見る角度と光の加減で印象がガラッと変わる!? 2025年モデルYZF-R3/YZF-R25で注目のニューカラー開発エピソードをご紹介します
- 2025年3月26日
3月18日に2025年モデルYZF-R3/YZF-R25がリリースされました。YZF-R1を頂点とするRシリーズを継承したスポーティなスタイリングに、より軽い力でクラッチレバーを操作できるアシスト&スリッパー®クラッチ※の採用、USB Type-A端子対応ソケットなどを装備し、快適なモデルになって進化しました。
※「A&S」「アシスト&スリッパ―」は、株式会社エフ・シー・シーの登録商標です。
魅力的なスタイリングデザインは前回のブログでお届けしましたので、
今回は2025年モデルYZF-R3/YZF-R25のカラーリングにまつわるストーリーをお届けします。
R-DNAの継承と現代の価値観を融合! 2025年モデルYZF-R3/YZF-R25のデザインをご紹介します
2025年モデルのYZF-R25/YZF-R3は3色展開
まずは、それぞれのカラーリングからご紹介します。
ヤマハのブルーといえばこれ!と連想するお客さまも多い、ヤマハレーシングのブランドカラー「ディープパープリッシュブルーメタリックC」(ブルー)。そして、落ちついた定番カラーが多くのお客さまに支持されている「マットダークグレーメタリック8」(マットダークグレー)。
そして、「マットイエローイッシュホワイトパール1」(マットパールホワイト)の3色展開となります。
「マットイエローイッシュホワイトパール1」(マットパールホワイト)って名前だけ聞いても「どんな色?」となりますよね。
実はこの色こそ、今回皆さんにご覧いただきたい2025年モデルの中でも編集部一押しのカラーリングなんです。
偏光色が大胆に使われていて光の当たり方で色合いが変化し、一度見たら忘れられない唯一無二のカラーリングなんです!
今回は、2025年モデルYZF-R3/YZF-R25の「マットパールホワイト」について手掛がけたカラーリング企画担当者とカラーデザイナーに話を聞きました。
注目の新色誕生をめぐるエピソードをご紹介します!
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2025年モデル YZF- R3/YZF-R25
デザイン企画:プロダクトデザイン部 溝越 万莉
カラーリングデザイナー 株式会社GKダイナミックス松田 築さん
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2025年モデルで目指したものは、
圧倒的な個性をまとったインパクトカラー
カラーリング企画:溝越
「マットイエローイッシュホワイトパール1」(マットパールホワイト)は、ホワイトとブルー二つの偏光色を大胆にまとった、とてもインパクトの強いカラーリングです。
モデルチェンジとなる2025年モデルYZF- R3/YZF-R25にふさわしい印象的なカラーリングとしたいということと、10代~20代の若年層のビギナーライダーに向けた色をお届けしたいということの二つを狙いに開発しました。
2025年モデルYZF- R3/YZF-R25でブルー、マットダークグレーに続く3番目のカラーを私たちは「サードカラー」と呼んでいますが、このカラーについては、若年層に向けたものにしようという意図があり、若手メンバーで担当することになりました。
現代の若年層の価値観の中には、「タイパを重視する」とか「SNSを中心に交流する」といった傾向があることが知られています。今回のカラーリング企画では「フォトジェニック」をとても意識しました。一時期よく言われていた「SNS映え」とは一線を画して、むやみに盛るのではなく、素の自分らしさ、飾らないリアルなおしゃれさが支持されるようになってきているんです。
そして、YZF-R3/YZF-R25のお客さまは、スーパースポーツらしい見た目のスピード感や、バイクに乗っていろんな風景を楽しむといった非日常感を好むというのも特徴として上げられます。
では、そんなお客さまに向けて、どんなカラーを提案すればいいのか? を検討するにあたり、まずはユーザー調査を日本で行い、実際にYZF-R3/YZF-R25に乗っている若手オーナーさんの声を集めることから始めたんです。
カラーリングデザイナー:松田さん
ユーザー調査は、首都圏のバイク乗りが集まるスポットで実施しました。本当の生の声を聞きたかったので、事前予告などは一切行わず、実際にそこへ訪れたYZF- R3/YZF-R25オーナーさんにその場でお声がけして、協力をお願いしたんです。
たくさんのオーナーさんからお聞きした中で、最も印象的だったのは、あるシアンカラーのYZF-R25(2021年モデル)オーナーさんです。
「見た目のインパクト、派手さに一目惚れして買いました!これまでに見たことがない色だったということもありとても気に入っています。」
というコメントです。
他の誰でもなく、「自分がいいと思ったもの」を大切にする世代だからこそ刺さる、人とは違う攻めたカラー、これまでに見たことがないインパクトが求められているのではないかということを、ユーザー調査を通じて気付かされました。
既存のセオリーをあえて破り
これまでにないカラーリングが生まれた
カラーリングデザイナー:松田さん
