船外機艇のオフセットスパンカー
船外機艇のオフセットスパンカーによる流し釣りについてご説明いたします。
オフセットスパンカーとは
従来の船外機艇では、船外機をよけるためにスパンカーを船外機前方に取り付けていました。その為、スパンカー位置が前よりになり、風立ち性の上で不利でした。ヤマハでは、スパンカーを船外機横にオフセットして後方に移動し、風立ち性の向上を実現しました。これがヤマハ新開発の「オフセットスパンカー」です。
オフセットスパンカーの効果
従来のように船外機前方にスパンカーを取り付けている場合、風立ち性をよくする為には主機をチルトアップするなどの工夫が必要でしたが、オフセットスパンカーにすれば、スパンカー位置が後ろになって風立ち性が向上し、主機をチルトアップすることなく良好な風立ち性を得られます。また下記の様な特徴があります。
- ■スパンカーが後方に移動したのでアフトデッキが広く使えます。
- ■主機を降ろしているので、船尾の横流れが少なくなり、釣り座の横流れが小さくなります。
- ■主機を降ろしているので、主機運転によりバッテリー充電ができます。
- 船首向き修正時の船の動き方
- スパンカーの抗力中心が、水中の主抵抗である船外機よりも後ろになるため、船尾の横流れが減少し、釣り座の横流れが減少する。
従来のスパンカー装備艇
オフセットスパンカー装備艇
- オフセットスパンカーによる水上抵抗中心移動
- オフセットスパンカーの場合、従来のスパンカー位置よりも風圧中心が後ろに移動し、水面下の抵抗中心との距離が広がり、風に対してバウが振られる力が弱まります。したがって、安定して風に立ちやすく流し釣りが容易になります。
オフセットスパンカーの使い方
- 1.ポイントに到着したら、船首を風上に向けてスパンカーを展開します。
- 2.ブームの開き角度は15~25度。スパンカーはたるみ無くピンと張ります。
- 3.ブームの向きは船尾より内側に少し振ると左右バランスがよくなります。
FAST21、YF23は5度、FAST26は3度内側が目安です。 - 4.主機のシフト、または補機のシフトスロットルで流れ速度をキャンセルして位置保持します。
- 5.左右への流れ方はハンドルを少し切ることで調整します。
- 従来のスパンカー位置
- オフセットスパンカー位置
- ブーム全体を5°内側に振る
- 左に船を流す場合
- ステアリングを左に少し切ることで、シフトインした時に船首が少し左に向き、ニュートラルにするとまっすぐになります。これを繰り返すことでゆっくりと船が左に流れます。
- 右に船を流す場合
- ステアリングを右に少し切ることで、シフトインした時に船首が少し右に向き、ニュートラルにするとまっすぐになります。これを繰り返すことでゆっくりと船が右に流れます。