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レーダーの基礎知識

航海計器、レーダーの基礎知識をご紹介します。

レーダーは音波ではなく波長が極めて短いマイクロ波を小刻みの電気信号(パルス波)を発射しています。つまり、マイクロ波を一方向へ発射すると電波は一直線上を進みますが、その進行線上に他船や島などの物標があれば電波はそれらによって反射され、反射波の一部は元の位置まで返ってきます。その反射波が返ってくるまでの所要時間を測定し、距離に換算することで、それぞれの物標までの正確な距離を知ることができるわけです。これがレーダーの原理でこの様子が映像としてディスプレイに表示されているのです。
またレーダーは夜間や濃霧発生時の使用だけでなく、日中でも目視で見落としがちな後方斜めから接近してくるボート・本船の影で確認しづらい船や障害物の早期発見に役立ちます。
船舶用のレーダーのアンテナは、回転する全周アンテナで発信と受信を繰り返していますが、小型船舶に使用されるのは、操作資格なしでも運用できる出力5kW以下の工事設計認証されたレーダーが一般的です。ただし、利用前には無線局の開設申請が必要です。

主なレーダーの機能

レーダーから得た現場情報を地図上に表示する機能。慣れないと判り辛いレーダー情報がこれで一目瞭然です。
動きをチェックし続けたい目標物を、10個同時に捕捉できる「MARPA」機能。航行中の他船などを指定すれば、衝突回避に有効です。
航跡を画面上に表示することで、移動する船舶を識別できる残像表示機能像。衝突事故を回避するのに役立ちます。

主なレーダーの用語

出力

電波を発射する際の最大出力です。これが5kW以下なら、運用資格は不要です(無線局の開設申請は別途必要)。後述の探知距離などに関係します。

探知距離

気象状況や海象によって変わってきます。またスキャナーを設置する高さや対象物そのものの高さによって、実際の探知距離というのは大きく変わるため、あくまでも、そのレーダーが画面上に表示できる最大の範囲と考えた方がいいでしょう。

スキャナー形式

旋回しながら電波を発射し、反射波を受信するアンテナの部分を「スキャナー(scanner)」と呼びます。
スキャナーには、回転部分を露出したオープン・タイプと、それをドーム内に収納したレドーム・タイプがあり、その形式の違いが示されます。特徴は一長一短ですが、比較的水面に近いところに取り付けられ、潮を被ることの多い小型艇では、、回転部の露出していないレドーム・タイプの方が安全でしょう。また海鳥の排出物の問題なども避けられます。

指示器(表示部)

他の電子航法機器と同様、多くは液晶ディスプレイ(LCD)が用いられ、その画面サイズなどの呼び方も他の機器と変わりません。
現代のレーダーは、ほとんどがデイライト・タイプ(daylight type)と呼ばれ、通常の昼間光でも見れるようになっています。スキャナーが1回転する毎に描き出される画像は、機器内の記憶装置に貯えられ、それが1画面ごとに書き換えられる方式を利用することで、様々な機能を表示でき ます。

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