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「これ以上何ができるのだろうか...」、テスターたちも唸る完成度。YZ250F&YZ450FX、試乗インプレッション

2020年10月26日

こんにちは、ヤマハ発動機販売の井田です。

YZシリーズ2021年モデルのYZ250Fと鈴木健二選手が全日本エンデューロ選手権(JEC)第2戦でデビューウィン!

先日このブログでもご紹介した通り、YZシリーズ2021年モデルのYZ250Fと鈴木健二選手が全日本エンデューロ選手権(JEC)第2戦でデビューウィン!

全日本モーターサイクルクロスカントリー選手権(JNCC)第4戦では

全日本モーターサイクルクロスカントリー選手権(JNCC)第4戦では、YZ450FXと渡辺学選手がデビューウィンと、幸先の良いスタートを切ったYZシリーズ2021年モデル!

こちらが、その時の記事↓
2021年モデルのYZ450FX&YZ250FがエンデューロのデビューレースでWウィン!!

マイナーチェンジを行った2台が勝負の世界で、そのポテンシャルを証明したのです。

マイナーチェンジを行った2台が勝負の世界で、そのポテンシャルを証明したのです。

今回はYZ250FとYZ450FXの進化を客観的に厳しく

今回はYZ250FとYZ450FXの進化を客観的に厳しく、確かな物差しを持つ方に判断していただくため、二輪専門誌向けYZシリーズ2021年モデルの試乗会で、テスターの皆様にインプレッションをお聞きしました。

その前に、現在のYZシリーズが目指す姿を皆様に知っていただくため、開発者に話を聞いていますので、ご紹介しておきます。

まず、YZグループのグループリーダーである村山友貴さんに全体像をお話しいただきました。

まず、YZグループのグループリーダーである村山友貴さんに全体像をお話しいただきました。

YZシリーズのお客様にはトップのライダーから趣味のライダーまでさまざまな方がいらっしゃいます。それぞれ使っている領域は異なるかもしれませんが、例えば「扱いやすいパワー」、「楽に曲がれるコーナーリング性能」というのはレベルに関係なく皆様が求めているため、私たちは乗り手を選ばず、誰もが速く楽しめる車両を目指そうと開発を行っています。

一方、オフロードには多様な走行環境があり

一方、オフロードには多様な走行環境があり、それが常に変化していきます。この環境と変化に柔軟に対応し、いつでもどこでも最良のパフォーマンスを発揮する車両を目指すことが、開発チームが共有するもう一つの約束です。

これらは難題ではありますが、コンポーネント一つ一つから、懐の深い製品を目指したモノづくりを行い、それを土台に、開発者、テストライダーがモトクロス、クロスカントリー・エンデューロという各競技特性に合わせたキャラクターを織り込んで、YZシリーズは「いつ誰がどこで乗っても速く楽しく走れるバイク」になっていると自負しています。

続いては、横井正人プロジェクトリーダーに、担当したYZ250Fについて紹介してもらいます。

横井正人プロジェクトリーダーに、担当したYZ250Fについて紹介してもらいます。


以前からYZ250Fは、低速の力強さと扱いやすさで評価されてきましたが、一方で中高速性能の向上を求める声があり、2021年モデルではその力強さ、良好なオーバーレブ特性にフォーカスして開発しました。

ところが、中高速性能が上がると

ところが、中高速性能が上がると、それまで高い評価だった低速が物足りなく感じるもの。そこで低速も、排気系のプロフィール変更などでさらに力強いフィーリングを実現。低速から中高速域へとストレートにパワーが盛り上がっていく、全域での性能向上を果たしています。

車体は2020年モデルのYZ450Fで改良したメインフレームを採用していますが

車体は2020年モデルのYZ450Fで改良したメインフレームを採用していますが、軽快なコーナリングを目指してチューニング。しかし軽快感だけではアクセルを開けづらいため、安定感も必要になってきますが、これが強すぎると今度は曲がりにくくなってしまう。そこでエンジン懸架やサスペンションセッティングによって衝撃の吸収力を高めることで、軽快性と安定感を両立することができました。

