洗練されたナチュラル&シンプルなスタイリングに進化した2025年モデルMT-07のデザインを紹介します!
- 2025年2月4日
2025年モデルMT-07/MT-07 Y-AMTが本日リリースされました。
洗練されたナチュラル&シンプルなスタイリングに進化したMT-07/MT-07 Y-AMTのデザインを担当者に聞いてきましたのでご紹介します。
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デザイナー:GKダイナミックス株式会社 チャンさん
デザイン企画・プロダクトデザイン部 渡邉 祐也
※画像のMT-07は株式会社ワイズギアのアクセサリーを一部装着しています。
安定性や一体感をもたらす「嵌合」と軽快な操縦性をイメージさせる「削ぎ落とし」
デザイナー・チャンさん:
デザインコンセプトは"Natural Simplicity for everyone"です。ライダーの体格やライディングスキルに関わらず、誰でも自然で扱いやすい車体デザインにしたいという意味を込めています。そのコンセプトを明確にするために、二つの造形テーマを掲げました。一つ目は「嵌合」(かんごう)です。あらゆるパーツが「コ」の字で支えているような、しっかりと食い込むイメージを考えました。特にライダーと車体が接する部分の造形ですが、サイドカバーが燃料タンクに噛み合うように配置しています。燃料タンクとシート、シートとシートカウルがそれぞれ密着していて、全体的なシルエットに一体感があるようにデザインしました。
デザイン企画・渡邉さん:
しっかりとパーツ同士が噛み合っているような表現に見えるように、パーツの取付け方一つ一つにとてもこだわっているんです。ただ、加飾的に強調すると、MT-07が持っているシンプルで毎日乗っても飽きがこないという当初掲げていたコンセプトが失われてしまう。そこで参考にしたのが日本の伝統建築の木組みだったんです。強固に接合しているけど、パッと見たときには釘がないのでシンプルに見えますよね。
その日本の伝統的な建築方法である「嵌合」の考え方を随所に施しました。
デザイナー・チャンさん:
造形テーマの二つ目は「削ぎ落とし」です。全て嵌合で仕上げてしまうと、安定しすぎて重たいイメージになってしまうんです。それを軽快に見せることと、MTらしいソリッド感を強調するため、無垢の金属を鋭利な刃物で削ぎ落としたようなシャープな面質となるよう、外装カバーを始め、いろんなパーツに「削ぎ落とし」を施しています。例えば、スイングアームはフレームの上側だけでなく、下側もえぐるように削っているんです。あえて「削ぎ落とし」を見せることで、車体の軽量感やソリッド感を表現しています。
ナチュラルかつシンプルに洗練させたスタイリングを実現する4つのポイント
そして、2025年モデルMT-07のシルエットと全体的なバランスは4つのポイントを意識してデザインしました。
一つ目は、誰が見ても自然に見えるプロポーションです。MT-09はライダーが上から押さえつけ車両をコントロールするかのようなショートオーバーハングなスタイリングですが、MT-07はフロントやリアをショートにしすぎず、流れを感じられるようにしています。ある程度の余裕を持たせて前後の最適なバランスを何度も探しながら、全体的なシルエットを決めました。
二つ目はダブルデッキ構造です。車体の上部はライダーとバイクが調和する一体感あるボディで、下部は緻密でメカニカルなパーツエリアの集合体として上下で分割してデザインを考えました。上部はライダーと接するコンタクトエリアを人に優しいSurface(表面)にするためにエルゴノミクスデザインを取り入れ、一方で下部は無機質で精密な機械の塊=凝縮感を表現しています。この二つの造形を使い分けることでデザインにメリハリが生まれ、洗練されたイメージが表現できました。
三つ目はS字状のフローラインです。2025年モデルのMT-07は歴代モデルのコンセプトを踏襲して、フロントフェイスを別体とせず、フロントからリアまできれいに流れるフローラインを作り、やや水平基調になるように調整しました。MT-07が持っている躍動的で優れた運動性能を想起させるシルエットにしています。
四つ目はボリュームバランス。視覚的に最も重量感を感じるタンクエリアは、シート接地部分をギュッと絞っています。これによって車幅に抑揚をつけることができ、見た目の軽量感はもちろん、ライダーと車体のフィット感、乗降性、そして2021年モデルからシート高の数値は変わりませんが、体感では足つき性がよくなりました。
目指したのは、履き慣れたスニーカーのようにフィットするマシン
デザイン企画・渡邉さん:
MTブランドはフラッグシップのMT-10からMT-125まで、兄弟車をグローバルに展開しています。それぞれのマシンにおいてお客さまが輝くシーンが異なりますので、商品企画や開発チームとバランスを取りながら、その輝きをできる限り最大限に引き出せるようなデザインを常に考えて取り組んでいます。
MT-07がライディングで輝くシーンとは、タンクを膝でしっかりと挟み込み、ニーグリップが効いているライディングポジションで、バイクを意のままに操るシーンです。
2025年モデルのMT-07はそのライディングシーンで輝くようにニーグリップしやすいシート表皮になっているんです。
2025年モデルMT-07は履き慣れたスニーカーのようにお客様の感覚にフィットするように作り込みました。
最後に、こだわりポイントをご紹介します。
燃料タンクサイドカバー間の細かい意匠
デザイナー・チャンさん:
普段は見えない箇所ですが、サイドカバーと燃料タンクの接合部に若干の隙間があるんです。ここはただの一枚板で覆ってしまうと単調で面白味がないので、スリットを入れて空気が流れるようなイメージにしています。あえて凹凸をつけて機能性があるように見える造形にしています。
あえて見せる機能パーツは機能美向上と軽量スリム化に貢献
デザイナー・チャンさん:
当初、ECUなどの機能パーツはサイドカバー内側に全て収納していましたが、サイドカバーが大きくなりシルエットのバランスが崩れてしまうというデメリットがありました。そこで、あえてECUの下半分を露出させて、機能美として違和感なく見えるように取り付け角度にこだわったんです。
デザイン企画・渡邉さん:
サイドカバーに隠す、フロントフェイスからテールにかけて視線移動をした際に、MT-07の持ち味である軽快感が出なくなってしまうんです。全部のコネクターの角度を見直してもらうなど、ここは設計担当者と一体となって細部を煮詰め、この角度にたどり着きました。
形状にこだわった肉抜き加工のヒールガード
デザイナー・チャンさん:
新作ヒールガードの肉抜きも細かいこだわりです。全てを抜くのではなく、肉抜きの大きさにグラデーションをつけて強度と軽量感を両立させています。メカニカルパーツが詰まった下部に位置するので、先ほどお話ししたダブルデッキ構造の考え方に基づき、肉抜きの形状は機械的な直線モチーフにしています。丸型にしてしまうとオーセンティックに寄り過ぎてしまうので、MTシリーズのキャラクターに合った造形に仕上げました。
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いかがだったでしょうか?
担当者がこだわってデザインした2025年モデルMT-07/MT-07 Y-AMTは、2月26日に発売となります。
磨き上げられた「軽量・スリム・コンパクト」な車体は、扱いやすくて大型スポーツバイク初心者の方にもぴったりなモデルです。
ぜひともこだわり抜いたMT-07/MT-07 Y-AMTのデザインを店頭でご覧いただき、足付きが良くなった車両にまたがってみてください。
それではまた。
■関連情報
MT-07製品ページ
- 2025年2月4日