初めて自転車に乗れたあの頃を思い出す!? ヤマハの最新技術を惜しみなく注ぎ込んだ2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」の開発こだわりポイントをご紹介します
- 2025年4月25日
2025年モデルTRACER9 GT+ Y-AMTが4月15日にリリースされました。
自動変速トランスミッション「Y-AMT」を新たに備え、快適性を高める機能が満載のモデルに成熟しました。
先日開催された大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーでも大きな注目を集めたモデルです。発表を心待ちにしていたお客さまも多いのではないでしょうか?
今回は商品企画&開発チームに2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」のこだわりポイントを聞きましたので紹介します。
※画像は海外のクローズドスペースで撮影したものです。交通法規・仕様が国内とは異なります。
※アクセサリー(サイドケース、サイドケースサポートステー、サイドケースパネルセット)を装着しています。
※本記事の車両はすべて海外向けモデルです。仕様が国内とは異なります。
------------------------------------------------------------------------
2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」
開発チームのみなさん(左から)
【車体設計チーフ】・脇本 洋治郎
【システム設計チーフ】・村田 真章
【車両実験ライダー】・遠藤 晃慶
【プロジェクトリーダー】・尾上 知輝
【車両実験チーフ】・中原 重徳
【エンジン設計チーフ】・川名 拳豊
【エンジン実験チーフ】・廣瀬 勉
商品企画:MC商品戦略部 市川 智崇
2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」は、ヤマハが持てる最新技術など新しいフィーチャーが盛りだくさんになっていて、ついそちらばかりに目が行きがちですよね。しかし、2025年モデルのコンセプトは、先代モデルの開発コンセプト "Multirole fighter of the Motorcycle(多用途戦闘機のような多機能性と積載性)"に「成熟させた(matured)」という意味を付加した"The matured Multirole fighter of the motorcycle"を掲げました。
あくまでも"スポーツツアラー"としての走行性と快適性を高める機能をしっかり進化させたモデルとして開発を進めました。
モーターサイクルとしての基本的な機能、スポーツ性や乗り心地、取り回し性を拡張、ブラッシュアップしています。単に機能をたくさん盛り込んだだけのモデルではなく、モーターサイクルとして当たり前の部分を、しっかりアップデートしました。
そもそも「TRACER9」シリーズは、"スポーツツアラー"を標榜しているように、CP3エンジンが持つ刺激的な走りと快適性を高い次元で両立したモデルです。
商品企画:市川
そのような考えのもと2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」は、メインの購買層である40代中盤から50代以上のお客さまが夢見る、「大人のわがまま」バイクを届けたい!という思いで企画をスタートしました。このバイクを通じてお客さまに今より充実した生活を送ってもらえたら嬉しいという思いをこめて、相棒のように寄り添ってくれるスポーツツアラーに仕上げました。
ライフステージが進むにつれ、仕事でも家庭でも常に「大人」でいることを求められると思います。しかし、バイクが趣味のお客さまであれば、休日には愛車を颯爽と走らせて、自分自身を解放したい気持ちもありますよね。2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」の見た目には高級感があり、普段の自分のようにジェントルな佇まいですが、時には若々しく、走りの欲求を満たすスポーティな走行性能も秘めています。
ツアラーとして、時には周りの景色を楽しめるような快適性も持ち合わせながらも、長距離のツーリングや夜間の走行などもしっかりサポートする先進機能や電子デバイスをふんだんに搭載しています。
開発PLがユーザー目線で乗りやすさと扱いやすさをアップデート
開発プロジェクトリーダー(以下 PL):尾上
2025年にラインナップされるモデルの中で、ヤマハの技術力を最もアピールしているモデルという意味では2025年モデル「TRACER9 GT+ Y-AMT」がフラッグシップになると思います。今できるヤマハの最新技術を惜しみなく注ぎ込んだマシンなんです。