YZ450FXは、倉野由之プロジェクトリーダーに紹介してもらいました。

YZ450FXは、倉野由之プロジェクトリーダーに紹介してもらいました。

450ccモデルは一般的にトップライダー向けというイメージが強くありますが、実際のオフロードシーンでは、幅広いレベルのライダーに選ばれていることから、さらなる乗りやすさを追求しました。

その乗りやすさとは、低速の扱いやすさです。2020年モデルのエンジンでも、下からリニアにパワーが出てくる特性ですが、そのカバーレンジをさらに広げ、極低速から扱いやすくなっています。

その乗りやすさとは、低速の扱いやすさです。


それを実現する一つが、YZ450FX用に作り込んだ推奨マップ。これは従来もやってきたことですが、さらにマップの狙いを明確に表現できるよう、鈴木健二選手など、エンデューロレースを走るライダーの感性を織り込み、上級者用のハイパフォーマンスなマップから、低中速のトルクを生かして楽に確実に走れるマップなどを準備しました。

それを実現する一つが、YZ450FX用に作り込んだ推奨マップ。

また450ccモデルは車両自体の重さがネックとなりますが、本モデルでは実重量を削減しつつ、エンジン懸架やサスペンションセッティングなどにより、車両を倒し込んだ時など感覚的な軽さを作り込んでいます。こうして、ヤマハのオフロードコンペティションモデル最大排気量のエンジンを持つ車両とは思えないほどの軽さを実現し、意外なほど馴染みやすく、扱いやすいモデルになっているのです。

さらに、この開発目標を実現したテストライダーの代表として

さらに、この開発目標を実現したテストライダーの代表として、鈴木健二選手に両モデルの完成度について聞きましたので、ご紹介しておきます。

YZ250F
低速も良いのですが中高速の伸び・力強さが大きく進化しました。これはヨーロッパや北米からの評価も高く、狙い通りのマシンに仕上がっています。

私はJECでこのバイクを使い勝利したわけですが

私はJECでこのバイクを使い勝利したわけですが、エンデューロはモトクロスと比べ低速を使うことが多くあります。その時に突然の大きなパワーは必要ありませんが、2021年モデルは低速で開けた時のフィーリングがマイルドで回転がストレートに上がりながら力がついてくるのでコントロールしやすいのです。

一方の中高速域は、低速でコーナーを立ち上がり、そこから力が湧き出てきてグイグイと前に進んでいきます。さらに長く引っ張っていくと、本来であればオーバーレブに当たってギアを上げる必要がありますが、そこからもう一段階引っ張れるので、圧倒的に使いやすくなっているのです。

JECでは雨で非常に難しいコンディションでした。

JECでは雨で非常に難しいコンディションでした。条件が悪ければ悪いほど、基本性能の差が顕著になりますが、結果の通り、私は勝利できたのは、YZ250Fの素晴らしい基本性能の高さによるものなのです。


YZ450FX

このモデルはYZ450Fをベースに開発していますが

このモデルはYZ450Fをベースに開発していますが、マップや18インチのタイヤなど、細かいところで違いを生み出してきました。中でも、ガレ場やウッズなど低速を使う特徴的な環境を走るため、突然の大きなパワーは必要ありませんし疲れるだけです。そこで特に低速は、安心してアクセルを開けられる特性にしたため、扱いやすく速く走ることができ、さらに疲れ軽減するのです。※写真は渡辺学選手

車体については、エンジン懸架やリアのシャフト径を細くすることで力を逃がしコーナリングでの軽快感を作り込んでいます。ヤマハのテストライダーはレース経験者ばかり。その全員が良いというものを目指して突き詰めていくことで、エンジンも車体もとてもバランスの良いものが作り込まれているのです。


それでは、今回、二輪専門誌向け試乗会にてご試乗いただいたテスターの皆さんに感想を聞いていきます。
果たして、開発陣の狙いは感じていただけているのでしょうか?


