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Y.C.A.T.

2011年11月16日

高弾性耐熱樹脂ベルト等を採用したCVTのコンパクト化技術

  背 景  

小排気量のコミューター・スクーター用CVTは、エンジン側と後輪軸にシーブがあり、相互をつなぐVベルトが変速&動力伝達の役割を持ちます。
運転中は、シーブとベルトの摩擦で生じる熱を逃がすため、軸間、つまりVベルトが入るユニットスイングには一定の長さが必要ですが、これは設計上、部品の配置や重量・容量などの点で色々な制約となっていました。このCVT機構そのものをコンパクト化すれば、二輪車の可能性がさらに広がる点に着眼点をおき、耐熱性に優れるVベルトの採用および、関連パーツの最適化を通じ実用化したのがY.C.A.T.です。これにより、シーブ間のスペースは大幅に短縮、ユニットを大幅にコンパクト化し、前後17インチのモペット型のエンジンの中にCVTを織りこむことが可能となりました。ベトナムを皮切りに2010年モデルとしてアセアンで順次導入予定のモペット型モデルに搭載します。

  仕組み・特徴  

この技術は、1)高弾性耐熱樹脂ベルトとの最適化を図ったシーブ(滑車)設計、2)冷却系の最適設計などで可能となった。高弾性耐熱樹脂ベルト(社内テスト値/耐久性はゴムベルト比約2倍)は、166コマの樹脂ブロックと心線を主軸とするゴムベルトで構成され、樹脂ブロックはベルトがシーブと密着する力(側面からの力)を受け持ち、心線はベルトを回転させる力を受け持つ。アルミ製のエンジン側シーブはクロームメッキ処理で硬度を確保し、表面はミクロン単位で最適化、ステンレス製駆動側シーブもミクロン単位で表面粗度を設計、表面の適度な凹凸が優れた動力伝達性とベルト親和性を備えている。これでシーブ間の距離を通常のコミューター用CVTと比べ約40%に、ベルト全長は約60%に短縮でき設計自由度を拡大、モペット型二輪車で従来変速機がおかれていた位置にCVTが収まりモペット型車両の汎用性とオートマチックの扱い易さを両立できる。

2011年11月16日

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