二輪での優勝は持ち越しとなったが ダカールラリーってATV向きじゃない?
- 2017年1月18日
1月2日、パラグアイの首都アスンシオンをスタートし、ボリビア、アルゼンチンの各地を走破する「ダカールラリー」が、1月14日、ついにフィニッシュを迎えた。
↑フィニッシュしたYamalube Yamaha Official Team
高温多湿、酷暑乾燥、大雨酷寒、水没泥濘、気温差50度......。世界一過酷なレースという名のとおり、超ハードな環境を戦い抜いたライダーやチームクルーのみなさん、マシンたちは、ほんと、大したもんです。
国籍やメーカー、順位に関わらず、まずはそのご健闘に盛大な拍手を贈りたい!! なにしろ日本は近来稀な好天続きの年始一週間で、レースが最終盤に差し掛かる頃ようやく寒さが戻ってきた。総体的にはけっこうヌクヌクして過ごしていたもんだから、よけいアタマが下がります......。
さてレースのほうは、もっとも長いオルロ〜ラパス間(ボリビア)の第6ステージが悪天候によりキャンセルされ、11日目の第9ステージも前日の雨の影響で川が増水しキャンセルとなった。
初日の11位から総合3位まで順位を上げていたヤマハオフィシャルチームのアドリアン・ファン・ビファレンは、2位との差8分を追って第10ステージに挑んだが、ナビゲーションミスを犯して総合4位に後退。残り2ステージを3位、1位で走破したが詰め切れず、3位にわずか48秒差で総合4位のままフィニッシュした。
↑「WR450F Rally」で参戦し、ヤマハ勢トップの総合4位でレースを終えた#6 A・ファン・ビファレン
A・ファン・ビファレン談(二輪クラス総合4位)
「フィニッシュラインに到達できてとても嬉しい。言葉にならないくらいだ。序盤から上位チームと戦えるくらい我々は非常に競争力があったし、マシンもステージ優勝できるくらい信頼性が高かった。自分に関して言えば、始めから最後まで自分のレースができた。2度目のダカールであったが、目標としていた以上の経験をたくさん積み、前進できたので、今後が楽しみ」
チームメイトのエルダー・ロドリゲスは、2日目の総合31位から徐々に追い上げ、総合9位に滑り込んだ。アレッサンドロ・ボッチューリ、ロドニー・ファゴッターは第4ステージでリタイアした。
↑総合9位で終えた#5 H・ロドリゲス
H・ロドリゲス談
「タフなダカールだったけど、どうにかトップ10内でゴールできて嬉しい。この2週間高いモチベーションを保ちながら、チームと共に仕事ができた。序盤から表彰台圏内で戦っていたアドリアンは本当にすばらしい。僕自身は、レースペースをつかむのに最初苦労した。スペシャルステージでは、後方から走ると他のライダーたちが巻き上げる埃でリスキーだったが、ルートミスもなかったし、レース期間通じてマシン性能も良かった。チームが全力を尽くしてくれたことに心から感謝したい」
↑#43 R・ファゴッターはテクニカルトラブルで戦列から離れた
↑#18 A・ボッチューリも同じく第4ステージゴールの30km地点でクラッシュしリタイア
一方、大健闘を演じたのは、ヤマハサポートチームのエグザビア・ドゥ・ソルトレイ。初日10位でスタートし、2日目には総合4位にジャンプアップ。その後10日目まで6位をキープしていたが、13日目・第11ステージでメカニカルトラブルに見舞われ、大きくタイムロス。総合87位でレースを終えた。
↑総合87位となった#23 X・ドゥ・ソルトレイ
X・ドゥ・ソルトレイ談
「第11ステージは本当にハードだった。ビバークに戻ったのは朝方2:30くらいだったと思う。もう戦線離脱かと思ったし、続けたくもなかったが、チームの協力とメカニックのハードワークのおかげで最終ステージにどうにか間に合った。
全体的には良いレースができた。タンクとちょっとした基本仕様の変更以外、ほぼノーマルのWR450Fで今回のラリーをフィニッシュできたことを誇りに思うし、もう、次回のダカールが楽しみでならない」
またプライベート参戦のフランコ・ピコさんは、2日目、129位まで順位を下げたが、粘り強く走り抜いて総合85位。風間晋之介さんも、悪路に苦しみながら、キック始動のYZ450Fベース車でみごと総合67位完走を果たした。
↑クワッドクラスの総合13位は「YFM 700R」に乗る女性ライダーのカメリア・リパロッティさん。ダカールに何度も参戦している強者です
また、南米開催となった2010年に新設されたクワッド(ATV)クラスではヤマハ車が7年連続優勝を飾っているが、今年も「Raptor700」に乗るセルゲイ・カリャーキン選手が優勝。以下、6位までをヤマハユーザーが独占した。
テレビのダイジェスト映像を見ていると、あの過酷な環境って実は、二輪と四輪のいいとこ取りしたATV向きじゃないかと思うなあ......。
そして最後にまったく手前勝手な言い草で恐縮だが、四輪部門でも、ヤマハのダカールラリー史に残る名ライダー、ステファン・ペテランセル選手(プジョー)が優勝。ヤマハでの6勝と合わせ、個人13勝目を挙げた。なんたる鉄人であろうか!
↑チームとの合流はもちろん、沿道(という表現でいいのか?)で応援してくれる人の姿にホッとするんだろうな。でもどこから駆けつけてくれるんだろ......
↑例年うかうかしているうちに春先となり、国内レースシーズン開幕を迎えることになるのだが、すでにアメリカではAMAスーパークロスが開幕してます。こちらもチェック!
【関連リンク】
・ ダカールラリー2017開催前情報(ピコさんも出る"ダカール"ってドコだ?ナンだ?)
・ オフロードマニア
・コミュニケーションプラザでの企画展「パリ・ダカールへの挑戦」
- 2017年1月18日