まずはオフロード専門誌「Go RIDE」のテスターとして参加してくださった渡辺学選手です。

まずはオフロード専門誌「Go RIDE」のテスターとして参加してくださった渡辺学選手です。

YZ250F:まるで何かに引っ張られているように進んでいく!

今回は事前に技術説明会があり、2021年モデルはプーリングパワー(引っ張られるような力)を体感してほしいとありました。実際に乗ってみると、ブロック一つ一つが路面を捉えている感覚があり、しっかりトラクションして、タイヤの回転、エンジンの回転、そして実際に前に進む感じが一致! まさに引っ張られているように加速していくのです。以前のYZ250Fにも同じ感覚はあったのですが、低中高すべての領域で、さらに強くなっています。

扱いやすさも格別で、これまでは低速コーナーなど2速を使っていましたが

扱いやすさも格別で、これまでは低速コーナーなど2速を使っていましたが、このモデルは1速で走れてしまう。それに、パワーがドンと出ることもなく、どこからでも回転がキレイに上がっていく魔法のようなバイクでした!


YZ450FX:これ以上何ができるんだろう? と考えてしまうくらいの完成度

車重があるはずなのに軽さを感じるのは、剛性感、サスの硬さ、エンジンのレスポンス... それらが絶妙にバランスしているからだと思います。例えばサスペンションのおかげで、車両が思う方向に動いてくれますが、それも軽さにつながっているのでしょう。

パワーチューナーに設定されているマップも使ってみました。パワーのアリ・ナシが明確に感じられ、ライダーや路面の状況、また基本的なライダースキルに合わせてマップを使い分ければ、それぞれの状況に合わせた特性を得られ、速く走ることも、疲労軽減にもつながり、本当の扱いやすさを実現していると思います。

鈴木健二選手ら、JNCCやJECに出場しているエンデューロを知り尽くしたライダーが

鈴木健二選手ら、JNCCやJECに出場しているエンデューロを知り尽くしたライダーが、その経験をもとに速く、そして乗りやすいように相当な時間をかけて作り込んでいることが伝わってきます。毎年進化を遂げているわけですが、これ以上何ができるんだろうと考えてしまうくらい完成度の高いバイクです。


続いては、「ダートスポーツ」のテスターとして参加してくれた熱田孝高選手。
元ファクトリーライダーとして全日本モトクロス選手権などで活躍、JNCCでは渡辺選手のライバルです。

続いては、「ダートスポーツ」のテスターとして参加してくれた熱田孝高選手


YZ250F:すべてでストックを超えた完成度

最初に乗ってブレーキを握った時に、少し柔らかい感覚がありました。正直、僕はあまり好きではないタイプですが突然ガチッと効くわけではなく、握るとしっかり効いてくる。コントローラブルで扱いやすいことに驚きました。

最初に乗ってブレーキを握った時に、少し柔らかい感覚がありました。

サスペンションは、2020年モデルもしっかり動きましたが、ストックのレベルだと思っていました。しかし2021年モデルは、柔らかさがありながら奥に入った時にコシがあり、荒れた路面に入っても安定感があって攻められる素晴らしいセッティングになっています。

エンジンは、技術説明でプーリングパワー(引っ張られるような力)という言葉が出てきて最初はピンと来なかったのですが、確かに引っ張られる感じがありました。意図せず前に進んでしまう疲れるバイクもありますが、低速から高速まで常に引っ張られる感じがあり、その味付けが気持ち良く、とても楽に走れるエンジンだと思いました。


YZ450FX:ズルイと感じるほど、すごいバイク

低速でもアクセルだけでコントロールできるバイク。

低速でもアクセルだけでコントロールできるバイク。レスポンスはいいけど、スリップするわけでもなく、グリップして開ければ開けるだけ前に進んでいく。低速の加速から、高速までリニアで自由自在な乗り味です。

