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クロスプレーン型クランクシャフト

2011年11月16日

スロットル操作に対し、よりリニアに駆動力を引き出すシステム

  背 景  

高回転型並列4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツにおいて、コーナーから脱出するときに求められるリニアなコントロール性に寄与し、優れたコントロール性能をもたらすメカニズムです。

  仕組み・特徴  

ピストンに働く慣性力は回転中のクランクの位置(角度)によって異なり、クランクピンが上半分を回るときは上向き、下半分を回るときは下向きに働きます。またクランク回転を増速させる領域と減速させる領域があります。クランク回転速度は、増速から減速に移る上死点と下死点で最も速く、一方減速から増速に移る90°と270°では遅くなります。この回転変動がクランク1回転で2回発生し、慣性トルク変動となります。180度クランク4気筒では、1・4番、2・3番の各コンロッドとクランクが同様に動くので回転変動の増/減速領域も倍になり、慣性トルクの変動は4気筒分で4倍となります。
そこで遅いクランク回転をする気筒と、速いクランク回転の気筒を互いに連結するのが「クロスプレーン型クランクシャフト」の仕組みです。
ヤマハは、1)クランクシャフトの高精度での設計・製造、2)1次偶力バランサーの最適設計、3)気筒別燃料噴射マップとギア別のYCC-T開度マップ、などの技術を集約することで、このシステムを市販車用に実用化しました。なおこのシステムにより、各気筒の爆発は通常の並列4気筒の180度等間隔爆発ではなく、「270度・180度・90度・180度の不等間隔爆発」となり、点火順序も4気筒二輪車で一般的な「1・2・4・3」ではなく「1・3・2・4」となります。
なお、MotoGPマシン「YZR-M1」も2004年型以降はこのクロスプレーン型クランクシャフトを搭載しています。

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2011年11月16日

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