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「勝って世界大会に連れて行く!」という5歳の息子さんとの約束を叶えた整備が大好き♡パパさんメカが日本代表に

2018年7月11日

みなさん、こんにちは。ヤマハ発動機販売の岡田です。
世界No.1のヤマハメカニックを決定する「YAMAHA World Technician GP(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ/ヤマハ世界整備士コンテスト)」に出場する日本代表者がついに決定しました!

【日本大会結果速報】

オートバイの整備が好き
「オートバイの整備が好き。いじっているのが楽しくて、できれば修理作業全てを担当したいくらい(笑)。毎日が楽しくてしかたがありません」と笑顔を見せるのは、袖ケ浦ホンダの井口 友臣(いぐち ともしげ)さんです。

2016年大会では、予選落ち
実は前回2016年大会では、予選落ちしていたそうで、「今回はその悔しさをバネに、店が終わった後に、秘密の努力を重ねて来た結果が実って嬉しいです。特に実技競技は、自分で想定問題を考えたりして、とことんやり込んで来たので、自信を持って臨めました」と胸を張ります。

メカニックという仕事
「メカニックという仕事は、表舞台に出てくるものではありません。たくさん修理したからといって評価されるわけでもない。だからその日々の修錬を評価しようと、実力を発揮するこのような機会をメーカーが設けてくれることは、がんばり甲斐があるというものです」と続けます。

少し涙ぐんでいた
実は、結果発表の時に少し涙ぐんでいた井口さん。
聞けば「今回、家を出てくる時にどこに行くのか5歳の息子に聞かれたので、『ヤマハの本社に行くんだよ』と話したところ、『ボクも行く!』と言って聞かないんです。というのも息子は大のヤマハバイク好き」

世界大会出場時には応援者を同伴
「そこで世界大会出場時には応援者を同伴できることから、息子をヤマハ本社に連れて行けるよう『日本大会で優勝するからね』と約束して来たんです。それを果たせて本当によかった、息子が大喜びしてくれると思ったら......」とのことで、こちらもちょっと目頭が熱くなってきます。

日本人代表前回の世界大会では、日本人代表が優勝し世界一に輝いていることから、二連覇が期待されますが「今回のように気負いすぎず、いつも通りにやるだけですね」と自然体な井口さんでした。

【日本大会模様】

7月4日にヤマハ発動機本社内YTAグローバルトレーニングセンターにて行われた「第8回YAMAHA World Technician GP」では、国内予選を勝ち上がった16名のメカニックが、車両を使っての実技(80分)と接客(10分)の競技で競い合いました。

今回の実技競技
今回の実技競技は、故障箇所の診断&修理作業に加え、従来にはなかったタイムトライアル競技が追加。

クラッチプレート
なんと、クラッチプレートの交換を制限時間内に行うというもの。

クラッチってこんな感じ
競技車両であるMT-09のクラッチってこんな感じなんですけど

枚数が多いので、外すのも大変
枚数が多いので、外すのも大変ですが、交換する新しいクラッチをビニール袋から出すだけでも一苦労......。

適切な部品交換
適切な部品交換や効率的な作業、手際の良さなどに加え

普段の工具の扱い方
普段の工具の扱い方やお客さまのバイクに向き合う姿勢などもチェックされているんです。なのでこの日本大会に出場するからといっての一夜漬けではどうにもならないんですよね。

タイムトライアル
タイムトライアルの後は、故障診断と修理作業。

ここ最近のモデル
ここ最近のモデルは電子化が進んでいることから、パソコンと接続し、車両状態を的確に診断することが可能なサービスツールYDT(ヤマハ・ダイアグノスティック・ツール)の活用をヤマハでは推進していますので、もちろんYDTの扱い方を問う内容が出題されます。

前回は導入間もない頃
前回は導入間もない頃でしたので、YDT中心の出題でしたが、今回は、YDTは使えて当然。YDTだけに頼ることなく、冷静に状況を判断し、経験やノウハウを活かして対応しなければならない問題も出題されたのです。

課題がクリア
課題がクリアできると、通過したことを表す「YTAステッカー」が貼られていきます。

ヤマハの社員は見学自由
ヤマハの社員は見学自由なので、競技ポイントを通過した選手がいると、拍手が沸き起こり、他の選手が着々とゴールに向かって進んでいるのがひしひし伝わってくるのです。

