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先進技術搭載だけじゃない! ボルト1本まで見直し、さらに上質感を高めたTRACER9 GT+

2024年1月16日

こんにちは。ヤマハ発動機販売 新関です。

ミリ波レーダーを用いたアダプティブクルーズコントロール

ミリ波レーダーを用いたアダプティブクルーズコントロール(以下 ACC)やレーダー連携ユニファイドブレーキシステム(以下UBS)、さらに、そのUBSは電子制御サスペンションとも連動するなど、最新の先進技術がたくさん盛り込まれた「TRACER9 GT+」

今回は「TRACER9 GT+」の魅力について

今回は「TRACER9 GT+」の魅力について、プロジェクトリーダー(PL)を務めたヤマハ発動機PF車両ユニットPF車両開発統括部車両実験部・笠井さんに改めて教えていただきました。


――――開発の目指したところは?
楽しいことだけに、もっと集中できる!

笠井PL談:
今回のTRACER9 GT+は"プラス"とついていることからお分かりいただけるとおり、多くの先進技術の導入や各種アップデートを行うことで、シリーズ最上位グレードとして、またスポーツツーリングカテゴリーのフラッグシップとして、TRACER9 GTのスポーツ性・ツーリング性をトータルでさらに高い次元に引き上げています。

元々のTRACER9 GT自体、スポーツ性とツーリング性を高い次元でバランスさせたスポーツツーリングモデルとして、ワインディングロードを十分楽しんでいただけますが、そのワインディングを楽しめる場所まで、一般的に高速道路を1〜2時間かけて走って行くわけです。
そこで、ワインディングを楽しむ部分以外のところの負荷をなるべく抑えて余力をより残し、ワインディングを楽しむことに関して、さらに高い次元に引き上げたという感じです。
楽しむことに集中してもらうために、先進技術を搭載しました。

先進技術のこだわりは?

――――先進技術のこだわりは?
ごくごく自然なフィーリング♫

笠井PL談:
当社モーターサイクルとして初めてアダプティブクルーズコントロールを搭載しました。このACCは設定速度で巡航走行し、先行車に追いついた場合は、先行車と一定の車間を保ちながら追従走行する機能です。
車両前方に搭載した"ミリ波レーダー" で先行車の有無とその車間を検知し、先行車の発見や離脱、車間時間の変化を認識すると、設定した車速の範囲内で自動的に加速や減速、定速巡航を行います。

ACCをはじめとする先進技術の詳細は動画を見ていただくとして

ACCをはじめとする先進技術の詳細は動画を見ていただくとして、そのACCの開発において最も重視したのが、自然なフィーリングです。

テストコースで周辺交通を想定したさまざまな検証を繰り返すことはもちろん、海外での一般路テストや、日本国内でも公道実証実験を繰り返し、先行車認識の正確性向上と、誤認識時でも車両挙動が十分にライダーコントロール下となるような作り込みを行いました。

先行車を追い越す際

また、先行車を追い越す際、ライダーが追い越し車線側へフラッシャーを出し、車両が追い越し状態にあると判断すると、通常の車速回復時よりもスムーズに加速する「追い越しアシスト機能」や、ACC作動時に旋回を検知すると車速の上昇を抑え、先行車がいる場合は追従加速度も制限する「旋回アシスト機能」など、単に先行車との車間を確保するだけでなく、現実の道路状況とライダーの心理に即した違和感のない作動フィーリングにとことんこだわりました。

もちろん、いくら多機能でも

もちろん、いくら多機能でも、いくらその制御が緻密でも、操作性が悪ければ意味がありません。そのため、走行中の操作を簡略化し、直感的な切り替えと選択が可能なハンドルスイッチにしています。内部にイルミネーションライトを装備しているので、夜間も使いやすいと思います。

今までなかった新しい機能だからこそ

今までなかった新しい機能だからこそ、一度使って「ウォー!びっくりした!」など、違和感があると、以降、その機能を一切使わなくなってしまうと思うんです。ACCって使わなくても走れますからね。

そうならないよう、開発ライダーの感性を重視してセッティングを何度も繰り返し、できるだけ違和感なく、自然なフィーリングや操作感を目指して綿密な作り込みを重ねたんです。


