タッキングとジャイビング
タッキングとジャイビングの操船手順を紹介しています。
タッキングとは
クローズホールドの状態からさらにラフィングし、艇を風位(風の吹いてくる方向)に立て、それまでとは反対の舷から風を受けてのクローズホールドの状態までベアする間をタッキングといいます。
- 1.
- クローズホールドの状態からティラーを押し(風下へ)、艇の廻りに合わせ身体を艇内に移動します。
- 2.
- 艇が風位に立ち、新しい舷から風を受けるところでティラーを戻しながら、ティラーとシートの持ち手を替えます。シートをゆるめないようにしっかり握っておきます。ブームに頭などをぶつけないように気をつけましょう。
- 3.
- 新しい風上舷へ移動し、風下におとし過ぎないようにティラーを操作して反対のクローズホールドで走ります。タッキングは風上に向かうときや、危険物を避けるときなどに必要な技術です。常に進行方向周辺に目をくばりながら、スムースに作業できるように練習しましょう。
クローズホールドからクローズホールドヘ、素速い方向転換をするには、初めのクローズホールドでの十分な艇速が必要です。スピード不足だと、スムースにヨットが廻ってくれません。
ジャイビングとは
ランニングの状態でメインセイルが艇の中心を通過し、反対舷に展開される間をジャイビングといいます。
- 1.
- ランニングの状態からティラーをわずかに引き(風上へ)、メインシートをぐんと大きく引き込みます。
- 2.
- ブームが反対舷へ移るときは頭をぶつけないように腰をかがめて、ゆっくり身体を移動します。
- 3.
- 背中でシートとティラーの持ち手を替え、新しいランニングのコースを保持します。
ランニングは、ブームを艇外に大きく出し、セイルの風圧中心も艇から離れるため、ヨットは不安定な状態になります。ジャイビングは、右(左)舷から左(右)舷へとセイルが入れ替るので、さらに不安定な状態の作業です。微風でよく練習を重ね、慎重におこないましょう。新しい舷ヘセイルを出すときに、シートがひっかかってスムースにセイルが展開しないと艇のバランスは大きくくずれ、沈の原因になります。シートを踏まないように心がけ、いつもシートの整理をするよう習慣づけましょう。