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静岡市オフロードバイク隊 2日間の合同訓練に密着

2017年8月4日

こんにちはヤマハ発動機販売の伊藤です。
7月28日(金)・29日(土)の2日間にわたり、静岡市オフロードバイク隊の合同訓練に密着取材させていただきました。訓練は静岡市役所のメンバーで構成された静岡市オフロードバイク隊、静岡市消防職員、陸上自衛隊、三島市オフロードバイク隊、石巻赤十字病院の5団体48名が参加し、静岡・リバウェル井川スキー場(静岡市葵区井川2629-190)で開催されました。ヤマハでは静岡市オフロードバイク隊の活動に賛同し、発足当初からスキルアップの向上など、長きにわたりサポートしています。
訓練は2日間ともに霧が濃く視界が悪い中でとなりましたが、実際の被災地を想定して、本番さながらの白熱した訓練となりました。

霧がかかったり、晴れたり、雨が降ったりと天候が変わりやすい状況の中、基本に則って厳しい訓練が行なわれた

霧がかかったり、晴れたり、雨が降ったりと天候が変わりやすい状況の中、基本に則って厳しい訓練が行なわれた

↑霧がかかったり、晴れたり、雨が降ったりと天候が変わりやすい状況の中、基本に則って厳しい訓練が行なわれた

静岡市オフロードバイク隊は阪神淡路大震災をきっかけに誕生し、今年で21年目を向かえます。東日本大震災や熊本地震など実際に現地に赴き、バイクによる情報収集など積極的に行い高い評価を得ています。今回は静岡市オフロードバイク隊の呼びかけにより、大掛かりな訓練が実現しました。遠くは石巻からもトラックにセローを積んで駆けつけてくださいました。

準備運動の後に、いきなり始まった厳しい訓練。

↑準備運動の後に、いきなり始まった厳しい訓練。インストラクターも参加者もどの団体も心一つにするために、また緊張感を持って怪我なく訓練を終えるために全員で腕立て伏せの『喝』を入れた

基本姿勢からはじまった訓練は、トライアルとモトクロスの2班に分かれてカリキュラムをこなしていく。

基本姿勢からはじまった訓練は、トライアルとモトクロスの2班に分かれてカリキュラムをこなしていく。

↑基本姿勢からはじまった訓練は、トライアルとモトクロスの2班に分かれてカリキュラムをこなしていく。すべては正しい乗車姿勢が基本となるので、反復練習で何度も繰り返し身に付くまで徹底的に練習

スラロームの訓練ではパイロンの間を縫って走行し、カウンターバランスの保持(逆体重)のテクニックを学ぶ。

スラロームの訓練ではパイロンの間を縫って走行し、カウンターバランスの保持(逆体重)のテクニックを学ぶ。

↑スラロームの訓練ではパイロンの間を縫って走行し、カウンターバランスの保持(逆体重)のテクニックを学ぶ。ウエットな草原での走行は、慣れるまで転倒する車両も

登坂発進やKターン(坂の途中で停止した場合のターン)の練習。

登坂発進やKターン(坂の途中で停止した場合のターン)の練習。

↑登坂発進やKターン(坂の途中で停止した場合のターン)の練習。先生のデモンストレーション後に実施。コツをつかむまで何度もトライした

3本の丸太越えで、足慣らし。

↑3本の丸太越えで、足慣らし。被災地では避けることができない障害物を安全に乗り越えるテクニックを身に付けることが目的

一番難しいとされた丸太越えセクション。

↑一番難しいとされた丸太越えセクション。静岡市オフロードバイク隊17年目の女性はこの難しいセクションもクリア(写真)。長年の訓練がキチンと身に付いている

タイヤがはまってしまい一人では抜け出せなくなった場合は、人の手を借りてでも抜け出す方法を見つけ、抜け出すことが大切と教わる。実際のケースでもあるはず。

↑タイヤがはまってしまい一人では抜け出せなくなった場合は、人の手を借りてでも抜け出す方法を見つけ、抜け出すことが大切と教わる。実際のケースでもあるはず。力を合わせる大切さも学ぶ

2ヶ所に設けたトライアルコース。先生のデモは簡単そうに見えるのだが

↑2ヶ所に設けたトライアルコース。先生のデモは簡単そうに見えるのだが

元全日本選手権モトクロスレディースライダーでインストラクターの伊集院忍先生もきっちりとした技術を身につけてもらうために、いつも以上に熱心な指導で

元全日本選手権モトクロスレディースライダーでインストラクターの伊集院忍先生もきっちりとした技術を身につけてもらうために、いつも以上に熱心な指導で

↑元全日本選手権モトクロスレディースライダーでインストラクターの伊集院忍先生もきっちりとした技術を身につけてもらうために、いつも以上に熱心な指導で

すべてのセクションの講習が終わり、最後に会場の外周を回る総合走行の時間には、どしゃ降りの雨と全面の濃霧となりました。しかし全員が脱落することもなく、無事に終了することができ、参加者も大きな自信となったようです。