また修理作業が進む
また修理作業が進むと、不動のエンジンに火が入る音が聞こえてくるので焦ります。

さらに手元まで食い入るように
さらに手元まで食い入るように見つめる審査員に、真剣な表情を収めようとグイグイ近づいてくる複数のカメラマン。

競技の公平性を保つため
しかも、競技の公平性を保つためにヤマハが用意した、使い慣れていない工具での作業。

前回2016年大会の優勝者
こんな状況の中、平常心で作業に取り組むのは非常に困難です。

日頃の修理作業
日頃の修理作業では感じることのない緊張感と焦り......。

いつもなら気付くはず
いつもなら気付くはずのちょっとしたエラーに気づけないことも。
でも、どんな場面でも、いかに些細なエラーであっても、気づいて対処できるのがヤマハメカニックです。

一方、接客競技は
一方、接客競技は
審査員も

見学の社員も近い
見学の社員も近い、近い!

何をどう説明しているのか
何をどう説明しているのか、みなさんにまる聞こえなのです。

エンジンオイルを
エンジンオイルを純正の液体パーツとしてとらえ

ヤマハ純正オイル
ヤマハ純正オイル「YAMALUBE」を推奨していることもあり

オイルの知識
オイルの知識を始め、純正部品や定期点検の必要性について分かりやすい訴求が求められました。

お客さまの立場に立って
さらにお客さまの立場に立って、安全で楽しいバイクライフを提案ができるかという点においても審査されたのです。
お客さま役の社員が手にしていたのはこちらのヘルメット。ボロボロでしょ?

アドバイスができる
気づいて、アドバイスができるかどうか、ヤマハメカニックなら、一歩踏み込んだ提案までもが求められるのです。


【日本大会出場者コメント】

なかなかハードな競技内容&競技環境なんです。そんな厳しい競技にチャレンジしたみなさんを、参加しての感想とともにご紹介しますね。まずは入賞されたおふたりから。


2位:YSP神戸中央・小河 孝拡(おがわ たかひろ)さん
小河さん
小河さん:
「正直、結果を聞くまでは、表彰台すら危ういと思っていましたので、2位という結果にやった! と喜ぶ気持ちもありますが、もう一つ上を取りたかったという銀メダリストのくやしさを感じているところです」

そこそこの手ごたえ
小河さん:
「実技競技では、一通り時間内に終えることができ、周りの状況を鑑みるに、そこそこの手ごたえを感じていました」

上には上がいる
小河さん:
「でも、上には上がいるだろうと思っていたんですよね」

いつも愛用しているマグライト
小河さん:
「接客競技では、いつも愛用しているマグライトを持ち込み、普段通りにマグライトで車両をチェックしながら整備受付にあたろうと考えており、予定していたことがきちんとできて良かったです」

このような大会は特殊な場面
小河さん:
「このような大会は特殊な場面ではありますが、お客さまの車両への気遣いという心構えは普段の整備に大いに活かせます。次回リベンジを果たしたいところですが、自分ではなく若手を育成し、次世代を優勝させることで、自分もともに成長できればと思っています」

接客競技でお客さま役
接客競技でお客さま役が入って来たときの小河さんのフットワークの良さと気持ちのいい笑顔といったら! 自分が大切にしている愛車だからこそ、こういうメカニックさんにお願いしたくなりませんか?

3位:YSP名古屋西・丹羽 勝(にわ まさる)さん
丹羽さん
丹羽さん:
「とにかく緊張しました。接客競技では手が震えていたくらいです。普段やっていることがやり切れませんでした」

実技競技では、日頃のレース活動
丹羽さん:
「実技競技では、日頃のレース活動で培った経験が活かせた一方で、冷静に判断できずに力を発揮し切れない場面もありました」

3位という結果は悔しい
丹羽さん:
「3位という結果は悔しい。本当に悔しい。これまで自分がやってきたことで自信がついたところと、ダメな部分がはっきりしたので、自信が持てたところはよりいっそう磨き、不足部分は補って、次回は世界大会に行きたいです」

今回YAMAHA World Technician GP
丹羽さん:
「今回YAMAHA World Technician GPに参加してみて、もっと多くのヤマハメカニックのみなさんに参加して欲しいと思いました。日本大会に出場したみなさんは、常日頃努力されている方だと思いますし、そのような方と競い合うことができて、とても勉強になりました。改めてもっと精進しようという気持ちです」

日頃レース・メカニックも担当しているので
日頃レース・メカニックも担当しているので(全日本ロードレースST600クラスに伊藤レーシングからYZF-R6で参戦している古山颯太選手は、YSP名古屋西のスタッフさんなんですよ)、今回のMT-09のクラッチ交換は楽勝だったそうです。
「R6のクラッチ交換の方がもっと大変です。また残り5分もあればバラした車両を元に戻せる自身があったので、焦らずに取り組めましたね」と余裕のガッツポーズ。レース現場の方がもっとシビアですよね。