――――先進技術の他のこだわりポイントは?
質感向上のために小さいパーツまで妥協なく

笠井PL談:
先進技術の搭載ばかりに注目しがちですが、実は、スポーツツーリングモデルのフラッグシップモデルとして、質感をよりいっそう高めるために色々な細かいパーツを微妙に変更しているんです。

まず、わかりやすいところで言うと

まず、わかりやすいところで言うと、画面がとても大きくて見やすい7インチ高輝度TFTカラーディスプレイを採用していますが、

この大型メーターの採用に合わせて、メーターブラケットとスクリーンステーまで新設計。

この大型メーターの採用に合わせて、メーターブラケットとスクリーンステーまで新設計。メーターバイザーなんて、塗装まで施しています。

スクリーンステーは、必要な強度・剛性を確保して質感を高めつつ

スクリーンステーは、必要な強度・剛性を確保して質感を高めつつ、ツーリングギアとしてのヘビーデューティなイメージも強化しているんです。

特に乗車時、長時間目にするフロント周りは重要視し、アンダーブラケットのトップキャップや

特に乗車時、長時間目にするフロント周りは重要視し、アンダーブラケットのトップキャップや

ハンドルバーのクランプに

ハンドルバーのクランプに

ブラッシュガードステーのボトル1本にまでこだわって、黒い塗装へと変更。

ブラッシュガードステーのボトル1本にまでこだわって、黒い塗装へと変更。

また、前後ブレーキのフルードタンクは、クリアスモークタイプに変更。

また、前後ブレーキのフルードタンクは、クリアスモークタイプに変更。

ブレーキといえば、ブレーキペダルは担当者の魂がこもったスーパーこだわりポイントです

ブレーキといえば、ブレーキペダルは担当者の魂がこもったスーパーこだわりポイントです(笑)。ペダルのデザインを変更して踏面を増やし、コントロール性をアップしているんです。アームのエッジ部分を面取りするなど、質感も高めています。

足で踏んで見えていないじゃん!というツッコミが入るのは百も承知(笑)。それくらいまでとことんこだわっているという証なんです。

これに合わせて、右側のみフートブラケットも再設計。

これに合わせて、右側のみフートブラケットも再設計。ここも1mm、2mmの単位で調整したところですね。ヒールガードの意匠は面をコンパクトに見せることによって、シャープさを印象づけています。

また、作動フィーリングの向上を目的に、リアディスク径をφ245mmからφ267mmへ大径化。

また、作動フィーリングの向上を目的に、リアディスク径をφ245mmからφ267mmへ大径化。デザインも見直しました。

本当に本当に小さなパーツですが、

さらに、本当に本当に小さなパーツですが、フロントサスペンションのプリロードアジャスターのボルトなどをゴールドへ変更。

リアももちろんゴールドに!

リアももちろんゴールドに!

シートもレザーのような風合いの表皮を採用。

シートもレザーのような風合いの表皮を採用。クッション材を見直したシートパッドに変更しているので、質感アップだけでなく、長距離・長時間ツーリングがとても快適です。

快適性で言うと、サイドスタンドがかけやすいようアシストバーを長くしました。

快適性で言うと、サイドスタンドがかけやすいようアシストバーを長くしました。

左サイドには、スマートフォンとの連携機能に欠かせないコミュニケーションコントロールユニットを追加しています

左サイドには、スマートフォンとの連携機能に欠かせないコミュニケーションコントロールユニットを追加しています。

その追加によって他の部分に影響が出ないように、サイドカウルを見直しています。

その追加によって他の部分に影響が出ないように、サイドカウルを見直しています。1mmと違わないくらいの差なのですが、空力パーツですので、ラジエターに当たる風の量など、空力解析をやり直し、ほんのわずかではありますが、向上しているんですよね。

そういう細かさで言えば、

そういう細かさで言えば、TRACER9 GT開発時に最適設計したリアフレームですが、今回ブレーキユニットが以前のものより大きくなっているので、さらにリアフレームをわずかに変更し強度をアップしているんです。

カラーリングによって、ロゴ&エンブレムの位置やデカールへのラインの入り方も違っているなど、めちゃめちゃ微調整しています。

また、カラーリングによって、ロゴ&エンブレムの位置やデカールへのラインの入り方も違っているなど、めちゃめちゃ微調整しています。

ミリ単位の変更やボルト1本の見直しなど、間違い探しレベルです(笑)。細かすぎてなかなか伝わらないかもしれませんが、上質感を高め、所有感を満たす要素をたくさん感じていただけると嬉しいですね。


――――楽しいシーンは?
これまでよりももっと遠くで走りを楽しもう!