TRACERシリーズは2015年に初代がデビューして以来、スポーツツアラーとして改良を積み重ねてきました。2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」は特に走行快適性を向上させることに注力しました。先代モデルと乗り比べていただければ、一段と成熟された走りの楽しさを味わっていただけると思います。
実は、私は2021年モデル「TRACER9 GT」をプライベートで所有しています。普段から乗っているので、ユーザー目線で思ったことを今回しっかりと取り入れています。気づかれないような細かい部分までアップデートしているのですよ。
座り心地を改善し足つき性にも配慮した新作シート
PL:尾上
2025年モデルは長時間乗ってもお尻が痛くならないようにクッションの厚みを増やしています。特に「TRACER9 GT+ Y-AMT」は内包材も入れて快適性に配慮したシートにしました。それと同時に、シート形状を見直し着座位置の自由度も上げています。
スペック上では先代モデルよりもシート高が高くなっているのですが、シート前部をスリム化し、太ももが触れる部分を細く作っているので、脚をまっすぐに下ろすことができ、足つき性はむしろ良くなっています。これは先代モデルと比べていただくとしっかりと違いを感じられると思います。
特に身長が170cm以下のライダーの方で足つきに不安を感じていた方にも、安心感の向上に繋がると思いますので、ぜひ実車に跨って足つき性を確かめていただきたいです。また後ほど説明しますが、「TRACER9 GT+ Y-AMT」にはVHC(Vehicle Hold Control:ビークルホールドコントロール)という機能を搭載していて足つき性への不安を更に払拭してくれます。
タンデムライダーの居住性が向上
ヒートシートもオプション設定
PL:尾上
先代モデルからリアと両サイドに計3つのハードケースを付けられるようになりましたが、走行時の安定性を確保するために、先々代モデルに比べタンデムシートを短くし、リアキャリアやトップケースなどの位置がどちらかと言えば車両中心寄りになっていました。
2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」では、その時の開発経験を踏まえ車体側で安定性を確保しました。その結果、タンデムシートの座面面積を拡大することができタンデム時の快適性が上がっているのです。合わせて、グラブバーの形状を掴みやすくしていたり、タンデムステップにラバーを配置し振動対策をしていたりしています。タンデムシートの前後を伸ばしているので、余裕ある"いい距離感"でタンデムを楽しめます。ライダーとパッセンジャーの距離が近い時にヘルメット同士がコツコツ当たるストレスも軽減されています。
今までパートナーの方がバイク購入を許してくれなかったお客さまは、ぜひタンデムシートに乗っていただきその快適性を実感すると共にご購入のお許しを得ていただきたいですね(笑)。
そして、2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」からタンデムシートにもヒートシートがオプション設定されていますので秋冬でもより快適に走行できるようになりました。
見直しウインドプロテクション
車体設計チーフ(以下 開発):脇本
新たに無段階で100mm上下に可動する電動スクリーンを採用しています。複数の折り目と反りを組み合わせた曲面形状により、ウインドプロテクションの向上を図っています。特に頭部周辺の風切り音を低減しました。
タンデム時にインカムを使用される方のために、風切音に邪魔されず普通の声で話しても聞こえるようウインドプロテクションを作り込みました。
さらに地味な取り組みですが、ウインドプロテクションに大きな効果を発揮しているひとつの工夫があるんです。サイドカウルの隙間にあるフィンから風を通すことで内圧を高めて、風が内側に巻き込まない構造にしています。秋冬など冷たい風が脇腹や膝周りに当たらないようにしています。
また、肩が凝らないように配慮されたハンドルポジションの変更など、いちユーザーの視点で細かい部分の改善を図りました。ハンドル切れ角を2023年モデルTRACER9 GT+の32度から35度に変更したことや、耐久性を上げるために「TRACER9 GT+ Y-AMT」に導入したローメンテナンスチェーンの副次効果で摩擦が減り、ガレージから出すときなどで取り回しがしやすくなっています。このようにモーターサイクルとしての基本的な部分もしっかり成熟されていることにも注目していただきたいです。
トルクフルなCP3エンジンの特徴をスポーツツアラーに活かす
商品企画:市川
基本的にエンジンとフレームは2024年モデルMT-09と共通のプラットフォームですので、MT-09譲りのトルクフルで機敏な走行性能を持ち、峠道を楽しめるような軽快なハンドリング特性は健在なんです。
PL:尾上
