本文へ進みます

WR250Rのメンテナンス──その3

2008年6月17日
こんにちは、ヤマハ発動機販売の高橋です。

今回で3回目となる、「トモ・レーシングサービス」の吉原朋正さんによる“WR250Rのメンテナンス講座”。それでは吉原さん、お願いします。

── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ─

吉原朋正さん

こんにちは!吉原です。
今回はついつい忘れがちな3項目についてお話ししたいと思います。

●クラッチワイヤーの給油
クラッチレバーが少し重くなってきたなぁ。そう感じている人は居ませんか。クラッチワイヤーに給油をすれば、その不満のほとんどを解消することができます。ワイヤーとワイヤーアウターチューブの間に給油するのは至難の業ですが、専用のワイヤーインジェクターを使用すれば驚くほど簡単です。ただ家庭用の潤滑剤を使用するのは厳禁。オイルが定着せず、逆に油分を洗い流してしまう可能性があるのです。専用のワイヤーオイルを使用しましょう。クラッチワイヤーの遊びも調節しておきましょう。クラッチが繋がる位置を変えるだけで、走りやすさに差が出ますよ。

給油
↑ワイヤーインジェクヤーを使った給油。簡単に素早く給油することができます。

ワイヤー給油専用オイル
↑ワイヤー給油専用オイル。ME-180ワイヤーグリース

●ペダル類の調整
ブレーキペダルは地面と水平か少し上。シフトペダルも同様です。ただモトクロスブーツを履いて乗車する場合はシフトペダル位置を上げて、ブーツが入るスペースを作りましょう。オフロード走行時には、長いシートを利用してライダーが前後移動を繰り返します。どこに座っても(もしくは立っていても)ペダル操作ができる位置を確認しておきましょう。ペダル位置の調整はショップに相談してください。

ブレーキペダル位置
↑ブレーキペダル位置。地面と水平なのが分かりますか。

シフトペダル
↑コチラはシフトペダル。通常のライディングブーツなら現在の位置でOK。モトクロスブーツを履くならドライバーが示した角度あたりが良い。

●レバーの調整
調節の自由度が高いレバー類。ただし極端な上向きや下向きのレバー位置ではハンドル操作がしづらくなります。注意してください。ベストな位置は、肘に適度な余裕を持った状態でライディングポジションを採り、肘から指先まで一直線となる位置にレバーがあることです。

ベストなレバー位置

ベストなレバー位置

ベストなレバー位置
↑ベストなレバー位置をいろんな角度から撮ってみました。肩の力を抜き、自然に肘を張るのがベストポジション。そこからブレーキングをイメージして、腰を目一杯引いたり、前に乗ったりしてもレバー操作が行えることを確認してください。

悪い例

悪い例
↑この2点は悪い例。上の写真はレバー位置が低すぎるし、下の写真はレバーが高すぎてしまう。レバー位置によって肘の位置が不自然になり、車体の動きを吸収しきれなくなってしまうのです。

── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ── ─

高橋です。
肘を張ったライディングスタイルはカッコイイのですが、やり過ぎは禁物ですね。

さて吉原さんにお手伝いいただいた「WR250Rメンテナンス講座」は、いよいよ次回で最終回になります。それでは。


━━━━━━━━━━━━━━━
関連記事はこちら
WR250Rのメンテナンス
WR250Rのメンテナンス──その2
WR250Rのメンテナンス──最終回
2008年6月17日

モデル別記事

ページ
先頭へ