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ツーリングの下見がもっと楽しくなる! "バイクのある風景"MPG代表小﨑さんとノブさんによるおすすめツーリングスポット&撮影ワンポイントアドバイス

2021年9月13日

みなさん、こんにちは。ヤマハ発動機販売 小池です。
「こんな場所にバイクで行きたいな」「こんな道を走ったら気持ち良さそう」などとツーリングマップル片手に連日妄想に明け暮れています。

バイクのある風景

そんな折に「YZF-R3 R25オーナーズフォトツアー」などでスペシャル撮影"ノブ撮り"に協力くださったノブさんこと、田中 伸明さんから、MPG写真展2021「バイクのある風景」のお知らせをいただきました。

Motorcycle Photo Graphers

MPG(Motorcycle Photo Graphers)は、動画配信サービスより派生した写真好きライダーの集まりです。今回の写真展には、総勢17名の有志のみなさんが、旅先で出会った美しい風景を相棒であるバイクと共に収めた全34作品を展示していました。

MPG代表の小﨑さんとノブさんに会場を案内いただきました。

小﨑 直史

↑MPG代表・小﨑 直史 (こざき なおふみ)さん
◆バイク歴:23年 ◆所有バイク:セロー250(←3台目のセロー250だそうです)
◆写真歴:16年 ◆メインカメラ:Canon EOS 6D Mark II、レンズは標準ズーム24-105mmと望遠ズーム100-400mm

小﨑さん談:
「中学生の頃から写真を撮っていましたが、本格的に始めたのは、デジタル一眼が出てきた2005年前後からですね。"バイクあるある"ですが、ツーリング先でバイクを構図に入れて撮り始めたことから収拾がつかなくなって(笑)。

本腰を入れ始めたのは北海道ツーリングがきっかけです。風景が本当にきれいで。こんな景色の中にバイクを入れて撮ったら"バイクのある風景"という、ひとジャンルができるんじゃないかなと気づいたんです」

小﨑さんのツイッターより

↑小﨑さんのツイッターより

小﨑さん談:
「以前はYZF-R6にも乗っていましたが、セロー250が発売された時に即購入。それ以来、ずーっとセロー一択です。不整地にもいっぱい行きますし、なるべくいろんな場所で撮影したいですからね。バイクに乗る楽しさもありますが、写真を撮りたい欲の方が強いので、圧倒的にラクなセローを愛用しています」


田中 伸明

↑「ノブ撮り」でお馴染み、ノブさんこと田中 伸明(たなか のぶあき)さん
◆バイク歴:28年 ◆所有バイク:VFR750R(1987年)、VFR400R(1989年)、NSR250R(1987年と1988年の2台)、FTR
◆写真歴:7年 ◆メインカメラ:SONY α7S IIIとα7R IV、レンズは標準ズーム24-105mmと望遠ズーム100-400mm

ノブさん談:
「僕は小﨑さんに憧れてカメラを始めました。サイトで小﨑さんの"バイクのある風景"の動画集を目にし、バイクってこういう楽しみ方もあるんだ、と気付かされたんです。
それまでバーンと走って、あそこの道が良かった、あそこのギャップがどうだったという程度しか、バイクに乗っていて風景についての情報は入ってきていませんでした(笑)。

そんな僕にとって、小﨑さんの動画は、ホンマになんやろ、すっごい彩りがあって、すっごい広がりがあって。それまで僕が楽しんできたバイクの世界とは全く違う楽しみ方をバーンとぶつけられたくらいのカルチャーショックがあったんです。
それでこれは素晴らしい、僕もやってみたい、と単純に思ったんですね」

バイクのある風景

小﨑さん談:
「MPGの写真展は3回目です。今回、思い切って富士フイルムフォトサロンの東京と大阪にて開催することにしました。借りるにあたっては事前審査があるなど、ハードルが結構高いのですが、いずれも一般の方の往来がとても多い場所。日頃バイクと接点の少ない方に少しでも多く触れていただける機会になればと、バイク普及の意味合いもあってこの2会場を選んだのです」

霧のカヤノ平
↑小﨑さんの作品:霧のカヤノ平(朝霧が有名なカヤノ平で、光芒が差し込む瞬間を狙ったものの叶わず。逆に全体が乳白色の霧に包まれ幻想的な世界に。またバイクが入ることで、巨木の大きさを引き立てている)

小﨑さん談:
「今回、作品にあわせて色味や紙質を変えるなど、富士フィルムさんの協力を得てプリントしたのですが、最高の仕上がりです。
スマホやタブレットなどのディスプレイで見ると機種によって色の設定が違うので、僕ら作者が意図した情報が正確には伝わっていないんです。でもプリントすることで、作者が意図した色が出力されます。