笠井PL談:
これまでだったら高速道路を100km走った先のワインディングを楽しむイメージでしたが、もう少し距離を伸ばし、「より遠くまで行って、遊んで帰って来る」みたいな、今までの行動範囲をぐんと広げることをイメージして開発しました。

楽しいんですよ、長距離移動しているのって。

楽しいんですよ、長距離移動しているのって。楽しいんですけど、ロングツーリングで2日目、3日目と日を重ねるごとに疲労がじんわり蓄積していきます。でもACCを使うと疲労の蓄積度合いが全然違います。

あまり疲れることなく、長い距離をずっと走っていられるので、バイクが大好きな人、バイクに乗っているのが大好きな人に最高ですね。自分でもこの「TRACER9 GT+」を購入しました。これまで何度か北海道を走りましたが、「TRACER9 GT+」で北海道に行きたいと思っています。

ACCがあると、運転が楽になるのと同時に、

ACCがあると、運転が楽になるのと同時に、ライディングにすごく集中できるようになります。システムが加・減速を自動でやってくれ、前の車との距離を測りながら一定間隔を保って走ってくれるので、ライダーは前ばかりに集中する必要がなくなり、視野が広がるんです。よそ見は困りますが(笑)、周囲を見ながら幅広い視野で走行に集中できるんです。

結果、高速も楽しめるし、目的地に到着したら、疲れが軽減されているので、よりワインディングを楽しめる。心ゆくまで走りを満喫しても、ACCを使えば帰りも楽ですからね。そういう使い方をしていただけると非常に嬉しいですね。


――――どんな方にまず乗っていただきたいですか?
TRACERオーナーさんの買い替えや大型ツアラーからの乗り換えにオススメ!

笠井PL談:
初代「MT-09 TRACER」は2015年2月に発売されているので、もう10年くらい経つんですよね。TRACERからTRACERに乗り換えてくださる方が、たくさんいらっしゃるし、初代モデルに乗っていた方の乗り換え時期でもあるので、まずはTRACERの魅力を理解してくださっているTRACERオーナーさんにこそ、いっそう上質になった「TRACER9 GT+」を体感いただきたいですね。

また、1300ccくらいの排気量が大きいツアラーモデルからのダウンサイジングを検討されているお客さまにもぴったりです。

また、1300ccくらいの排気量が大きいツアラーモデルからのダウンサイジングを検討されているお客さまにもぴったりです。「上質感は当然欲しい。でも、重量のある1000ccを超えるモデルまでは求めていない。」そんなまだまだスポーツ走行したいし、先進アイテムも付いていて欲しいけれど、重いバイクはもう卒業という、上質感と快適な走りを求める目の肥えた欲張りなベテランライダーの方にもパーフェクトフィットだと思います。

笠井PL、ありがとうございました!

笠井PL、ありがとうございました!


あまりに自然なフィーリングや操作感のため、ACCの効果として感じてもらえないのではないか、という心配すら抱いてしまう「TRACER9 GT+」。センセーショナルな先進装備にばかり目がいってしまいがちですが、上質感向上のために徹底して作り込んだ魅力をお伝えできましたでしょうか?

疲れにくいことでバイクに乗る楽しさが増すのはもちろんのこと、気持ちにゆとりができる分、安全運転にも結びつくと思われます。

ヘルメットの中でニヤニヤしながら、

ヤマハ バイクレンタルにもラインアップされていますので、ヘルメットの中でニヤニヤしながら、どこまでも、そしていつまでも、楽しく走っていられる「TRACER9 GT+」、ぜひ一度、体感ください。

ぜひ一度、体感ください。

■関連リンク
・TRACER9 GT+製品サイト

・TRACER9 GT+アクセサリ

・ヤマハ バイクレンタル


2024年1月16日

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