定期的に天気の変化をワッチする
天候の急変をワッチするポイントをご紹介します。
天候の急変を見逃さない
天候の急変を察知する
晴天の日でも西の空に黒い雲が見えると、沖にいた漁船は漁を止めて一斉に港に帰っていきます。急速に発達した積乱雲が近づいてくるからです。そうなると海上は一気に暗くなり、雨や風が強まり時化てきます。巨大なものでは強烈なダウンバーストや雷を伴います。
ゲリラ豪雨や巨大なものはスーパーセルと呼ばれることもありますが、低気圧や台風などと違って予測が難しく、条件さえ揃えばどこでも発生する可能性があります。
これも雲の様子や近くにいる漁船の動きをワッチしていることで、早急に退避行動を取ることが可能です。
天候の急変をワッチするポイント
観天望気で察知する
観天望気とは雲の様子や風向きなどの様子から天候を判断する方法で、漁師の人たちなどの長年の経験則で伝えられている天候判断です。
地域によって様々なことわざがありますが、これを知っていると雲の様子などをチェックしているだけで、ある程度の天候の変化を察知できます。航行中は、雲や風の様子などを常にチェックすることも大切なワッチです。
CHECK POINT
各地方に伝わる観天望気例
- 富士の傘雲は、風が吹き出す。
上空で発生した風がやがて下層に降りてくる。 - 日のかさ(光環)は、やがて雨。
東京でかさが見えてから30時間以内に雨が降る確率は50%。翌日雨の確率は60~80%になる。 - 北風が南風に変わると、雨になる。
- 遠い山が鮮やかに見えれば雨。
台風などの接近で大気中のゴミや塵が飛ばされ異常透明になる。 - 煙突の煙が北になびけば雨、南になびけば晴れる。
上層の風が南風ならば雨、北風なら晴れると言うことで、各地によってこの種の観天望気に違いがある。 - 汽車の音がよく聞こえると雨が近い。
低気圧が接近して上空に暖気が入ると、下層の寒気との境に逆転層ができる。この逆転層に地面から発した音波が屈折して異常に遠くまで伝わる。 - 朝虹は七里戻って傘を持て。
朝虹があって午後雨となる確率は80%。 - 羽雲、羊雲、おぼろ雲は雨の兆し。
羽雲は巻雲、羊雲は高積雲、おぼろ雲は高層雲。雨が降り出すまの時間は、巻雲が出てから12~24時間、高層雲になってから6~12時間が一応の目安。
このような観天望気のことわざは、全国各地に伝承されています。
漁船の動きをチェックする
漁師の人たちは、天候に敏感です。周りの漁船や遊漁船が一斉に帰り始めたら、天候が急変すると思ってまちがいないでしょう。
帰港するか、近くの港に避難するかの対処を考えた方が賢明です。
気象情報のチェックや無線などで定期的に情報を確認する
出航前に天気情報を確認していても天気が急変することがありますから、航行中は定期的にチェックするようにします。
携帯電話がつながる水域では、雨雲レーダーなどの情報も入手できますし、携帯が使えない環境の時は無線でマリーナに確認する方法もあります。