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ミクロン単位で成形されるホイール

2006年9月4日
こんにちは。ヤマハ発動機販売の小倉です。

街を走るビッグスクーターを眺めていると、皆さんどこかしら手を加えています。
なかでも「"通"だなぁ」と思ってしまうカスタムポイントはホイール。
四輪と違い、ブレーキディスクやマフラーなどで隠れてしまうにも関わらず、ホイールを替えるオーナーの心意気に胸を打たれてしまいます。

今回はビッグスクーター用のホイールについてご紹介します。
語りはワイズギアの杉本さん。よろしくお願いします!



こんにちは、杉本です。

「バイクのホイールって、4輪に比べると高くない?」
この質問は耳にタコができるほどよく聞きます。
4輪のホイールとバイクのホイールは全くの別物。
4輪のホイールは簡単に言うとタイヤをつけるためのホイール。それに対してバイクのホイールは、タイヤだけでなく、ブレーキを付けたり車軸をつけたりするために、求められる精度が格段に違うのです。

ビッグスクーターのホイール
ビッグスクーターのホイール

まずはフロントホイールの仕組みからご説明しましょう。
フロントホイールの命ともいえるのが"ベアリング"。
このベアリング、玉と玉を受ける軸はミクロン単位の精度で作られています。ということはベアリングを取り付ける部分もミクロン単位で作られていないと、本来の働きを発揮できません。
もう1つ重要なのが、ブレーキディスクを取り付ける部分。ここが限りなくフラットでないと、取り付けた際にディスクがウネウネと波打ってしまい、ブレーキをかけたときに変な引っかかりを感じてしまいます。

ビッグスクーターの場合、後輪はチェーンではなく、エンジンから直接駆動します(『TMAX』は除く)。そこでリアホイールはベアリングではなく、スプラインという仕組みを採用しているんです。
スプラインを簡単に説明すると、エンジンとホイールをかみ合わせて、後輪を動かすための凸凹のこと。エンジンからの駆動力を直接伝える大切な部分ですから、隙間があったり、大きすぎたりすると壊れてしまう可能性があります。
このスプラインも、ベアリング同様に非常に高い精度で生成されているんです。

4輪のホイールとは、手間も求められる精度も全く違うんです。分かっていただけましたか?
ちなみに、オリジナルでビッグスクーター用のホイールを出しているのはウチだけ。
ヤマハ系のメーカーだからこそ、高い精度が要求されるバイク用のホイールを作り出せるんです。
2006年9月4日

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