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「乗らずに学べるバイクレッスン」エンジンオイル交換にチャレンジ!

2021年9月8日

こんにちは!現在はYRA(ヤマハ ライディングアカデミー)インストラクター業務を担当してますが、以前は車・バイクの整備士だった城です。
9月に入り過ごしやすい日が増えるのかと思いきや、残暑はこれからが本番!しばらくは真夏のような天候が続きそうです。涼しい避暑地にツーリング♪と行きたい所ですが、なかなか厳しい情勢です。外出もままならないこの機会に、日頃ガンバってくれている愛車のメンテナンスに挑戦してはいかがでしょう?

今年の始め、YRA(ヤマハ ライディングアカデミー)の受講者を対象にグループインタビューを実施しました。そこで「自分で愛車のメンテナンスをする機会が増えた」とか、「ツーリングや旅行に行けないので、今後メンテナンスに挑戦したい!」という声があり、「乗らずに学べるバイクレッスン」では自宅で出来るメンテナンスシリーズを紹介してきました。おかげさまで多くの方に閲覧していただき大変好評です!
以前紹介したエンジンオイル交換の必要性についての続編になります!
そういえば最近愛車のエンジンオイル(以下オイル)交換をしていないな・・・という方は是非こちらのブログを読んでオイル交換にチャレンジしましょう!

まずはオイル交換に必要な準備物から見て行きましょう。
◆工具類
・メガネレンチ(ドレンボルトに合うサイズ)
・オイルフィルターレンチ(不要な車種もあります)
・トルクレンチ
・軽量カップ(メスシリンダーなど)
◆部品、オイル
・エンジンオイル(車種に応じた種類と量)
・オイルフィルター(車種に適合した部品・部品番号検索
・ドレンボルトのガスケット(パッキン類)
◆他
・オイル処理ボックス(吸油材)
・ゴム手袋
・じょうご(専用のオイルジョッキでも可)
・ウエス(拭き取りをする布)
パーツクリーナー(オイルや周辺の汚れを清掃するときにつかいます)

準備品


これらが準備出来たら、いよいよ交換作業に入ります。
今回はMT-25を使用します。

MT25


いきなりオイルを抜く前に、まずは愛車のオイル量と状態を確認してみましょう。
ヤマハバイクには"点検窓タイプ"と"フィラーキャップゲージタイプ"の2つのパターンがあります。
点検窓タイプは車両を垂直にした状態で、オイル量と劣化具合を目視で確認します。
汚れ具合は交換直後の綺麗な状態のオイルを、画像で保存しておけばわかりやすいです。
オイル量は点検窓のLOW~HIの間に油面が入っていれば適量というわけです。

オイル点検窓


フィラーキャップゲージタイプは、これも車体を垂直にした状態でゲージに付着したオイルを一度拭き取り、再度差し込み(ねじ込みません)後にゲージに付着したオイルの量とウエスに付着したオイルで劣化具合を確認します。こちらも新品のオイルをウエスで拭きとると、どのような感じになるのか確認しておくとよいでしょう。

レベルゲージ


どちらのタイプも一度エンジン始動して3~5分温めた後、さらに2~3分放置しないと正確なオイル量が確認できません。ここでオイルが規定量より大幅に少ない、又は多い場合はエンジンにトラブルが発生している可能性が有ります。確認方法については取り扱い説明書を参照してください。

オイルの状態を確認したらいよいよ交換作業に入ります。
自宅でオイル交換を実施する際は、バイクが安定して立てられる場所を確保しましょう。傾斜しているとオイル量が不正確になったり、倒してしまう恐れがあるのでおすすめできません。
屋外で作業する場合は土の上や埃の多い場所は避けた方が良いです。理由はエンジンの中は非常にデリケートなので、埃や砂がオイルに混入するとトラブルの原因となるからです。

場所


今回はオイルフィルターも一緒に交換します。オイルフィルターはオイルに混入している細かいゴミや金属片をろ過するパーツで、オイル交換2回に対して1回交換する事を推奨しています。

①エンジンの暖機
先ほど紹介したオイル確認時に暖機した場合は不要になりますが、交換の前に風通しの良い場所で、エンジンを始動してアイドリング状態で3~5分程度、軽く暖めましょう。
理由はオイルの温度が低いと粘度が高く、抜くのに時間がかかります。また、エンジン内部は複雑な迷路のようになっているので、ある程度温度を上げた方が細かい通路に入ったオイルが排出しやすくなります。あまりオイル温度を上げすぎてしまうと、やけどする危険性がありますので、やりすぎに注意しましょう。