ただしハイパーネイキッドの「MT-09」と比べて、「TRACER」シリーズのモデル特性は荷物を満載したタンデムツーリングなど、お客様の使用用途が違います。そのため、荷物をたくさん積んだ重い状態でもしっかり走ることができる特性になっています。さらに、TRACER9 GT+ Y-AMTのATモード(自動変速)ではパワーデリバリーモードに注力しました。
「TRACER9 GT+ Y-AMT」のATモードに専用モードを追加設定
車両実験チーフ(以下 開発):中原
「TRACER9 GT+ Y-AMT」ではATモード(自動変速)とMTモード(手動変速)の二つから走行モードを選択できます。MTモードにある各種制御系を自分の好みに細かく設定できるCUSTOM(1/2)のパワーデリバリーモードの設定は①~④の4段階でスロットルレスポンスを設定でき、数字が小さいほどスポーティに、数字が大きいほどマイルドな特性に設定が可能です。
一方、ATモード(D/D+)のパワーデリバリーモード設定は②~④から選択できます。
2024年から発売している「MT-09 Y-AMT」のATモード(D/D+)のパワーデリバリーモードは③と④を使用可能ですが、「TRACER9 GT+ Y-AMT」では、③と④に加え②もATモード(D/D+)で使えるようにしています。タンデムかつ荷物を多く積載した状態でもしっかりと坂道を登っていけるように想定して、細かい設定を作り込みました。
この作り込みもとても苦労したポイントです。従来からの「TRACER」での使用シーンを想定して、設定するパワーデリバリーモードを検討しました。お客さまが求めるパワーを実現するために、例えばフル積載の車両を坂道で一旦停止し、再発進した時に坂道を登るパワーが出せるかどうかなど車両実験を繰り返して試行錯誤しました。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)とY-AMTのATモード連携が価値観を一変させる
PL:尾上
2025年モデル「TRACER9 GT+ Y-AMT」に搭載しているACC(アダプティブクルーズコントロール)とY-AMTのATモードとの連携によって、ツアラーとしての快適性が格段に向上しました。追従走行しながらギア選択も自動でしてくれるからです。
例えば、高速道路を経由して高原のスカイラインが目的地の場合、行き帰りがとても楽になります。ACCは、前方のミリ波レーダーが状況に応じて、巡航速度や加減速を自動で制御してくれます。そして連携するY-AMTのATモードでは速度に応じてシフトを選択してくれますので、追従機能が搭載されている4輪車のAT車のような感覚で快適なライディングが楽しめるんです。
私自身はもともとスーパースポーツが好きで二輪業界に入ったので、バイクにATはいらない派でしたが、Y-AMTの出来の良さを知ってからはモーターサイクルの楽しみ方を広げるためにも積極推進派になったほどです(笑)
好みに応じて硬さが選べる電子制御サスペンション
車両実験ライダー(以下 開発):遠藤
ツアラーらしさをより前面に出しつつも、スポーティさもしっかりキープすることを意識したので前後のサスペンションはより動きやすく、車両の接地感を感じやすくなることで快適な乗り心地が実現できるよう細かいセッティングをしました。
KYB製の電子制御サスペンション「KADS®※」は、メインキーをONにした際、エンジンをかけずとも30秒間減衰力を低下させて車両の取り回しを支援する制御機能を搭載しています。
「KADS®」は、IMUが検知した車体姿勢とその時の加速度、サスペンションのストロークスピード、ブレーキの液圧といった変化に応じて、減衰力を自動的に調整するシステムで、そのレベルにはスポーツモード「A-1」と、あらゆる場面で快適なコンフォートモード「A-2」の2パターンの他、スマートフォンアプリのY-Connectでユーザーの好みに設定可能な「C-1」と「C-2」を用意しています。
【Y-Connect設定画面】
また2025年モデル「TRACER9 GT+ Y-AMT」には、ACC を作動させての巡航中、乗り心地重視の減衰力になるなど、きめ細やかな制御を実現しています。
なお、フロントのアクスルブラケットの構造を変更し、さらに良好な操縦安定性を確保しています。
※「KADS®」はKYB株式会社の登録商標です。
スポーティさをイメージする小顔で無駄のないデザイン
商品企画:市川
スポーツ性とツアラー性を両立させていることを、ルックスからもお分かりいただけるように、多くの機能を搭載しながらもスッキリとしていて軽量感と機動性が伝わるようなスタイリングにとてもこだわりました。先代モデルを洗練させ、小顔で、無駄を削ぎ落としたデザインに磨きをかけています。
PL:尾上
当初、マトリクスLEDヘッドランプの存在感が強烈だったんです(笑)
担当者が最後まで粘り強く作りこんでくれたお陰で、最終的に車体に溶け込んだ位置に収めることができたんです。ここの作り込みは本当に苦労しましたね。