私もJNCCに出場していますが、アクセルを開けるだけでトラクションするため、これで走るライバルの渡辺選手は"ズルイ"なと(笑)。エンジンだけでなく車体の取り回しも軽く、全体的に良いバイク。すごいバイクです。


最後は、オフロードバイクポータルサイト「OFF1.jp」のテスターとして参加していただいた辻健二郎さん。
辻さんもまた、元ファクトリーライダーとして全日本モトクロス選手権などで活躍した方です。

オフロードバイクポータルサイト「OFF1.jp」のテスターとして参加していただいた辻健二郎さん。

YZ250F:バイクに任せられる領域が広がった

私はレースをやっていたのでオーバーレブに当たる前にギアを上げていく癖があります。

私はレースをやっていたのでオーバーレブに当たる前にギアを上げていく癖があります。ジャンプの直前、本来はシフトアップするべきタイミングだったのですが、そのまま引っ張ってジャンプを跳べてしまった。驚きましたね。ライダーは走っているときにいろいろなことをしていますが、このYZ250Fはそのいくつかを担い、ストレスなく平常心で走り続けられます。

また、パワーチューナーに設定されているマップもライダーにとっては強い味方。手元のボタン一つで異なるバイクに乗り換えるような感じで、ライダーが走り方を変えるのではなく、バイクがライダーに合わせるという意味で、その役割を広げているのだと思いました。

従来モデルはヘッドパイプやタンク周りが重い感じがあり

従来モデルはヘッドパイプやタンク周りが重い感じがあり、ハンドル操作ができず、コーナーでバイクを抑え込まないと倒れていかない印象でした。しかしこのモデルは、重さが消えてハンドルに情報が集まり操作がしやすくなったことで、簡単に倒し込める軽快感がありました。


皆様のお話からもわかるように、開発陣が狙った性能をテスターの皆さんが感じていることにホッとしました。

ヤマハでは、今回ご紹介した2台をはじめ

ヤマハでは、今回ご紹介した2台をはじめ、2ストローク、4ストロークのさまざまな排気量帯で合計12モデルをラインアップしており、すでにオフロードライフを楽しんでいる皆様、これからオフロードをはじめたいと思っている皆様にとって最良のパートナーが見つかるはずです。

2021年モデルのYZシリーズをご購入いただき

2021年モデルのYZシリーズをご購入いただき、ヤマハYZシリーズのアマチュアオーナーのサポートプログラム「bLU cRU」にメンバー登録いただいた方には、もれなくYAMALUBE製品(ヤマハ純正オイル、ケミカル)の購入に使える1万円分(税込)のクーポン券贈呈など、さまざまな特典をご用意しておりますので、お忘れなく!

予約受付は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて行っています。

予約受付は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて行っています。
以下のように各モデルで予約期間が異なりますので、ご注意ください!

モトクロス競技用「YZシリーズ」2021年モデルの予約受付期間
●YZ250F Monster Energy Yamaha Racing Edition:2020年11月30日まで
●YZ450F、YZ65:2020年12月27日まで
●YZ250F、YZ250、YZ125、YZ85LW、YZ85:2021年1月29日まで

クロスカントリー・エンデューロ競技用「YZシリーズ」2021年モデルの予約受付期間
●YZ450FX:2020年12月27日まで
●YZ250FX、YZ250X、YZ125X:2021年1月29日まで


【関連リンク】

製品リリース モトクロス競技用「YZシリーズ」2021年モデル

製品リリース クロスカントリー・エンデューロ競技用「YZシリーズ」2021年モデル

製品情報「YZ250F」

製品情報「YZ450FX」

ヤマハYZシリーズのアマチュアオーナーのサポートプログラム「bLU cRU」

2020年10月26日

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