つづいて、エリア予選をクリアし、日本大会に出場された参加者をご紹介します。(順不同)

ライディングファクトリー・渡部 彰悟(わたべ しょうご)さん
渡部さん
渡部さん:
「慣れない環境で、思った以上に精神的に追い詰められました(苦笑)。特に元々接客が得意ではなかったので、他の方の話を聞くとまだまだだなと。でも今回参加したことで、色々勉強になりましたし、もっと接客での対応力も上げていけるようがんばりたいと思います」

YSP川崎中央・堀畑 努(ほりはた つとむ)さん
堀畑さん
堀畑さん:
「前回の世界大会で優勝したのが当店のメカニックだったこともあって、半端ないプレッシャーでした。ずっとお腹が痛かった......。結果は学習不足の一言に尽きますが、日本大会に出るにあたってYDTの使い方を学んだりと、自己研鑽の機会としてとてもよかったと思います」

大会に出場したいと順番待ち
堀畑さん:
「次回は、この大会に出場したいと順番待ちしている意欲ある別のメカニックが出る予定ですので、もし気力・体力が続けば、そのまた次の機会にリベンジしたい。
これからも本大会の趣旨である"One to One Service(プロの整備技術でひとりひとりのお客さまとのより良い関係づくり)"を念頭に、日々の業務にあたっていきたいと思います」


ファーストオート堺支店・吉田 浩(よしだ ゆたか)さん
吉田さん
吉田さん:
「普段やらない経験で楽しかったです。
接客競技では、限られた時間内でお客さまにお伝えすべきことを伝えなければならなかったのですが、せっかくでしたので自分も楽しく、またお客さま役の方にも楽しんでもらえたらいいなと思って対応させていただきました」

実技競技は、知識不足が露呈
吉田さん:
「実技競技は、知識不足が露呈し、自分を信じきれずに焦ってしまいました。悔しいですね。次回は世界大会で優勝しますよ。ひねくれた問題にも太刀打ちできるよう、高い目標を掲げてそこに向かってがんばります」


YSP小倉・大瀬 拓(おおせ たく)さん
大瀬さん
大瀬さん
「普段の業務と違って、意外に面白かったですね。でも実技競技でエンジンをかけることができずに悔しかったです。
それにしても本大会に出場されているみなさんのレベルの高さと言ったら! 待っている間の会話から、驚かされました。今回の経験を店舗に戻って他のスタッフと分かち合い活用して、より良い店舗作りに活かしたいですね。ヤマハメカニックのみなさんは、ぜひこの大会に出られることをお勧めしますよ」


MDモーターサイクルス・岩佐 朋廣(いわさ ともひろ)さん
岩佐さん
岩佐さん:
「出場されているみなさん、本当にレベルが高いです。
決められている時間内でどう効率よく作業をしたり、話をまとめていけばいいのか、改めて考えるきっかけになりました。とても勉強になり、いい経験ができましたので、次回は後輩に出場を勧めたいと思います」


YSP京都西・大西 覚(おおにし さとる)さん
大西さん
大西さん:
「日本大会出場にあたって、配線図やセンサーの場所などを改めて勉強してきたのですが、見学の方はいるし、審査の方は間近でチェックしているしで、見られてとても緊張してしまいました。時間に制限もあって焦ってしまい、見落としてしまいましたね。接客競技も、こんなに緊張したことはないというくらいの緊張でした」


インターブルーム上大岡店・長谷川 渉(はせがわ わたる)さん
長谷川さん
長谷川さん:
「MT-09はまだ導入からそう年月が経っていないので、これまで大掛かりな修理のお客さまがいらっしゃらず、触り慣れていないこともあって、正直ちょっと戸惑いました。でも逆に言えば、新しいモデルの知識の必要性を痛感。こういう機会はいろんな気づきや勉強になるので、チャンスがあればまたトライしたいですね」


YSP仙台・玉手 諒(たまて りょう)さん
玉手さん
玉手さん:
「がんばりました! 楽しかったです!!
実技競技では山が外れてしまいましたが......接客競技では終始笑顔を忘れずに臨みました。他の出場者の方とも情報交換できたりして、ためになりました」

