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レポート&コラム

日本沿岸で行われるビルフィッシュトーナメントレポートと海外の釣行記です。

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チームYBSのJIBT参戦記

 朝6時に出廷申告に大会本部を訪れる。早朝にもかかわらず大会本部のテントでは、大勢の人達が忙しそうに動いている。特筆すべきはすでに昨日のヒット場所やポイントなどがまとめられた速報が、配付されていたこと。
 昨日は大会新記録のなんと41本のカジキが揚がった。2本タグ&リリースを決めたチームが4チーム。初日ノーヒットだったチームYBSもまだまだ逆転可能な点数である。

次の日の朝に配られるJIBT速報

得点掲示板

 この下田国際カジキ釣り大会はポイント制で優勝を争う競技だ。簡単に説明すると200kgのカジキを釣ったら、200ポイントを得る。ただし、ライン(釣り糸)の太さによってハンディキャップが設けられている。130lbsのラインで1.0倍、80lbsで1.2倍。50lbsのラインで200kgのカジキを釣り揚げると200x1.5倍=300ポイントが獲得できる。細い釣り糸で釣ればより高いポイントが得られるわけだ。ただし、魚種保護のためと回遊調査のためにJGFAではタグ&リリースを推賞している。この大会でもタグ&リリースは150点と高得点の設定だ。言い換えると150kg以下の重さのカジキではキャッチするより、リリースした方が点数が高くなる。そして130kg以下のカジキを持ち帰るとペナルティーとしてポイントは1/2にされてしまうのだ。初日のように多くヒットすると、優勝を狙うチームは無線を聞いても、電卓やパソコンがないと優勝争いの点数計算ができないだろう。さらにこのJIBTは毎日ファーストマーリン賞として50点が設定されている。これはその日の最初のキャッチもしくはタグ&リリースの早かったチームに与えられるボーナス点数だ。

ポイントに向けて疾走するAldila77

 ノーポイントだった我チームYBSの2日目の作戦は、昨日爆釣したアオネのポイントから、少し東側の川口ダシから攻めてみることに決まっていた。初日はスタートラインの近くに陣取ることができなかったが、今朝はいちばん前からスタートを切った。もちろん、ファーストマーリン賞50点を狙ってのことだ。
 今朝も予想通り、無線ではヒットコールが朝から飛び交っていた。
 チームYBSはファイトフラッグを掲げたボートを避けながら、狭いヒットエリアを粘っていた。狙うエリアは間違っていなかったことは、他艇のヒットコールで証明されているのだが、なぜ、ルアーに喰ってこないのか?そんな会話がFBに充満し始めた。10時のロールコールが始まるころから、ヒットコールは落ち着き始めた。明らかに昨日のような、カジキのヒットラッシュはないようだ。

無線のロールコールに応える堀切オーナー

 『ビッグゲームフィッシングは究極の退屈の後に来る一瞬の緊張だ』とある本に書いてあったのを思い出した。気持悪さと眠気と闘う苦痛の数時間を経験する。この遊びに慣れない人はきっと多いはずだ。
 さすがに2日目のボーズは、チーム全員に堪えた。重苦しい空気が下田港の帰路まで続いた。なんでうちだけこないのだろう。何も変わったことはしていないつもりだし、むしろセオリー通りのルアーでフォーメーション。ポイント選びも間違っていない。何かが噛み合っていないのか。カジキってこんなに気紛れな差別をするのだろうか。

釣魚申請書類等で忙しい大会本部

盛り上がる表彰ステージ

 着岸して、大会本部へと向かう。次々と表彰台に上がって写真撮影されるチームを羨ましく思って見つめていた。さすがに昨日よりも検量所の混雑は少ないが17本の検量とタックルの審査に役員は大忙しだった。

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