写真展というリアルな場で展示するのは、これが作り手が表現したかった世界なんですよというのを見て欲しいとの想いがありますね。画面上とプリントとでは、作品のニュアンス、雰囲気が違ってきますから」

空をわたる
↑ノブさんの作品:空をわたる(田植えが終わって水が張られた水田に夏らしい雲が反射し、これからどんどん暑さが増していく、そんな初夏から真夏へ季節の移ろいをとらえた)

ノブさん談:
「"バイクのある風景"って、バイクに乗っている人には共感していただけると思うんです。
空気感であったり、暑さ・寒さであったり、匂いだったりと言うのは、写真からも伝わる部分があるんかなと思います。海の風景やったら、そこを駆け抜けている時の潮風の匂いだったり、ちょっと湿った空気感だったり。そういったところは(写真を通じて)伝わっていると思います。

バイクに乗っていない人には感覚的には伝わりにくいかもしれませんが、気持ち良さそうやなぁと言う、概念的なところは多分想像してもらえると思いますね」

MPG現場1

ノブさん談:
「バイクって、本当に良いですよね。スピード感、爽快感、操縦性、一体感と、全ての快感が車よりも上回っている。僕にとっては、ですけれど。バイクに代わるものがないんです。
でもこの魅力って、実際に乗ってもらわないと伝えられない。一度、言語化を試みたことがあるのですが、できひんかったんですよ。"乗ってみて"としか言えないですね。

なので、こうした景色の中にバイクがいることで完成する"バイクのある風景"が、バイクへの印象を少しでも変え、バイクに乗ってみたい!と興味を持ってもらうきっかけになったらなぁと思っています」

MPG現場2

ノブさん談:
「実際、来場くださった方からは、『今は出掛けにくいけど、写真展を観て出掛けた気になれたし、もっと出掛けたくなった』『あの頃走ったあの道を思い出して、またバイクに乗りたくなった』『まだ免許もバイクもないけど、絶対バイク乗って写真撮りに行く』などと、嬉しいお言葉を毎日いただいております」

MPG現場3

会場は、季節や時間を考慮したレイアウトで、「世界にはこんなに美しい景色があるのかぁ〜」「バイクだったらこんな風景に出会えるんだなぁ〜」などと、すっかり時間を忘れて思いっきり見入ってしまいました。

撮影方法を伺ったところ、"基本自撮り"。俯瞰のものは高台にカメラを設置し、タイムラプスで撮影するとのこと。10分~20分、誰も居ないところにカメラを置くので、ヒヤヒヤしながら撮影に挑んでいるそうです。こんな美しい作品が撮れるのも努力の結晶なんですね。


「バイクのある風景」おすすめスポット
自由にツーリングに出かけられる日に備えて、ツーリング先を物色している人も少なくないと思います。そこで、日本全国津々浦々いろ〜んな場所に出かけられている小﨑さんとノブさんに、おすすめのツーリングスポットを伺いました。

小﨑さん
小﨑さんおすすめ:北海道・美瑛&上富良野
小﨑さんの北海道・美瑛(白金地区)の作品
↑小﨑さんの北海道・美瑛(白金地区)の作品


小﨑さん談:
「撮り続けているスポットは、北海道の美瑛と上富良野ですね。美瑛は有名だし、みなさんもツーリングでよく行かれると思うんですけど、隣の上富良野もすごく良くて。この2カ所は必ずセットでオススメしているツーリングスポットです。

上富良野は直線が多く、起伏がある山を直線でぶちぬいたジェットコースターの道が有名です。他にもパノラマロードや日の出公園など、色々な撮影スポットがあるんですけれど、実は脇道にとてもいいところが潜んでいて、とっておきの景色を自分で見つけに行く、みたいな、そういう楽しみ方もできる場所なのです」

ノブさん
ノブさんおすすめ:京都・町屋
小﨑さんの北海道・美瑛(白金地区)の作品
↑ノブさんの京都の作品


ノブさん談:
「オススメは僕のホームタウン、京都ですね。京都はバイクで走りづらいと思われがちですが、京都市内から山の奥に入っていただいたら、走って楽しめるワインディング・コースがありますし、"バイクのある風景"を撮るんでしたら、昔ながらの和の風景もおすすめ。

京都市街の町屋であるとか、神社仏閣だとか、歴史的な建物がなんぼでもありますんで、そういう所とバイクを絡めて撮るというのがひとつ。アンマッチを楽しめると思いますね。

僕、レーサーレプリカが好きで乗っているんですけど、昔ながらの町屋の前にレプリカを置いて撮るのが好きやったんですよ。違和感がすごいんですけど。その違和感が逆に人の心情に引っかかって、見ていただけるきっかけになるかなと思っていて。そう言うところをテーマに撮影していた時期が長くありましたね」


