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艫着け(縦着け)着岸

いざという時のためにマスターしておきたい着岸方法をご紹介します。

縦に着岸する方法

着岸方法

桟橋や岸壁に横付け係留が出来ない場所では、桟橋・岸壁に船尾のみを着ける形で係留しなければなりません。また沖からの風が強いときにも、横着けの着岸よりも縦に着岸する方が安易なこともあります。
ボートは一般的に微速操船中は横から風を受けるときのコントロールが難しいからです。これを艫(とも) 着け、もしくは縦着けと言います。船尾から着岸する場合は以下の手順で行ないます。

桟橋への艫着け係留の操船方法

船尾から着岸する場合の操船方法は、後進で桟橋に接近するため、桟橋への接近時の速度調整やフラフラした状態で後進して他船に衝突したりしない様に注意が必要です。

1.
水深を測り、水深の5倍程度の距離になるようにアンカー投入地点を決めます。
2.
アンカー投入地点まで回り込む様に接近します。
3.
着岸地点の船首の位置から水深の5倍程度になるようにアンカーを投入します。
4.
アンカー投入後は出来るだけ真直ぐ後進します。
5.
桟橋に船尾が接岸できたら、アンカーロープの長さを詰め、船尾が桟橋から少し離れた状態にします。

錨を投入する場合には、他の船の錨がどの方向に入っているかを確認し、錨ロープがクロスしないように位置を決めなければいけません。またアンカリング作業自体を確実に素早く行わなければ、ボートはどんどん流されていきます。

アンカリング作業はスムーズに行えるようにしておきたいものです。投入までにモタモタしているとどんどん風に流されてしまい、何度もやり直しすることになります。また、先に係留しているボートがある場合は、両舷にフェンダーをセットすることを忘れずに。

桟橋へのバウ付け係留時の操船方法

船尾から着岸する艫着けの他に、船首から着ける方法もあります。日本ではよく漁船が係船する方法ですが、槍着けと言われたりします。

1.
水深を測り、水深の5倍程度の距離になるようにアンカー投入地点を決めます。
2.
他船のアンカーロープの出ている方向・アンカーロープの長さなどを確認しながら着岸地点沖に接近します。
3.
着岸地点の船尾の位置から水深の5倍程度の距離が離れた地点でアンカーを投入します。
アンカーロープがプロペラに絡まない様に注意しながら桟橋に近づき、左右のロープを固定します。
4.
バウロープの固定が終わったら、アンカーロープの長さを調整し、バウと桟橋の間隔が少し開く程度にまでアンカーロープを引き込み係留完了です。この時、船を岸から十分に離しておかないと干満差によって岸と接触して船首を損傷することになります。これはアンカーモニターをアンカーとボートとの中間に入れておくことで防ぐことができます。

船首から着岸する時は、アンカーロープの中間にチェーンやアンカーモニターなど、ある程度重量のあるものを付けておくことによって船体は常に沖側に引かれている状態になります。これによって、潮の干満差によって舫いロープが緩んでも、船首が岸壁にぶつける心配がなくなります。

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