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YCC-I(ヤマハ電子制御インテーク)

2011年11月16日

シンプルな構造でエンジン回転数に見合う出力特性を実現

  背 景  

エンジンの吸気(インテーク)行程では、ピストンの下降時に吸気通路内に負圧が生じます。これに伴い、エアクリーナーボックスの空気との間で圧力差が発生します。この圧力差は吸気バルブ方向へ戻る「慣性過給」となり、体積効率を高める役割を果たします。このとき、ファンネルを含む吸気管の長さは、この吸入空気の流れと密接に関連しており、一般的に常用される回転数で良好な体積効率を得られるように設定されています。
吸気管長が短ければ高回転型となり、逆に長ければ低回転型となります。常用される回転数に見合う吸気管長をその都度設定すれば効果的ですが、複雑な制御を要することから量産化はされていませんでした。

  仕組み・特徴  

YCC-Iは、エンジン回転数やスロットル開度に応じてファンネル長をロング/ショートに切替えるもので、「YZF-R1/R6」の場合、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)との相乗効果でパワフルな特性に貢献します。4連の軽量樹脂ファンネルは上下分割構造となっており、低中速域では連結状態で長いファンネルとして機能し、高速域では一定の回転数を超えるなどの時に分離され、下側(ショート側)だけが吸気管長として働きます。電子制御のサーボモーターで瞬時に切替えを行い、ロング、ショートそれぞれの吸気管長で生み出されるトルク・パワー曲線を相互に補完して、常用される回転数に見合う出力特性を簡潔な構造で実現しています。

2011年11月16日

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