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新カムチェーン方式

2011年11月16日

コンパクト燃焼室・マス集中化に貢献するカムチェーン駆動方式

  背 景  

〈怒濤の加速感〉を具現化するVMAXのエンジン、その特徴として挙げられるのがコンパクト燃焼室です。これに貢献しているフィーチャーが新カムチェーン駆動方式です。DOHCのカムチェーンは通常、吸気と排気側双方に架かって駆動されますが、VMAXでは吸気側だけに架ける方式を採用しました。

  仕組み・特徴  

クランクシャフト2回転で1回の爆発が完了する4ストロークでは、カムシャフト側のスプロケット歯数は、クランクシャフト側スプロケットの2倍が必要で、その大きさはクランク側スプロケットの大きさを左右します。これは燃焼室の形状やバルブ挟み角など、ヘッドまわりの設計に影響する要素となっています。多気筒DOHCスポーツモデルで実用化されているサイドカムチェーン方式は、クランクジャーナル径にかかわらずクランク側スプロケットを小径化でき、同時にカム側スプロケットも小径化できる特徴があります。シリンダーヘッドまわりのコンパクト化を促進、バルブ挟み角も狭くできてコンパクト燃焼室と十分なバルブ面積確保を達成します。
初代VMAXにも見られる〈V4センターカムチェーン方式〉は、クランクの信頼性を確保できる一方、クランク側スプロケット及びカム側スプロケット径は、一定のサイズが必要となっていました。
2009年型VMAXでは、初代の〈V4センターカムチェーン方式〉を継承しながら、かつヘッドまわりのコンパクト化、コンパクト燃焼室を達成するために、カムチェーンを吸気側カムシャフトだけに架ける新カムチェーン駆動方式を採用、排気側カムシャフトはギアを介して駆動されます。排気側ではなく吸気側にチェーンを架けるのは、吸気カムシャフトが前後ともエンジンの中心に近く、マス集中に貢献するからです。
なお同様のカムチェーン駆動方式はMotoGPマシン「YZR-M1」(2004年型)での実戦投入もありました。VMAXでは市販二輪車用として最適な設計を図っています。

2011年11月16日

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