本文へ進みます

鈴木健二選手が教える!『YZ』マシン性能引き出し術&乗車セッティング!

2018年7月17日

こんにちは、ヤマハ発動機販売の加藤です。

今回は全日本エンデューロ選手権やJNCCなどのクロスカントリー・エンデューロのレースで活躍中の鈴木健二選手が、レース参戦している全てのYZオーナーの皆さまに、セットアップをレクチャーしてくれる特別企画です。
YZオーナーの方、必見です!

「鈴木健二選手が教える・YZマシン性能引き出し術/乗車セッティングを決める!」
こんにちは、鈴木健二です。

早速ですが、せっかくポテンシャルの高いYZマシンを手にしても、本来の性能を引き出せていないオーナーの方が多いのではないでしょうか。
初心者の方やセッティングに悩んでいるベテランの方も、まずは乗車する前のセッティングとしてサスペンションの調整をきちんと行う事が重要となります。


例えばYZ250FXの場合、フロントフォークの突き出し量は10mm、リアのサグ出しは110mmでセットすると、接地感が増して車高が低く感じられて安心感が増します。モトクロスの場合は速度域が高いため、突き出しは5mmほど、サグは90~100mmを推奨します。

それではまず『サグ出し』から始めましょう。
それではまず『サグ出し』から始めましょう。
『サグ出し』とは、自分の体重に合わせサスペンションの「たわみ」の量を、適正になるように調整することです。このサスペンションの沈みこみを「サグ」や「リバウンドストローク」と言います。

なるべく平らな所で、マシンをスタンドに載せた状態で「伸びきり(空車0G)」を計測すると679mmでした。
なるべく平らな所で、マシンをスタンドに載せた状態で「伸びきり(空車0G)」を計測すると679mmでした。メジャーはリアのアクスルから、リアフェンダーの下端などを決めておきます。

次にスタンドからマシンを下ろして、ライダーが乗った状態で計測します。
次にスタンドからマシンを下ろして、ライダーが乗った状態で計測します。これを「乗車1G」と呼びます。実際の乗車時の重量に合わせるため、ヘルメットやブーツ、プロテクターなどライディングギアを身につけておきましょう。また、両足を浮かせるためにスタンドを足元に設置しておくと便利です。計測値は572mmでした。
私の場合、YZ250FXのリアサスペンションの沈み込み量は「679mm-572mm」で107mmです。
(お薦めはモトクロスで90~100mm、クロスカントリー・エンデューロでは100~120mm)

数値を調整したい場合は、プリロード(スプリングの初期の縮み量)を調整して、適切な沈み込み量となる用にセットします。
数値を調整したい場合は、プリロード(スプリングの初期の縮み量)を調整して、適切な沈み込み量となる用にセットします。YZはダブルナット式で、上側のロックナットを緩めて、下側のアジャストナットを回転して調整します。YZ250FXは調整範囲が広い設定ですが、それでも対応できない場合はスプリングレートを替えてみましょう。

次に減衰調整(圧側:サスペンションが沈む・伸側:伸びるのを抑える力)をして、乗車時の安心感を高めましょう。
次に減衰調整(圧側:サスペンションが沈む・伸側:伸びるのを抑える力)をして、乗車時の安心感を高めましょう。
YZ250FXの場合、フロントサスペンションのトップキャップに圧側減衰アジャスターが装備されています。これで「サスペンションが入る(沈む)スピード」を調整します。

伸側のアジャスターはボトムキャップにあります。こちらは「サスペンションが戻る(伸びる)スピード」を調整します。圧側、伸側共に、マイナスドライバーで右回りに止まるまで回し(全閉位置)、そこから左回りに戻すクリック数(ノッチ数とも言います)でセットします。
伸側のアジャスターはボトムキャップにあります。こちらは「サスペンションが戻る(伸びる)スピード」を調整します。圧側、伸側共に、マイナスドライバーで右回りに止まるまで回し(全閉位置)、そこから左回りに戻すクリック数(ノッチ数とも言います)でセットします。

圧側の低速は「ゆっくり小さくサスペンションが入るスピード」を調整します
圧側の低速は「ゆっくり小さくサスペンションが入るスピード」を調整します

圧側の高速は「一気に大きくサスペンションが入るスピード」を調整します。
圧側の高速は「一気に大きくサスペンションが入るスピード」を調整します。

伸側はフロント同様に、「サスペンションが戻るスピード」を調整します。
伸側はフロント同様に、「サスペンションが戻るスピード」を調整します。


【YZ250FXアジャスターの標準設定】
【フロント】
圧側:全閉から14クリック戻し
伸側:全閉から10クリック戻し

【リア】
圧側低速:全閉から14クリック戻し
圧側高速:全閉から1+3/4回転戻し
伸側:全閉から13クリック戻し


私は柔らか目が好きなので、フロントの圧側を標準よりも4クリック緩め、伸びも2クリック緩めています。リアは圧側低速を2、高速を1~2緩めています。

この減衰調整機構は、サスペンションの沈み始めからセンターくらいの範囲に適応されるため、初期の動きで判断します。

コツはまず圧側だけ5クリック緩めるなどして、そこから徐々に調整します。その後、伸側を調整します。両方同時に行うとわからなくなるので注意しましょう。サスの動きが速すぎると感じたら、伸側を締めてみましょう。

また乗りやすいバイクの作り方のコツは、苦手なポイントを1箇所決めて、そこだけで合わせていくとわかりやすいです。
複数のセクションで判断していこうとすると、まとまらなくなります。
例えばJNCCの爺ヶ岳では、転倒の最も多いガレ場で合わせて、転倒のリスクをまず減らす。ジャンプでの底付きが気になるなら、飛ばないことです。まずは怖さや走りにくさをなくすことが大切なポイントです。

逆にモトクロスの場合は、底付きさせないことも大事ですが、コーナーの進入や立ち上がりの姿勢変化の少なさ、荒れた路面での追従性、速く前に進むことを判断基準にするのが良いです。


鈴木健二選手からのアドバイスいかがでしたでしょうか。
YZオーナーの皆さん、健二選手からのアドバイスを基にご自身のマシンの調整をしてみてください。

なお今回の企画、好評でしたら、引続き健二選手にアドバイスを頂きたいと思います。
それでは、YZモデルのオーナーの皆様、今シーズンもレースを楽しんでください!


※今回の本記事内容はダートスポーツ7月号でもお読みいただけます。

2018年7月17日
ページ
先頭へ