオイル量が不足している場合は、規定値まで補充してください。補充の際、オイルを入れすぎるとかえってオイル消費量が増えエンジントラブルの原因となります。
- アドバイス
- 出港前には必ずエンジンオイルレベルを点検し、適量にしてください。 オイルの残量は、オイルレベルゲージで確認します。
2ストローク用と4ストローク用のエンジンオイルは必ず専用のオイルを使ってください
2ーストローク用のオイルは燃料と直接混合したりオートルーブポンプを介してエンジン各部へ供給されるため、専用のオイルを使用しています。 また、4ーストローク用オイルに比べ粘度は軟らかめになっています。2ーストローク用オイル・4ーストローク用オイルともエンジンの性格が異なるため混ぜて使用したり、違うエンジン形式への使用はできません。必ず取扱説明書を参照し、推奨エンジンオイルを使用してください。
07
- バッテリーサイズは大きい方がいいの?
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エンジンサイズに見合ったバッテリーを選びましょう
エンジンにはそれぞれ推奨バッテリー容量があります。大型のバッテリーに変更するときは、バッテリーを変更できる許容範囲内にする必要があります。一般的に推奨バッテリーの容量を大幅に超えた大型のバッテリーを使用した場合、スタータモータをクランキングした瞬間に発熱量が増加しスタータモータの寿命を短くすることがあります。また、充電容量も大きなものを必要とします。アクセサリー等による電力消費が大きい場合は、予備バッテリーを搭載することをおすすめします。