石巻赤十字病院から看護師の2名が参加。

↑石巻赤十字病院から看護師の2名が参加。バッテリーと看護ツールを搭載してのセローは、ひときわ目立っていた。最初はおぼつかなかったテクニックも訓練後半には、インストラクターも目を見張るほどの技量を身に付けた

1日目の懇親会の食事も2日目のお昼も全て静岡市オフロードバイク隊のテントで賄った。

↑1日目の懇親会の食事も2日目のお昼も全て静岡市オフロードバイク隊のテントで賄った。お昼の焼き肉丼も冷麺も全てが美味しかった。食後のレモンティーまで作っていただき、午後の訓練に向けて英気をやしなえた。被災地では食事のことも自己完結で!これも訓練のうちとのこと

参加者全員が同じところに宿泊し「同じ釜の飯」を食べたことも今回の訓練の特徴だ。

↑参加者全員が同じところに宿泊し「同じ釜の飯」を食べたことも今回の訓練の特徴だ。懇親会では隊の壁を越えての交流。色々な情報交換ができ、人間関係が深まった

厳しい訓練は一人のケガ人もなく無事に終了した。

↑厳しい訓練は一人のケガ人もなく無事に終了した。真剣な顔で訓練を受けていた参加者も、思わず笑顔がこぼれた

2日間の訓練を終えて、参加者からは
「訓練そのものが楽しかったです。いつも困っていたことが、こうすればできるのだと理解できました。訓練は苦戦の連続で、まだまだできるわけでもないですが、帰ってからたくさん練習します」

「普段このような場所で練習ができないので、練習場所も大変良かったです。霧で視界が悪いのと滑る草原は怖かったですが、被災地ではきっと役にたちますね」

「講習の内容が濃くて非常に参考になりました。私はバイク隊を指導する立場なので、本日の内容を後輩に伝えていきたい。細かいところは動画で撮影したので、これもみんなに見せようと思います」

「普段は移動手段としてバイクを乗るくらいで、訓練は全くはじめてでした。今回の訓練で確実にスキルが上がったと思います。ありがとうございます」など2日間の訓練を通じて自信に繋がったという感想を多くの方からいただきました。

また静岡市オフロードバイク隊 森隊長は「21年も続いてきたのは、発起人の震災に対する熱い思いがあったからです。阪神淡路大震災を目の当たりにして、バイクの機動力の大切さを実感したことからこのバイク隊がはじまりました。東日本大震災のときも、熊本の震災のときも、このバイク隊が役目を果たしてきました。この活動が近隣の市町村にも広がりはじめ、静岡県の川根町や三島市、長野県の伊那市、神奈川県の相模原市などもバイク隊が活動しています。今後もお互いに情報交換しあい、技術を磨きあって、万が一のときには力になれるように備えていきたいです」と語ってくださいました。

今回インストラクターの方達からもメッセージをいただきました。

モトクロスインストラクター藤秀信さん

「ヤマハ・ライディング・アカデミー(YRA)」インストラクター・藤 秀信さん
「私は5年くらいこの訓練に関わっています。普段はデスクワークをしている方も多いので、年に1〜2回の訓練では少ないかもしれませんが、基本を身に付けて、帰ったら自主練と後輩達を教えてもらいたい。震災のときに、バイクで社会貢献できるというのは、バイク乗りとしてとても意義のあることだと思います。またそれを手伝えることは喜びでもあります。今回の訓練をやり通したみなさん、どんなところに行っても大丈夫だと思うので、基本の訓練をこれからも続けてください」

トライアルインストラクター・伊藤敦志さん

トライアルインストラクター・伊藤敦志さん
「以前からいるメンバーはレベルが高いですね。はじめて参加する人達とはかなりの技量の差があります。続けている人達のレベルが高いということは、この訓練を続けていくことに価値があると思います。これからも地道に練習してスキルアップに繋げてください。他の地区でも静岡市オフロードバイク隊を参考にして、このような活動が広がっていけばいいなと思います」

ヤマハとしてのサポートはバイクの運転技術を上げるお手伝いをすることです。バイク隊が被災地に入ったときに2次災害にならないように、安全に事故なくきちっとした情報を取ってもらうためのスキルを身に付けていただき、現地で100パーセントのパフォーマンスを発揮していただくお手伝いをする。それがメーカーとして社会的責任だと思っています。

2日間にわたる訓練は無事終了しましたが、これから参加者のみなさまは、地元に帰ってさらにスキルアップするための練習がはじまります。

【関連リンク】
2015年の訓練模様

2016年の訓練模様

2017年8月4日

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