デザインの苦労話はこちらの記事で紹介していますのでぜひご覧になってください。
気軽に乗れる旅の相棒感を表現! 2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」デザイン担当者のこだわりを紹介
2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」は、世界初※となる2輪車用マトリクスLEDヘッドランプを搭載しています。これは、複数のLEDランプの構成体がHiビームとして照射しながら、カメラの検知に従って自動的に部分的に点消灯するヘッドランプユニットです。進行方向に対して光を当ててくれて、しかもとても明るいので夜間のツーリングでも安心感を持って走行できます。
※ヤマハ発動機調べ 2025年3月現在
開発:中原
マトリクスLEDヘッドランプは、カメラで対向車を見てランプの点き方が変わるのですが、4輪車と違い2輪車はカーブではバンクしまうので、斜めになった状態の固定カメラでもしっかりと対向車を分析し、照らす場所と消す場所を正確に捉えられるように、設定情報を2輪車用に書き換えています。特にHiビームにすると4輪車と遜色ない照度と範囲を照らしてくれます。
必要な情報が見やすくなった7インチTFTカラーディスプレイ
システム設計チーフ(以下 開発):村田
7インチ高輝度 TFTディスプレイの画面サイズは2023年モデル「TRACER9 GT」と同じなんですが、表示レイアウトを変えて筐体をよりスリムにしたことで見やすくなっています。ディスプレイのレイアウトはナビゲーション表示の他に3つの走行テーマを表示します。「TRACER」シリーズの表示テーマはディスプレイ周りの造形も相まって、まるで飛行機のコックピットのようなかっこよさを感じていただけると思います。
そして、2025年「TRACER9 GT+ Y-AMT」ではタイヤ内の空気圧を計測するTPMS®※(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視システム)やサスペンション設定などロングツーリングで必要な表示はランタイム同様に標準で表示されます。
※TPMS®は2025年モデル「TRACER9 GT」ではオプション設定となっており、装着すると2025年「TRACER9 GT+ Y-AMT」と同様にディスプレイにタイヤ空気圧を表示することができます。
※TPMS®は走行や気温の変化によりタイヤ温度が変化した場合は数値が変化し、指定空気圧から外れる場合があります。
※TPMS®は太平洋工業株式会社の登録商標です。
衝突の危険を警告してくれるFCWと
車体挙動を穏やかにするレーダー連携UBS&前後アシストUBS
開発:中原
2025年モデル「TRACER9 GT+ Y-AMT」には、FCW(フォワードコリジョンワーニング:前方衝突警告システム)を初採用しました。フロントに搭載のミリ波レーダーが、前方を走行する車両との接触や追突の危険性を検知し、ライダーに警告を行います。警告のタイミングは、早めに知らせる「ノーマル」モードと、より接近してから警告する「ニア」モードを用意しています。
前方車両が近づくとディスプレイに危険を知らせる警告メッセージが表示されます。それでも車間距離や衝突予測時間が縮まり衝突リスクが大きくなると、瞬間的なブレーキ作動により、ライダーに体感でお知らせしてくれます。これをブレーキパルスと呼んでいるのですが、携帯電話のバイブレーションのような作動で、何かに熱中している時に、肩をポンッと叩かれて我に返るようなイメージです。
その際に、ライダーがブレーキを入力したことを車両が認識できれば、レーダー連携UBS(ユニファイドブレーキシステム:前後連動ブレーキ)が作動して、ライダーのブレーキ入力量をアシストして制動力を発揮します※。
ブレーキと連動する電子制御サスペンションも減衰力をアップして、前のめりにならないよう車両の安定を保ちながら衝突リスクの低減を図ってくれます。
※本機能はアシスト機能です。ライダーのブレーキ入力量に応じて最大減速度が変化します。
まずは「ノーマル」モードを試してみてください。お客様によっては作動頻度が高いと感じることがあるかもしれません。その際は、もう少し警告を発するタイミングを遅らせた「ニア」モードを使っていただけると、その煩わしさが解消されると思います。
※あくまでも運転支援の機能です。走行時は安全運転を心掛けてください。
フロントブレーキを単独操作した場合、リアブレーキもHU(ハイドロリックユニット)に加圧して作動する前後アシストUBSも搭載しています。前後ブレーキの配分といった作り込みは、いろいろなお客さまの使い方を想定しました。まずはライダーの操作を尊重して、緊急時のサポート以外は、ライダーが思うブレーキングを邪魔しないようなナチュラルな設定にしています。具体的には、走行中にフロントブレーキを強くかけると車体の減速度が大きくなり挙動が不安定になりますので、安定して止まれるようフロントとリアの配分を決めています。