②オイル処理ボックスまたはオイル受けの準備
次にドレンボルトの位置を確認して、オイル処理ボックスを適切な位置に配置します。この時ドレンボルトの向きに注意してください。横向きの場合、ドレンボルトを外した瞬間に勢いよくオイルが飛び出し、ボックスからこぼれてしまう可能性があります。オイルが出てくる向きを考慮してボックスを配置します。

処理ボックス位置

※撮影のためアンダーカウルを外していますが、外さなくても作業可能です

③フィラーキャップを外す
フィラーキャップとは、オイルを充填する入口のキャップです。これを外す事でオイルが抜けやすくなります。この時キャップの周辺が汚れていたら清掃してから外します。特に雨天走行後は泥汚れなどが付着している場合がありますので綺麗にしましょう。

フィラーキャップ外し

※キャップに付いているOリングを無くさないように注意!

④ドレンボルトを外す
ドレンボルトを外していよいよオイルを抜きます。この時作業用のゴム手袋をしておくと手にオイルがかかっても安心です。オイルは付着すると洗ってもなかなか落ちないので、汚れても良い服装で作業しましょう。ドレンボルトを緩めるコツはしっかりと奥まで工具をセットして、片側の手でドレンボルトから工具が外れないように、抑えながら一気に力を込めて緩めます。緩める方向はボルトの頭を上から見て反時計回りです。私は「の」字の反対と覚えていました。

ドレンボルト緩め

工具で緩めたら手で(指で)ドレンボルトを回して外します。SR400はエンジン下部とフレーム側の2箇所に有りますので両方外しますが、車種によりドレンボルトの位置や数が異なりますので、必ず取扱説明書やマニュアルを確認してください。
ボルトが外れる寸前に素早く手を引っ込めると周辺を汚さずに外す事ができます。まれにボックスの中にボルトが落ちてしまう事がありますが、熱いオイルでやけどする恐れがありますので、そのままオイルが抜けるのを待ち、冷めてから回収しましょう。

オイル抜き


⑤車両を真っすぐな状態にする
サイドスタンドで作業をしている場合、車両は左側に傾いています。先ほどお話しましたがエンジンの中は迷路のような形状をしているので、車両を真っすぐな状態にしたり、逆に右側に少し傾ける事でオイルが抜けやすくなります。ドレン(排油口)から出てくるオイルを確認しながらバイクの傾きを調整してみましょう。(バイクが倒れないよう注意!)

⑥オイルフィルターを外す
次に専用の工具を使ってオイルフィルターを外します。オイルフィルターはОリングと呼ばれるゴムの部品を介して装着されているので、緩める時はじんわりと力を入れてください。
こちらも工具である程度緩めた後は手で回して外しましょう。オイルフィルターは緩めた直後にオイルが垂れてきますので、受け皿の準備もお忘れなく!

フィルター外し

ドレン(排油口)とオイルフィルター取付け口からオイルが出なくなるまで待ちましょう。

⑦オイルフィルターを装着する
新しいオイルフィルターを車両に装着します。エンジン側の取付け面に付着したオイルや汚れをパーツクリーナーを染み込ませたウエスで綺麗に拭きます。ここに異物が付着しているとオイル漏れの原因となりますので忘れずに。

取付け部清掃

綺麗になりました☆彡
外す手順と逆で、まず手で締められるところまで時計回りに回します。手で回らなくなったらトルクレンチを使用して規定トルクで締めます。※今回のMT-25の場合は17N・m

トルクレンチフィルター


⑧ドレンボルトを締め付ける
ドレンボルトとボルト接合部もパーツクリーナーで綺麗にしてから装着します。
ドレンボルトには必ず新しいガスケットを装着してください。古いガスケットが見当たらない場合、エンジン側に張り付いている場合があるので確認しましょう。また、ガスケットには表裏がある場合があります。その場合は平らな面をエンジン側に向けて組付けましょう。

