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アルミ鍛造ピストン

2011年11月16日

性能向上・低振動に貢献する軽量アルミ鍛造ピストン

  背 景  

自動車・二輪車のエンジン用ピストンは、主にアルミ合金を高温で溶かし型に流し固める鋳造品が使われてきました。これは強度・熱膨張特性・熱伝導性・軽さなど、ピストンに要求される特性に優れるからです。量産性にも優れ、今日も多くの二輪車や多岐に渡るエンジンに使われています。
一方、合金を溶かさずに、ある程度の加熱と金型への加圧で作る方法を鍛造(たんぞう)と呼んでいます。この方法で作られるのがアルミ鍛造ピストン。溶かさずに加工するので凝固組織への影響が少なく、元来持っている強度が活かされます。よってピストンの肉厚を薄く、軽く設計でき、ピストンの往復慣性重量低減に貢献。軽量化にも繋がります。 
また形状の複雑なピストンを鍛造で製造する際、製造時の環境設定(温度制御や金型温度など)が複雑で、その事によりアルミ鍛造ピストンが高価となる要因となっていました。高強度のアルミ合金を鍛造するには、逆にその高強度が加工の妨げとなるのです。
また鍛造用アルミ材は、加工しやすい温度の範囲が狭く、鍛造時の温度保持が鍵となっていました。

  仕組み・特徴  

このテーマに対し1997年ヤマハが発表し実用化した「制御鍛造技術」は、アルミ素材の適切加熱、金型の温度最適化、金型圧力最適化などの相互最適化をはかり、アルミ鍛造ピストンの量産化を実現としたものです。
ヤマハの「制御鍛造技術」の制御内容は、1)アルミ合金素材への初期加熱、2)素材の温度を最適(約400~500℃)に維持する金型温度の制御、3)金型による最適圧での加圧など、様々な環境を総合的に制御しています。この技術を織り込み製造されるヤマハのアルミ鍛造ピストンは、ピストンの薄肉・軽量設計による往復重量低減、低振動などのメリットを生みだし、今日では多くのヤマハ二輪車製品に採用されています。

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2011年11月16日

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