逆に、リアブレーキを単独操作した場合は、リアブレーキのみの作動を基本としています。ただしリアブレーキを強くかけた際は、フロントブレーキもHU(ハイドロリックユニット)から加圧し、作動する設定になっています。
雨の日にフロントブレーキを操作するのは怖かったりしますよね。そんな時に、この前後アシストUBSが作動し、安定して制動できるように作りこんでいます。
視認しづらいエリアの車両接近をお知らせするBSD
システム設計チーフ(以下 開発):村田
「TRACER9 GT+ Y-AMT」はBSD(ブラインドスポットディテクション)を搭載しています。先行車の有無と車間を検知する車体前方に設置された「ミリ波レーダー」に加えて、新たに車体後方にも追加しました。車体後方のブラインドスポットエリアに位置する車両及びブラインドスポットエリアへ進入する車両を検知して、ミラー内にインジケーターを点灯します。また、側方に車両がいる際にフラッシャーを出すと、高速点滅で警告してくれる機能も備えています。周囲の走行状況を可視化してくれる便利な機能ですが、あくまでも運転支援機能であり、ライダー自身が安全確認をしていただくことが大前提になります。
登坂時のブレーキ操作をアシストするVHC
企画:市川
坂道における停止時や発進時に、ブレーキ操作をアシストする機能のVHC(Vehicle Hold Control:ビークルホールドコントロール)を「TRACER9 GT+ Y-AMT」は搭載しています。ブレーキ圧を保持し、停車時における挙動の安定を図ります。
坂道発進の時って、一般的に踏んでいたリアブレーキをゆるめながら徐々にアクセルを開けて発進しますよね?小柄な人は足つきが悪い状態で車両を支えたり、踏みかえたりと、結構ドキドキする状況です。VHCが作動することで、信号待ちや一旦停止の際にブレーキを握ったり踏んだままにする必要がありません。Y-AMTも搭載しているので、坂道発進はアクセルを開けるだけで、安心して発進することができます。
ETCを使えない料金所や信号待ちで、地面が傾斜していると踏ん張りづらいので、効力を発揮します。
モードは「ADVANCED」と「MANUAL」の2パターンを設定しています。「ADVANCED」は車体姿勢の検知によって、路面が坂道かどうかを判定。停車状態を維持するために必要なブレーキ力を保持します。「MANUAL」では、ライダーが意図的にブレーキレバーへ強く入力することによって作動し、停車状態を維持することができます。
初めて自転車に乗った感動を蘇らせてくれるスポーツツアラー
PL:尾上
今回の2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」は、とにかくワインディングを走るのが気持ちいいんです。スムーズにコーナーに入っていけるし、骨格の細部の仕様見直しと前後サスペンションのチューニング効果によって、タイヤの接地感がかなり増して安心感もあります。コーナー立ち上がりで気持ちよく、自信を持ってスロットルを開けられると思います。
スポーツ走行を楽しめて快適装備が充実した2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」に乗っていただければ、一日のツーリングの行動範囲がぐんと広がると思うんです。いつもはもうそろそろ帰ろうかなというタイミングでも、疲労感が少ないので、まだまだ走れる、ずっと走りたいと思わせてくれます。目的地までの移動が本当に楽で、それでいてちゃんと走りを楽しめるバイクです。
そのくらい今回のモデルはどこまでも楽に行けそうな気持ちにさせてくれるスポーツツアラーに仕上がりました。
初めて自転車に乗った時に世界が急に広がった子どもの頃の気持ちに戻りワクワク感に浸れると思います。ぜひ一度店頭で商品をご覧いただけたらと思います。
------------------------------------------------------------------------
いかがだったでしょうか?
開発チームが持てる技術を注ぎ込んで開発した2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」を店頭でご覧になってください。
「TRACER9 GT」は4月15日発売。「TRACER9 GT+ Y-AMT」は5月28日発売になります。
YSPの専用サイトからは各店の試乗車や展示車をご確認いただけます。
それではまた。
■関連情報
・TRACER9 GT+ Y-AMT製品ページ
・気軽に乗れる旅の相棒感を表現! 2025年モデル「TRACER9 GT」「TRACER9 GT+ Y-AMT」デザイン担当者のこだわりを紹介
- 2025年4月25日