「バイクのある風景」撮り方ワンポイントアドバイス
さらに、カメラ素人でも、スマートフォンでも、工夫次第で上手に撮れるポイントを伺いました。

小﨑さん
小﨑さんのワンポイントアドバイス1:引いて撮ろう!主役は風景、バイクは副題
小﨑さんの作品:虚空
↑小﨑さんの作品:虚空(水面に反射した世界を切り取って非現実感を表現。小石を投げ入れて水紋を作り、水面と分かるようにするとともに、作品のアクセントとした)


小﨑さん談:
「"バイクのある風景"というジャンルなので、携帯とかデジタル一眼とか、撮影機材にかかわらず、"引き"で撮って欲しいですね。

写真を撮る際に主題と副題とがあるのですが、バイク好きな人だとバイクをバン!とメインに撮りがちですよね。でも、"バイクのある風景"では、あくまでも主題は自然。バイクは自然を拭き立てるための副題、脇役なんです。これがミソといいますか、脇役がいることによって、主題・テーマを引き立てる、そんなイメージです。
気持ち引き気味に撮影するだけでも、今までの写真と違ってくると思いますよ」

小﨑さん
小﨑さんのワンポイントアドバイス2:加工アプリで楽しもう!
加工アプリで楽しもう!


小﨑さん談:
「最近は、Adobe Lightroomなどの携帯アプリで、編集する楽しみもありますね。明るさ、彩度など、気軽に編集アプリでいじれるので、失敗写真を復活できたり、携帯でぽちぽちといじって簡単に楽しめる。そういうのも面白いかなと思っています」

ノブさん
ノブさんのワンポイントアドバイス1:構図を学ぼう!
構図を学ぼう!


ノブさん談:
「構図のセオリーを一度意識していただいたら、写真も少し変わってくるのかなと思います。
バイクだったら、ドーンと真ん中に置くだけでなく、少しずらして三分割構図にしてみるとか、日の丸構図だとしても、集中線を意識してみるとか。いろんな構図がネットに出ていると思います。ぜひググってみてくださいね」

ノブさん
ノブさんのワンポイントアドバイス2:光源を意識しよう!
光源を意識しよう!


ノブさん談:
「あとは光の加減ですよね。光源がどちらにあるかをちょっと意識するだけで、バイクが逆光で真っ暗に潰れちゃうというのがなくなります。バイクがシルエットになるのか、光が当たるのか。これは本当些細な知識の差だけなんですけれど、光に合わせてバイクの角度を少し変えるだけで仕上がりが変わってくると思います。
時間帯によってドラマチックな光が期待できるのも風景写真の楽しみ方ですね」

ノブさんの作品:季節の境界

↑ノブさんの作品:季節の境界(たまたま冬と晩秋が混在しているこの景色に遭遇し、今しか撮れないと慌ててカメラを取り出したところ、偶然ライダーが駆け抜けて行った。橋とライダージャケットの色がそろっているのも全て偶然。千載一遇の瞬間)

小﨑さん
ノブさん
小﨑さん&ノブさんの事前準備:Googleマップを活用しよう
Googleマップを活用しよう

ノブさん談:
「僕の場合、どんな構図で撮りたいかと言うのがまずありきで、そこからそのイメージにあった風景を探すという手順です。
その時に役立つのが、Googleマップ。俯瞰で地形を見ておいて、周りに遮蔽物がなさそうとか、行けそうだと思ったら、ストリートビューで下見し、現地にロケハン(ロケーション・ハンティング:現場の確認)に行って、その後、バイクを持って撮影に行く感じです」

小﨑さんの作品:Galaxy bell

↑小﨑さんの作品:Galaxy bell(撮影にかけられる日数はわずか3日間のみ。限られた状況の中、奇跡のような瞬間を切り取った作品。鐘とセローのシルエットが物語を膨らませる)

小﨑さん談
「ストリートビューでチェックすると、電線とか、ガードレールとか、ガードロープとかの有無が分かるので便利ですね。

ここまでガチガチに下調べして、作品を作る楽しみ方もありですが、一般のライダーの皆さんには、もっと気楽にバイクとカメラを楽しんで欲しいと思います。普通にツーリングに出かけて、ちょっと脇道を見たりして、『ここ、行けそうだな』『写真、撮れそうだな』と思ったら撮るくらいの気楽さで。

気軽に脇道に入って行こうと言えるのも、まぁ、僕がセロー乗りだからだったりもしますけれど(笑)」

小﨑さん、ノブさん、色々と具体的なヒントやアドバイス、ありがとうございました!!
"バイクのある風景"という切り口で改めて地図を眺めると、ツーリング先探しが一層楽しくなりそうです。

ツーリング先探しが一層楽しくなりそうです

2021年9月13日

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