世界を旅するバイクでメンテナンスの大切さを知る
- 2010年12月13日
今日は、世界17カ国を旅して日本にやってきたライダーとバイクを紹介します。
ライダーは、イタリア人のサルヴァトーレ・マルコ・ロマーニャさん。今年5月に母国イタリアを出発し、ユーラシア大陸を横断。これまでに16もの国を駆け抜けて、17番目の国として日本にやってきました。こののち、再びアジア諸国をまわってオーストラリアに向かう、壮大な旅の途中なのだそうです。
↑この人がマルコさん。出発から約6ヶ月、この「XT660Zテネレ」とともに旅を続けています。
そのマルコさんの相棒が「XT660Zテネレ」。ヤマハがヨーロッパで発売している、単気筒エンジンを搭載したデュアルパーパスツーリングモデルです。
↑タンクバッグにパニアケース、さらに大量の荷物をツーリング用ネットで車体に装着して旅をするマルコさん。パニアケースには、これまで訪れた17の国名が書かれていました。
マルコさんが磐田にやってきた理由は、相棒であるテネレの生まれた場所を見てみたかったと言うこと。そして日本からさらに旅を続けるため、メンテナンスをしたかったからだそうです。
私は世界を旅してきたバイクに興味があったので、マルコさんからメンテナンスの依頼を受けた「YSP磐田」にお邪魔しました。
↑短時間でメンテナンスを終わらせなければならず、2人掛かりで車体に向き合っていました。
「YSP磐田」の店長/平野さんにメンテナンスメニューを伺ったところ、前後タイヤ、前後スプロケット、チェーン、オイルの交換と各部のチェックとのこと。いわゆる定番のメンテナンスメニューです。平野さん曰く「世界を旅するマルコさんのバイクも、通勤や通学、ツーリングに使う私たちのバイクも、メンテナンスのポイントは同じ。基本が大切です」とのこと。では、その作業を見てみましょう。
↑まずはタイヤ。すでに中心部分の溝が無くなり使用限度を超えていました。このタイミングで交換できて良かった。
↑前後スプロケットとチェーン。チェーンはしっかりと給油されていました。チェーン&スプロケットともまだ使用できる状態でしたが、これから先の行程を考えると、いま交換しておくと安心です。チェーン&スプロケットはセットでの交換が基本です。
↑エンジンオイルも交換。マルコさんはまめに交換しているようで、オイルの極端な減りや汚れもありませんでした。
↑エアクリーナーエレメントも清掃します。「XT660Zテネレ」は乾式フィルターを装着していたので、エアで汚れを吹き飛ばしました。国内モデルのほとんどは湿式フィルターを採用しているので、定期的な交換が必要です。
↑各部のグリスアップや増し締めも行われました。グリスアップポイントによって使用するグリスの種類が変わります。また増し締めも、規定の締め付けトルクで行われました。
マルコさんの「XT660Zテネレ」は、走行距離約4万km。転倒によるキズや破損はありましたが、旅の途中でもメンテナンスをしていたようで、想像していたより良いコンディションでした。さらに「YSP磐田」でメンテナンスを行ったことで、旅における安心感はグッと高まったと思います。
マルコさんと「XT660Zテネレ」にとっては今からも続く有意義ながら過酷な旅、またどこかでメンテナンスが必要になることでしょう。しかし、そうすることで、バイクで世界中を旅することもできるということにも気づくことができました。それだけメンテナンスって大事なんですね。
さてメンテナンスを終えたマルコさんは、YSP磐田の平野さんと固い握手を交わし、次なる目的地へと旅立ちました。マルコさんが無事に旅を続けられるよう、影ながら応援したいと思います。それでは!
↑マルコさんとYSP磐田の店長/平野さん。
↑最後にお店の前で記念撮影です。
【関連リンク】
・マルコさんのHP「TUREADVENTURE」
・YRWブログ内「カスタム・メンテナンス」記事検索一覧
- 2010年12月13日