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YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)

2011年11月16日

吸入空気量制御で超高回転エンジンのトルク特性を改善

  背 景  

YCC-Tは、'06年型以降の「YZF-R6」、'07年型以降「YZF-R1」に採用しています。ビッグボア・超高回転型新エンジンの性能を効果的に引き出し、全回転域で滑らかなトルク特性を達成しています。
従来、二輪車用のFIでは、アクセル操作でスロットルバルブを作動させ、回転数やスロットル開度、吸入空気量を検知しつつ、これに見合う最適な燃料噴射量や燃圧、タイミングを演算して燃料噴射を行うシステムとなっていました。
ただ、積極的な吸入空気量制御は行われていませんでした。そうした中、吸入空気量がパワーを絞り出す源であることに着目し、吸入空気量の制御で性能向上に貢献したのが、'02年型「YZF-R1」などに採用のサクションピストン併用FI、'04年型「YZF-R1」で実用化したサブスロットルバルブ採用FIでした。しかし短い吸気管長が必要となる高回転型エンジンで、こうしたデバイスを成立させるにはスペース上困難でした。また、超高回転エンジンは、低中速でのトルク特性を滑らかにし難い傾向もありました。

  仕組み・特徴  

このテーマ解決のため、最先端の電子制御技術の投入で実用化したのがYCC-T。いわゆる電子制御スロットルは、自動車で実用化されていますが、ヤマハは二輪スポーツモデル用として、更なる高速化と小型化を達成。1000分の1秒単位で状況判断を行う高速演算機能を開発しました。
YCC-Tでは、ライダーのアクセル操作を検知しECUユニットが最適スロットルバルブ開度を瞬時に演算し、モーター駆動でスロットルバルブを作動させて、積極的に吸入空気量制御を行います。
ECUには '04年型比で5倍以上(当社調べ)の演算能力となるCPUを搭載、高速制御を実施してライダーの微妙な感覚に呼応するレスポンスを達成。とくに、スロットルバルブ開度を最適制御することで吸入空気量の最適化を図り、高回転型エンジンの既成概念を取り払う滑らかなトルク特性が身上です。

2011年11月16日

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