係留する前に
係船する前に確認しなくてはならない項目についてご紹介します。
ボートを係留する場合は、たとえ母港(保管場所)に係留している時でも油断はできません。台風による突風や波浪、季節毎の潮位の変化などの自然現象から保管設備の破損や老朽化まで、きめ細やかな配慮が必要となります。
特にクルージング先では、必ずしもマイボートの大きさに適した桟橋や岸壁が用意されているとは限りません。そんな場合には、自分でできる限りの情報を収集し、適切な係留を行なうのもキャプテンの責任となります。
ここでは、ボートを係留する前に注意が必要なことがらをご紹介します。
1)基本情報の入手
- 気象状況
- 今後の気象条件の変化を予め予測し、必要な対策を予め講じる。
- 潮位変化
- 潮汐表などを活用し、潮の干満に対応できる係留方法を実施。
- 係船場所の水深
- 干潮時でも十分な水深が保てる場所か否かを確認。
2)桟橋の状況
- 桟橋の係船具等に強度上の問題無きこと。
- 桟橋や岸壁全体の安全性はもちろん、係留するための金具等に破損やぐらつきがないかをチェック。
- 隣接艇の係船状況に問題無きこと。
- 潮位や風向きが変わった場合でも、他船と接触する危険がないかを確認。
- 緊急避難で漁港に係船する場合は、漁協関係者の了承を得ること。
- 地元のルールを守り、適切な処置を行なうことで、港全体の安全が確保されます。
3)自船の状況
- 係船する船が、係船可能艇であることの確認
- セルフベーラー仕様でない船は、ラフコンディションの条件下や長期の係船は避ける。
インボード(船内機)艇の場合、スタンチューブからの浸水状況を確認し調整をする。
- 係船具の確認
- 係船ロープの傷み具合・太さ、フェンダーの大きさ・個数などに問題がないこと。
- 放電対策の実施
- 電源(バッテリー)を「OFF」にする。
- 防錆防食対策の実施
- バルブ類を閉鎖する。(セルフベーラー艇のサイドスカッパーは開放とする。)
- 船外機艇ではフルチルトアップの状態とする。
- 長期係船の場合、船底塗料を塗布のこと。
- 防食亜鉛の状態が適正であること。