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離着岸の基礎

スムーズで確実な離着岸を行う為の基本的な方法をご紹介します。

確実な係船のための基本

スマートな離着岸とは

ボートの離着岸は、風の向きや強弱、離着岸するスペースの状態などを確認した上で、操船者がその時々に適した最も安全な方法を選択します。ただし、スマートな離着岸の基本方法は変わりません。最終的にはキャプテンの経験に裏付けされた状況に応じた判断・技術・感覚(センス)なのです。

事前ブリーフィングの大切さ

ボートを安全に離着岸するためには、自分の意のままの方向にボートを進めたり停止させたりするボートコントロールが求められます。しかし、自分ひとりでは安全な着岸ができない場合は、クルーと共同で作業を行わなければいけません。風が強い時やスペースが狭い場所で、操船者とクルーがテキパキと作業する姿は、傍で見ていてもスマートに見えるものです。
そのために重要になってくるのは操船者とクルーとなって舫いを取る人のブリーフィング(打ち合わせ)です。どういった着岸方法を選択して、どこにどう止めるか、また桟橋側の係船具の位置とタイプを確認し、それに適したロープやフェンダー、ボートフックなどを準備します。そして作業の手順や役割、合図を出すタイミング、注意事項などを着岸する前にしっかりとブリーフィングしておきます。それによって、初めて行った場所でも操船者(船長)の迅速な判断と指示で、全員がテキパキと行動できるようになります。

離着岸作業はキャプテンが指示を

ボートを操船する人が、さまざまな状況において指示を出します。クルーが独自の判断でロープを解いたりビットに掛けたりしたらどうなるでしょう。往々にして操船者とタイミ ングが合わなかったり、操船の自由を奪われ、かえって着岸や離岸の失敗を招くことになりかねません。
操船者は大きな声でクルーに対して具体的な指示をすることが大切です。またどんなクルーであっても、操船者が指示する前に自己判断で解らん(ロープをほどくこと)したり、ロープを岸に送ったりしてもいけないということです。

離着岸はすべてキャプテンの判断

離着岸は操船者の技術知畿と指揮(指示)能力に左右されます。例えば離岸の時、風が船尾方向から吹いている時を除き、船尾のロープから放して船首のロープを後から放すのが一般的です。同時にロープを放して、手でボートを押さえておいて乗り込む場合も多いのですが、これは強い風や流れがある時は行なわない方が無難でしょう。
また、エンジンを始動してから解らんする習慣も身に付けたいものです。どんなことでエンジンの始動ができなくなるか分からないからです。ロープを放してボートが桟橋から離れてしまってから始動しなかったら‥‥、コントロールを失ったボートは風に流されていくだけです。
離着岸では、その時の風向や流向、そしてその強さを判断する習慣を身に付けておくことが必要です。

安全でスマートな舫いの取り方

まったく経験のないゲストに、いきなり離着岸の作業を手伝ってもらうのは、ちょっと考えものです。そのときの人数や状況によりサポートの必要があるときは、事前に十分な説明をしておく方がよいでしょう。またどこまで手伝ってもらうかも明確にしておきましょう。舫(まと)いを取るという作業はそれなりに危険を伴う作業ですから、離着岸作業に入る前に手伝ってもらうことを説明しておきましょう。
また1人で作業する時は、先にバウロープのエンドを船尾側に持ってきて仮止めしておくことです。確実に桟橋に接岸したのを確認してから、まず船尾のロープを持って降りて船尾を舫ったら、すぐにバウロープを取るようにするとスムーズです。

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