実際のカラーデザイン作業を始めてからは、車体のカラースケッチを何枚も作っては話し合う作業の繰り返しでした。最初の頃は、飾りすぎず、モダンで落ちついた色を中心に考えていたのですが、ユーザー調査を行ったことで、もっとインパクトが必要だと気づいて、大きく方針転換しました。
カラーリング企画:溝越
YZF- R3/YZF-R25のようなスーパースポーツを購入する方は、自分の心のときめきに正直な方が多く、「一目惚れして買いました!」という声をよく聞いたんです。
そんな思いを抱いて乗る愛車ですから、信号待ちで停車した時、周囲にあるウインドウやミラーにふと映り込んだ姿に思わず見とれてしまったり、駐車場に停めた自分のバイクに、誰かが視線を奪われてるのを見て、つい嬉しくなってしまったり。
求められているのは、そういうワクワク感のあるカラーリングなのだろうなと考えて企画に反映しました。
バイクが好きな人にはもちろん、バイクに興味がない人にも「かっこいい!」と思ってもらえるようなカラーリングを目指したんです。
カラーリングデザイナー:松田さん
そこからはカラーチップを手に自問自答を繰り返しました。カラーリング企画の溝越さんもデザイナー出身でスケッチが描けるので、お互いにスケッチを描いて意見交換を繰り返しました。
カラーリング企画:溝越
「一目で視線を奪うインパクト」を追及した結果、最終的に見る角度によって色が変わる偏光色をキーカラーに使うことになりました。
カラーリングデザイナー:松田さん
偏光色自体は従来からヤマハで採用例のあるカラーなんですが、今回チャレンジしたことには大きな特徴があって、それはホワイトとブルーの2つの偏光色を組み合わせていることなんです。
車体カラーに偏光色を使う時は、メインカラーに偏光色を使用して、サブカラーに落ちついたカラーを組み合わせるのが従来のセオリーでした。それを破ることには、今までしたことがなかっただけに正直ためらいがありました。
でも、それ以上に、これまでにないカラーの組み合わせで化学反応が起こせるのではないかなという期待があったんです。
試行錯誤の中で最終的に辿り着いたのが、エモーショナルな印象を持つブルー~パープルがまじった偏光色、そして、クールで洗練された雰囲気を漂わせるイエロ~ホワイト~若干パープル味がある偏光色の組み合わせを採用しました。
その2色のカラーをスタイリング形状の特徴でもある有機的でエモーショナルなinsideと、直線的で無機質なoutsideの形状に合わせて使用してあげることで、カラーリングとしてもモデルのコンセプトを強調したデザインにしています。
センセーショナルな色使いに加え
細部のグラフィックにも注目してほしい!
※株式会社ワイズギアのアクセサリーを一部装着しています。
カラーリング企画:溝越
実は、一つの車体に二つの偏光色を使うことには、当初の想定以上にコストがかかってしまうという現実的な問題点もありました。ですから、最終的な承認をもらう際に提出したカラーリング案には、今回導入する二つの偏光色を組み合わせたパターンに加えて、ホワイトを偏光色ではなく通常のソリッドカラーで置き換えたパターンも入れてあったんです。
ところが、プレゼンに出してみたところ、二つの偏光色を使った案の方に圧倒的な支持が集まって、満場一致で採用が決まったんです(笑)
カラーリングデザイナー:松田さん
サードカラーのYZF-R25/R3は、見る角度によってカラーが変わる偏光色ならではの魅力に加え、実はグラフィックにも仕掛けが盛り込んであります。
例えば、サイドカバーにあるR25/R3ビッグロゴは、遠くから見た時と近づいた時では印象がガラッと変わるようなデザインにしてあるんです。
遠くで見るとR25/R3のビッグロゴの存在感が際立つようにしているのですが、近くで見るとロゴの中に紫の差し色が入ってしていて、細かいデザイン性が強調される造りになっているんです。
※株式会社ワイズギアのアクセサリーを一部装着しています。
また、リアビューからも偏光色が目に入るような配色にしています。さらに、車体の細かな部分にまでグラフィックを入れているんです。
遠くから見て「このバイク、色が変わる!?」と思って近づくと、今度はディテールの面白さにも気づいてもらえるような、遊び心満載のカラーリング&グラフィックになっています。
ぜひ、店頭で実車を見て、二つの偏光色が織りなす美しいカラーリングと、細部まで盛り込んだ数々の仕掛けを実感していただけたら嬉しいです。
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いかがでしたか?
YZF-R1やYZF-R7と同じRシリーズであることを主張する、直線的なラインを強調した新たなデザインに、アシスト&スリッパー®クラッチ※の採用やUSB Type-A端子対応ソケットの搭載など、快適なライディングを実現しました。
※「A&S」「アシスト&スリッパ―」は、株式会社エフ・シー・シーの登録商標です。
扱いやすい特性のバイクなので、バイク初心者の方はもちろん、幅広い層のライダーの皆さまにおすすめできる一台になっています。
担当者こだわりのカラーリング「マットイエローイッシュホワイトパール1」を含む3色展開の2025年モデルYZF-R3/YZF-R25は、4月24日に発売です。
ぜひ、店頭や今週末に開催される東京モーターサイクルショーや翌週の名古屋モーターサイクルショーでご覧ください。
さらに、YSPの専用サイトからは各店の試乗車や展示車を確認いただけます。
それではまた。
■関連情報
・YZF-R3/YZF-R25製品ページ
- 2025年3月26日