ドレンガスケット

フィルターと同様に時計回りに手で回らなくなるまで締めこみ、こちらも最後はトルクレンチを使用して締めます。※今回のMT-25の場合20N・m

トルクレンチドレン


ここで、ありがちな失敗例として、ドレンボルトの締め過ぎによるねじ山の破損があります。トルクレンチを使えばまず失敗する事はありませんが、自分の感覚で締め付けた場合、緩んだら大変!という心配から規定以上の締め付けトルクになりがちです。
ドレンボルトはオイルを排出するためエンジンの下側にあります。そのため、どうしても前かがみで、のぞき込むような体勢で締め付けることにより、普段の感覚よりも強く締め付けてしまう事があります。
また、ドレンボルトは大きいサイズのボルトですが、ボルトサイズの標準的な締め付けトルクより低く設定されている事が多いです。理由はエンジン側のねじ山の材質がアルミだからです。(鉄製も有ります)
鉄製のボルトをアルミ製のねじ山にオーバートルクで締めこんだ場合、柔らかい材質のエンジン側のねじ山が破損してしまいます。破損してしまうとオイル交換を完了できず、修理に手間も時間も、状況によってはお金もかかってしまうので、ここは手堅くトルクレンチを使用して規定トルクで締めてください!

⑨清掃
オイルフィルターとドレンボルトを装着したら、パーツクリーナーで周辺に付着したオイルや汚れを清掃しましょう。クリーナーを吹き付け後にウエスで拭き取ればOKです。

清掃

清掃しないとどうなるか?機能的には問題ありませんが、付着したオイルに埃や泥汚れが重なると愛車が汚れてしまいます。さらにオイルが飛散しマフラーなどに付着すると臭い煙が発生したり、油分が焼き付いて汚れが落ちなくなる事もあります。

⑩オイルの充填
注入するオイル量は取扱説明書であらかじめ確認してください。オイルフィルター交換の有無で量が変わりますので、メスシリンダーなどで測りながら正確な量を充填します。

メスシリンダー

今回はオイルフィルターを交換したので、2.1ℓです。
1リットル缶×2+0.1ℓ(100㏄)ですね。
余ったオイルはしっかりと蓋をしめて、直射日光が当たらない温度変化の少ない場所に保管しましょう。次回のオイル交換時に使用できます。
車両にオイルを充填する際は、専用のジョッキ、又はじょうごを使ってこぼさないよう注意しましょう。

オイル充填12

じょうごはこんな物でも代用できます!ペットボトルの飲み口がオイル購入時に付属するノズルにピッタリ♪いい感じのじょうごに変身します。

しょうご


⑩オイル量の確認
規定量のオイルを入れたらフィラーキャップにOリングが装着されている事を確認し、キャップ取付け面の汚れを清掃してから手でしっかりと締めます。
エンジンを始動してアイドリング状態で3~5分程度暖めます。この時、ドレンボルトやオイルフィルターのエンジンとの合わせ面からオイル漏れが無いかも確認してください。
エンジンを止めて2~3分置いて、オイル量が基準値内に入っているかを確認します。もし基準値を下回っている場合は、オイルを補充してください。
交換前よりも綺麗に透き通ったオイルに変わりましたね♪

オイル交換前後


車種によってはオイルトリップ(オイル交換時期をお知らせする機能)をリセットする必要があります。リセット方法も取り扱い説明書で確認して操作してください。
オイル交換と同時にリセットしておけば、次回のオイル交換時期がわかり便利ですね♪

オイル交換リセット

どうです?今までメンテナンスに興味が無かった方でも、何となくできそうな気がしてきませんか?(そうはいっても、初めは工具を揃えるのにお金がかかりますし、場所が確保できないと難しいかもしれません。無理して作業するとトラブルになる可能性もありますの、不安な時は迷わずバイクショップに依頼しましょう)
このブログを見て自分でオイル交換してみようかな~と思ったあなたに朗報です。
ワイズギアより、オイル交換に必要なオイル、部品、処理剤などがセットになった「オイルチェンジキット」が発売となりました!

オイルチェンジキット


工具以外の必要な物はほとんど入っていて、値段もお手頃♪ヤマハスポーツバイクのラインナップに合わせて3種類のパッケージをご用意しました!※適合車種はコチラ


また、動画によるオイル交換方法の説明も車種別で有りますので是非参考にしてください。

これからバイクにとって良い季節になりますが、なかなか先の見えないもやもやした状況が続いています。
また、通勤、通学でバイクの利便性が見直され、利用者が増えている一方で事故も増加しています。
愛車のメンテナンスも大事ですが、ご自身を守る装具や安全運転意識も今一度見直してください。気持ち一つで防げる事故はたくさんあると思います。是非こちらの乗らずに学べるバイクレッスンシリーズを読んで、安全で楽しいバイクライフを送ってください!

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2021年9月8日
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