YSP八王子福生東支店・稲川 健介(いながわ けんすけ)さん
稲川さん
稲川さん:
「想定していた問題と違って、対応できませんでしたね。正直甘く見ていました。改めて基本の大切さ、作業にあたる際の丁寧さを実感。ちゃんとできる方が上位に入っているんだと思います。ブログを見て応援くださったお客さまに結果で応えられず残念ですが、今回の経験を今後の仕事に反映し、より良い整備力でお応えしていきたいと思います」

YSP滋賀・柴田 裕佑(しばた ゆうすけ)さん
柴田さん
柴田さん:
「とにかく緊張しっぱなしでした。場慣れしていない経験不足を痛感しました。実技では手が震えて冷静でいられませんでしたし、接客でも控え室に戻ったところで、あれもこれも、いつものようにできなかったことに気づくような次第でした。
うまくいかなかったところがよく分かったので、今後に活かしていきたいと思います。2年後、パワーアップして再挑戦したいと思います」

バイクフォーラム 鹿児島店・桒幡 俊輔(くわはた しゅんすけ)さん
桒幡さん
桒幡さん:
「なかなか難しいですね。日本大会出場、3回目ですが、参加者のレベルも出題内容も年々レベルアップしているように感じます。
クラッチ交換作業自体、なんてことはない作業ですが、優勝される方は違いますよね。こういう機会に参加すると色々気づくことが多いです」

メーカーが、サービスメカニックを盛り上げよう
桒幡さん:
「メーカーが、サービスメカニックを盛り上げようと、このような機会を設けてくれるのはありがたいことですので、そろそろ若手に世代交代したいところではありますが、チャンスの有る限り挑戦し続けますよ」


ウインドジャマーズ 日野バイパス店・西村 祐一(にしむら ゆういち)さん
西村さん
西村さん:
「2度目のテクニシャンGP日本大会出場です。競技が終わるとホッとする反面、忙しさを理由に準備不足で臨んでしまったところがあって、やりきれていない悔しさもあります。基本、競うことが好きですし、ある目標に向かって努力することも厭いません。
こういう機会があると普段でも、意識して丁寧に整備にあたりますし、実際の整備力・接客力向上にも結びつきますので、店舗をさらに良くしていくためにも、今後も努力を重ねていきたいと思います」

YSP岡山南・坂本 貴(さかもと たかし)さん
坂本さん
坂本さん:
「3回目の出場ですが、以前より手応えの感じられた大会でした。故障箇所もきちんと見つけることができましたし、接客も周りを見ながらゆとりを持って対応できました。挑戦し続けることで、以前よりも実力がアップしていると思います。
ただし、まだまだな部分もあります。自分の実力を見直すきっかけとして、出場できる限り、がんばり続けたいですね」


みなさん、タフな競技、本当にお疲れさまでした!
そんな競技を見学していたYAMAHA World Technician GP日本大会の会長で、ヤマハ発動機販売の石井謙司社長は
ヤマハ発動機販売の石井謙司社長
石井談:
「今回の競技を拝見するに、目指すところはお客さまの満足度向上という同じゴールでも、実技競技・接客競技ともにいろいろなやり方があり、みなさん丁寧で完成度の高い整備や接客をされていて、日々努力し勉強されていると、ただただ感心するばかりでした。

また、技術力の高さはもちろん、車両はもとより純正オイルや純正部品などの豊富な知識とそれを分かりやすくお客さまに説明できるコミュニケーション力、お客さまの立場に立った安全で楽しいバイクライフ提案までと、販売活動に占めるサービスメカニックの貢献度の高さを痛感。サービス力でもヤマハブランドが選ばれるよう、販売店さんとともにサービス対応力強化に今後も努めていきたい」とコメントしていました。

そういえば、日本大会に参加された皆さん
そういえば、日本大会に参加された皆さん口々に「予選を通過して日本大会にまで出て本当に良かった。自分の実力を客観的に知るきっかけにもなったし、普段の業務では味わえない体験ができた」「何より、同じように日々がんばっているメカニックの方々と知り合えたことで、ものすごく刺激になった」「もっとたくさんのメカニックのみなさんにも参加して欲しい」とおっしゃっていました。
わずかな時間ですが、プロ同士が ハイレベルな環境で出会うことで、プラスの化学反応が起こったようです。

エリア予選を勝ち上がって
エリア予選を勝ち上がって、「YAMAHA World Technician GP日本大会」に参戦したことで、さらに技術に磨きのかかったメカニックさんがいるお店に、みなさんもぜひ足を運んでみてくださいね。

また世界大会では前回に続き、日本代表が優勝できますよう、袖ケ浦ホンダの井口さんへの応援、よろしくお願いします!


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2018年7月11日

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