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左右分割バランサー

2011年11月16日

パルス感と低振動を両立させる独創のバランサー

  背 景  

2軸バランサーやエンジン懸架の工夫などにより、体感振動低減の施策は多岐に渡り進化を遂げています。また近年は解析技術の進化もあり、体感振動の少ない快適なモーターサイクルが実用化されています。しかし一日数百キロを走破するアメリカ大陸でのクルージングでは、快適な走行性能と同時に鼓動感のあるエンジンキャラクターが望まれます。
'05年、ヤマハクルーザー「Star」シリーズのフラッグシップとして誕生した全面新設計Vツイン1854cm3エンジン搭載「XV1900A Roadliner」では、既成概念を超えた空冷ビッグVツインの"パルス"フィーリングを達成。
その鼓動感と快適な走行性の両立を実現した技術のひとつが「左右分割バランサー」というヤマハ独自の機構です。

  仕組み・特徴  

通常、バランサーはクランク軸とは別に軸を設けるため、クランクケースの大型化が必要となり、また一方でクランク軸とバランサー軸がオフセットされることから偶力が発生します。
この偶力を抑える手法としてバランサーの2軸化は以前から実用化されていますが、これもまたクランクケースの大型化の要因となっていました。
(ヤマハは'71年「TX750」で2軸バランサーを実用化)
「XV1900A Roadliner」及 び「XV1900CU RAIDER」のエンジンでは、偶力自体の発生を最小限とすることに着眼点をおき、必要なバランサーウェイトを左右ふたつに分割して小型化。左側ウエイトはクランクと同軸に、右側ウエイトはクランク軸に近接させ配置。これで1軸バランサーながら2軸バランサーに匹敵する振動低減を達成。クランクケースサイズもヤマハ1670cm3 Vツイン「XV1700 Road Star」と同一サイズでコンパクト設計を達成しています。

2011年11月16日

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